今月14日に放送されたNHK「東北クローズアップ現代」の内容は、衝撃的なものだった。

   以前の投稿で、次の記事を紹介した。
4人に1人「自殺考えた」 過去1年「自殺未遂53万人」試算
この記事によると、「本気で自殺を考えたことがある」と考えたことがあるのは、成人全体では4人に1人となっているが、この番組の中では、「20代、30代に限っては、3人に1人」という調査結果を強調していた。「3人に1人」である!これまで親は、「まさかうちの子が自殺するわけがない」と油断していたが、この事実を突き付けられても、「それでもうちの子は、その三分の一には絶対入らない」と言えるだろうか。
   また、この番組にゲストで招かれたある識者は、「他人に悩みを相談する教育を(家庭ではなく)学校で行って欲しい」「家族には子どもの悩みを受け止める力はないので)知人や恋人が受け止め役をしてほしい」と話していた。この言葉をきいて親御さんはどう思うだろうか?既に家族、特に親は諦められているのである。私は言葉に言い表せない憤りを感じた。

   親に対するこの「諦め」は、親の「油断」に起因する。番組内で紹介された、自分の息子を過労自死で亡くしたある母親達は、「(息子は)辛いことがあっても乗り越えられると思い込んでいた。浅はかだった」「もっと打たれ強いと思っていた」「『死ぬわけがない』と思い込んでいた」と話す。油断していると、子どもから相談を受けても、「今忙しいから」等と、子どもと真剣に向き合おうとする姿勢がだんだんと失われていく。すると、子どもは「親に話してもどうせ聞いてくれない(番組中の若者の弁)」と思い、誰にも相談することなく命を絶っていくのである。
   今こそ、「油断」を捨て、親としてできることをしなければならない時である。「親としてできること」とは何か?それは、これまで何度も繰り返してきた親子の間の愛着(愛の絆)を形成することである。その方法は、複数の愛着識者の考えの比較から、以下の方法が望ましいと考える。
①乳幼児期では親が子どもの近くにいて養育に当たる(学童期以後であれば「子供を見守る」)
②スキンシップを図る
③子供を見て微笑む
④子供に穏やかな口調で話しかける
⑤子供の話をうなずきながら聴く
⑥小さなことから褒める
⑦以上の中でやると決めたものは、気分でやったりやらなかったりしない

なお、詳しくは、以下の投稿を参照して頂きたい。
愛着形成(愛着形成のやり直し)の仕方

   今こそ親が本気にならないと、三分の一の確率で若い我が子を失くしてしまうことになるのかも知れないのだ。