【今回の記事】
バス運転中に「ポケモンGO」操作、回送中にガイドが撮影か

記事の概要
   スマートフォンのゲーム、「ポケモンGO」を運転中に操作したことによる事故が全国で相次いでいます。今度はバスの運転手が走行中に操作していたことが明らかになりました。動画がインターネット上で拡散しています。
   左手でハンドルを握り、右手でスマートフォンを操作しています。起動されているのは、今、何かと物議を醸している「ポケモンGO」です映像は動画投稿サイトに掲載されたもので、映っているのはバスの運転手です。運転中にゲームをしていたのは、両備バス関西カンパニーの大阪支店で観光バスの運転手を務める41歳の男性でした。
 先月31日、両備バスに「運転中にゲームを操作している映像がインターネットに掲載されている」といった電話があり、発覚しました。
   両備グループによりますと、バスは10月上旬に大阪府内の中央環状線を走っていたものです。回送のため、客は乗っておらず、バスガイドが撮影したのではないかとみられています。
   社内の調査に対してこの男性運転手は、「映像に映っているのは自分だ」と認めているということです。

感想
   何とも遠回りな発覚であった。ドライバーのすぐ側にいたバスガイドが、運転中にポケGOを操作していたことを確認していながら、その行為が発覚したのが、両備バスに「運転中にゲームを操作している映像がインターネットに掲載されている」といった電話によるものだったのだ。
   同じバス会社の従業員であるにも関わらず、しかも、場合によってはガイド自らの命にも危険が及ぶ可能性がありながら、なぜガイドからドライバーに一言「危ないからやめて下さい」と言えなかったのか?更に、記事には「バスガイドが撮影したのではないかとみられています」と掲載されている。つまり、撮影したのはバスガイドしか考えられない状況下で、このガイドは、自分が内部告発したと負い目を感じているのか、自分が悪者になりたくないという思いからか、自分が撮影したことを認めていないのだ。
   私には、この両者の関係が、今の社会全体を象徴しているように感じてならない。
乗客の安全のために」と考えられず、自分の仕事よりも趣味を優先する。「会社の健全な運営のために」と考えられず、自分が傷つくことを恐れる余り、他人の悪い面を直接相手に言えない、上司に相談することさえできない、自分が撮影したことを隠す。これら全てが、精神科医の岡田氏が指摘する「自己愛(自分を最優先に守ろうとする考え方)」社会、ひいては「脱愛着(人間同士の絆が失われている現象)」社会を象徴している。
以前も、以下の投稿で「自己愛」社会の問題を指摘している。
注意!モンスター化する『自分大好き』な人たち 〜やはり鍵を握るのは『愛着スタイル』〜

この記事の中で、「自己愛」の人間が増えている要因について、不安定型の愛着スタイルを持つ人間の増加、ひいては、愛着形成の「臨界期」に当たる0歳から1歳半の養育の不備について述べている。ここでは詳細の繰り返しはしない。ぜひ、参照して頂きたい。