※前回の「全ての子供が安心して登校できる学校づくり」からの続きですが、お家の方には「学校」を「家庭」に置き換えて、「子どもが安心して生活できる家庭作り」としてご覧頂ければ幸いです。場所が違うだけで、支援の意義は同じです。家では、子どもに威圧的な接し方をしておきながら、学校の指導体制には注文を出すということにならないよう気をつけましょう。

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②子どもに情報を伝えるときは、はっきりと具体的に伝える支援
   教師は子ども達に様々な指示を出す。教師の声が小さかったり、早口だったり、言い方が抽象的だったりしても、最後にお決まりのように「みなさんわかりましたか?」と聞くと子ども達は分かっていなくても条件反射のように「はい!」と返事をする。その後教師が「では始めなさい」と言った直後、指示の内容が分かっていない子ども達は教師の指示した通りに動けない。すると、すかさず教師から「何をやってるんだ!」と怒号が飛ぶ。すると感覚過敏のASD傾向の強い子どもたちは少しずつ心に傷を負い、いつしか限界に達した時に登校を渋るようになるのである。
先生の言うことがわからなかった時は、手を上げて質問していいんですよ」と具体的な行動の仕方を教えてやり、実際に質問ができた子どもを褒めてやれば、「はい!」という条件反射は起きないのだが、怒号を飛ばすような教師達はそこまでは指導しない。
   要は、子どもに指示や質問をする時にはっきりと具体的に分かりやすく伝えれば、子どもは自信を持って正しく活動することができ、教師から叱責されることもなくなるのである。

③子どもが安心できる教師のオーラを作る支援
   この支援は、感覚過敏のASDの子ども達にとって最も大切な支援である。
   子どもが安心できる教師のオーラ、つまり雰囲気のことを私は「安心オーラ」と呼んでいる。この言葉は、中京大学で退官された鯨岡峻氏の「させようオーラ」に対して私が作った造語である。この「させようオーラ」については、以前投稿した以下の記事を参照頂きたい。
子どもの『反発スイッチ』をONにしてしまう親の『オーラ』

   つまり、教師の「きちんとさせよう」「自分の言った通りにさせよう」という気持ちが強すぎると、そのピリピリした表情や雰囲気だけで感覚過敏の子どもは拒否反応を示してしまう。
   反対に、穏やかで温かな指導をする教師の言動からは「安心オーラ」が感じられ、感覚過敏の子ども達も安心して伸び伸びと活動することができるのである。この「安心オーラ」を発するための技法が以下の「セロトニン6」なのである。
勝ちにこだわり続けた息子の変化 〜子どもの気持ちを安定させた、お母さんの『セロトニン6』!〜
そして、その大元になるのが以下の「セロトニン5」である。
全ての子どもの気持ちを安定させるスーパー支援法『セロトニン5』②