(「増え続ける不登校  〜全ての子どもが安心して登校できる学校づくり〜 ①」からの続き)

   さて、全ての児童が安心して生活できるASDのための支援とはどのような支援なのか?
   その柱は3つある。
①子どもの特性を理解しそれに配慮した支援
②子どもに情報を伝えるときは、はっきりと具体的に伝える支援
③子どもが安心できる教師のオーラを作る支援

   実はこの3つの柱は、我が国の特別支援教育研究の中枢機関である国立特別支援教育総合研究所で行われた、ユニバーサルデザイン(UD)の考え方を取り入れた授業指導に関わる先行研究で示された、俗に「あ・つ・み支援」と呼ばれる3つの柱に沿った内容となっている。(「①子どもの特性にわせよう」「②子どもに分かりやすくたえよう」「③子どもをあらゆる面でとめよう」)

   ①と②の共通性は分かりやすいが、③の「子どもをあらゆる面でとめよう」については、「常に子どもの姿を肯定的に受容・承認しようとする、子どもが安心できる教師の態度」と捉え、「子どもが安心できる教師のオーラを作る支援」としたものである。以下に上記の①〜③それぞれについて述べたい。

①子どもの特性を理解しそれに配慮した支援
   ASDの最大の特徴は「感覚過敏」である。もちろん全ての人がこの特徴を持ちながらも、その傾向の強い人や弱い人がいる。「感覚過敏」の傾向の強い人は、感じやすさが人の何倍もあるために、傾向の弱い人から見るとリアクションがオーバーで極端である。その様子を見て「変な人」「変わった人」と見られてしまうのである。このことについては、以前に投稿した以下の記事を参照して頂きたい。
アラサー社会人としてどうなの!?』〜その人のわけを考える〜
   しかし、それらの特徴は先天性のものなので、本人にはどうしようもないことなのである。例えるなら、身体障害者の人がどうしても立てない、歩けないのと同じことである。その人達に対して「どうしても立てないの?変な人」とは言うのは失礼であることは言うまでもない。それと同じ事で、オーバーなリアクションを笑ったりバカにしたりすることも失礼に当たるのである。

※この後に②、③を紹介すると長くなるので、続きは次回で紹介します。