【今回の記事】
どうすれば止められる? おしゃぶりの原因と対策

【記事の概要】
   幼児期のおしゃぶりにはいくつかの原因が考えられます。
   多いのはおしゃぶりが習慣になっている場合です。乳児期の習慣が残り、口に入ってきたものを反射的に吸っていることも考えられます。
   また不満があったり物足りない気持ちがあったりしたときに、指をしゃぶることで満足感を得ようとしていることも原因として考えられます。お子さまのまわりの家庭環境や保護者との関係が要因となっていることもあるため、注意してお子さまの様子を観察しましょう。


【感想】
   記事の中に、「不満があったり物足りない気持ちがあったりしたときに、指をしゃぶることで満足感を得ようとしている」とあるように、一番多いのは充したい欲求の未充足から来るストレス
つまり、おしゃぶり癖を治すためには、ストレスの要因を突き止め、その要因を取り払ってやらなければならない。
   どんな欲求が満たされていないのかを明らかにするうえで、参考になるのが、「マズローの五段階欲求説」の考え方である。人間には満たされなければならない欲求が5種類あるとする、この考え方については、以前に以下のように投稿しているので、参照頂きたい。
他者を尊重できる子供を育てるためには? その1

   おしゃぶりをする子どもの多くは、「安全性の欲求」「所属・愛情の欲求」のいずれかが満たされていないのだと思われる。
「安全性の欲求」では、親からの厳しい叱責や暴力が考えられるし、「所属・愛情の欲求」では、愛情不足が考えられる。(これについては、優先順位が高い「安全性の欲求」から、我が子に当てはまることはないか、各家庭でご検討ください)なお、愛情の与え方については、以下の投稿を参照頂きたい。
愛着形成(愛着形成のやり直し)の仕方

   なお、この投稿で示したような支援を子どもに施すと、子どもの中に、母親という「安全基地」ができるので、ストレスの緩和に役立つ。この「安全基地」の考えについては、以下の投稿を参照頂きたい。
愛着の話 No.3 〜お母さんという「安全基地」〜

   以上に述べたような“おしゃぶりの原因”を認識していない親は、「おしゃぶりは良くない行動」と考え、「おしゃぶり、やめなさい!」と、その行為を制止するだろう。そこには、“愛情”の代わりに“怒り”が存在し、子どものストレスは益々増し、おしゃぶりも増えてしまうだろう。

   なお、今回のタイトルが「おしゃぶり」という幼児向けの表現になっているが、充たされるべき欲求が満たされない時に何らかの問題行動をとることは、小中高大全ての子どもはもちろん、大人にも当然あることである。おしゃぶりという形には現れなくても、何らかの行動として現れているはず。その意味でも、5つのどの欲求が満たされていないのかを探ることは、とでも大切になると考える。