【今回の記事】
仕事ができない部下への指導方法に悩む人たち 「即戦力を求めすぎない」のも大事だけど……

【記事の概要】
   ネットのあるサイトに「仕事ができない部下への指導方法」というスレッドが立ち、人材育成の難しさを感じさせました。スレ主は入社2カ月の新人指導に苦戦しており、こんな風に嘆いています。「いまだに同じミスを繰り返し、仕事のスピードが極端に遅い。しかも、ここから教えないといけないのっていうくらい常識がない。 挙げ句の果てにやる気が全く感じられず、自分で勉強している様子もない」というほど指摘してきたのに一向に改善されず、「上司からは指導の仕方が悪いと怒られる始末」とのことで、指導経験者にアドバイスを求めていました。(文:篠原みつき)子どもだと思ってみましょう。それも生まれたての子どもです」「人に教えるって根気がいるよ。メモをとらせたり確認したり時々考えさせたり。でも威圧したりはだめだよ。怖がって質問してこなくなるからね。確かに、最近はじっくり時間をかけて育てるという発想や余裕が持てず、どうしても即戦力が求められる風潮になっています。できる人はできない人の気持ちが理解しづらい面もあるでしょう。一方で、きっぱりと「放置・見放す」という人もけっこういます。「出来ない人をなんとかできても、 やる気ない人はどうにもできません」と言い放ちます。こんなケースもありました。「バイトで入った20代男性。上司が注意すると親が『うちの子は睡眠障害だから、よく眠れないんです!病気なんだから仕方ないでしょ!』と、電話してきた。 じゃ病院行けー! 本人も『責任のない仕事ならできる』って…給料もらっといて、そんな仕事あるわけないだろ…」「私なんて、自分の残業増やしてまで指導してたのに、最終的に『職場いじめを受けました』ですよ…」一生懸命教えたのになぜか辞められたという話は、筆者も何度も聞いたことがあります。
   ただ、指導される側からは「毎日辛い。先輩がピリピリしていて質問しにくい」との訴えもあります。「質問したら、『忙しい』と断わられ、質問せずに進めミスをすると『なんで質問しないの?』と言われます」という人もいますので、自分の指導法が悪くなかったかよく考え、やる気があるかどうか話し合った上で見極める必要があるでしょう。

【感想】
   気になった点について、項目毎に考えてみたいと思います。

◯「いまだに同じミスを繰り返し、仕事のスピードが極端に遅い」について
   この部下は、なぜ同じミスをしてしまうのかが分かっていないのだと思います。それを教えるのが上司の役目ではないでしょうか。また、部下の気持ちに寄り添うその姿勢だけでも、部下の意欲が上がります。「仕事は、先輩の仕事ぶりを見て盗め」と言うより、ずっと効率的で業績も上がると思います。

◯「やる気が全く感じられず」「やる気ない人はどうにもできません」について
   上司が、部下のやる気を起こさせていないと思われます。これについては、以下の投稿をこ参照ください。内容は、子ども向けのものになっているが、大人にも十分当てはまるものであると思います。
子どものやる気スイッチを入れる魔法

◯「子どもだと思ってみましょう。それも生まれたての子どもです」について
   上記の「子どものやる気スイッチを入れる魔法」の投稿は、子ども向けですが、記事にあるような部下の実態であれば、一度「相手は一般常識も、最低限の技能も身につけているはずの大人である」という認識を改めた方がいいかもしれません。子ども、大人に関わらず、大切なことは「相手の実態に応じる」ということです。

◯「威圧したりはだめだよ。怖がって質問してこなくなるからね」について
◯「先輩がピリピリしていて質問しにくい」について
   これは全くその通り、 この時、上司からはピリピリオーラが漂っていて、部下は絶対近寄れません。(私も経験があります)意識して微笑みを作るよう心がけていると、その人の雰囲気が180度変わります。

◯「上司が注意すると親が『うちの子は睡眠障害だから、よく眠れないんです!病気なんだから仕方ないでしょ!』」について
   学校現場では、俗に「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者ですね。大人社会にもいるのですね。しかし、もし現実に睡眠に問題を抱えているのであれば、仕事にも支障をきたすでしょうから、何故眠れないのか、何か悩みがあるのか、この部下に話を聞いてみる必要があります(メンタルヘルスケアも上司の仕事です)。もしも職場内に原因があることが分かれば対処する必要があります。「モンスター」と呼ばれる人が出てくるのは、何かの問題があるからです。
   しかし、メンタルケアとは別に心配なことは、もしもその部下が上司に言いにくい意識を持っているとすれば、先に述べたように、話しにくい雰囲気を上司が作っているのかもしれないということです。

◯「自分の残業増やしてまで指導してたのに、最終的に『職場いじめを受けました』」について
   この、「自分の残業増やしてまで指導してたのに」という「…してやったのに」という表現が気になります。もしかしたら、その指導している時の上司の顔は、かなり威圧的なピリピリオーラが出ていたのではないでしょうか?その雰囲気を「いじめ」と捉えられたのかもしれません。これについても、上記の子どもの『反発スイッチ』をONにしてしまう親の「オーラ」」の投稿を参照してください。

◯「質問したら、『忙しい』と断わられ、質問せずに進めミスをすると『なんで質問しないの?』と言われます」について
   これについては、上司に非がありそうです。忙しくて部下に対応できない時は、「すまん、今忙しいから、時間が空いたら私の方からあなたのところに行くから」と約束して、必ず部下のところに行くべきです。「時間が空いたら私の方から行くから」と答えるのは、部下を尊重している証です。部下の上司に対する信頼もますでしょう。

◯「自分の指導法が悪くなかったかよく考える」について
   私たち教師にとっては、子どもが勉強する意欲が湧かないのは教師の責任です。同じように考えると、会社でも、部下のやる気が起きないのは、上司の責任と受け止め、自分の指導を振り返ってみると良いと思います。そうすれば、必ず指導力が向上します。

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   最後に、まとめとして、この投稿を紹介します。日本海軍という組織のトップにいた山本五十六の部下を育てる言葉です。ぜひ参照して頂ければと思います。
山本五十六が提唱していた、人を育てる「名言」 〜「子育て」でもとても重要!〜