【今回の記事】
【テキトー母さん流☆子育てのツボ!】#68 子どもに勉強を上手に教えられないのですが

【記事の概要】

子どもには魚を与えるな、釣り方を教えよこんな言葉があります。お腹を空かせている人に魚を与えると、相手はその場の空腹を満たすことが出来る。けれども、この人に魚の釣り方を教えなければ、お腹が空くたびに誰かから魚をもらえないと生きていけないことになる。目先のことを満足させることは相手のためにはならない、という意味です。子どもはいつか親から巣立っていきます。ですから、子育てとは“いつかお別れする日のための子育て”なのかもしれません。“子どもには魚を与えるな、釣り方を教えよ”の言葉どおり、何でもかんでもあれこれ世話を焼き過ぎると、自分1人では何にも出来ない子に育ってしまう危険があります。                                                               勉強でいえば、“勉強をみてやる”のではなく“勉強の仕方”を教えるようにしましょう。たとえば、子どもから「ディズニーランドはどこにあるの?」と聞かれたとき「千葉県にあるのよ」と即答することは簡単です。でも、そこで「どこなのかしらね。地図で調べてみようよ」と言えば地図の見方を学べます。すると、次回からは「ママ、ママ」と頼ることなく自分で調べることができるようにもなります。                                                           パーフェクト母さんである必要はありませんなんでも答えてやれる完璧母さんにならないとダメだ」「子どもが困っていたら直ぐに助けてやらないと」なんて考える必要はありませんたとえば子どもが幼稚園にタオルを持っていくのを忘れたとき、すぐに届けるのではなく、あえて知らんぷりすると、「先生、タオル忘れたので貸してください」とSOSを出す術を身に付けることができます。さらにいつまでも親に頼らないで、翌日から自分で用意するようにもなります。料理だって「私が全部作ってやらないと」「危ないから」といつまでもやらせないとできるようにはなりません。お弁当だって“料理の仕方”を教えていれば親が朝、熱が出てお弁当を作れないとき、自分でありあわせの残り物でお弁当を作れる中学生になるかもしれませんね。ママがお出かけのとき「今日は娘が夕飯当番」なんて夢のような日が将来、やってくるかもしれませんよ。                                  

【感想】
子どもには魚を与えるな、釣り方を教えよ」この言葉は、教育のどんな場面でも当てはまる、子どもの自立を目指す教育の座右の銘とも言える言葉です。お母さん自身が魚と格闘し汗をかき子どものテーブルの上に出してやることは、お母さんの仕事を更に忙しくします。しかもその間、子どもは何もしていないのです。何も学習していないのです。このような養育を「過保護養育」というのです。将来、誰かの力を借りないと何もできない半人前の人間になってしまいます。

   しかし、「テキトー母さん」と言っても、できれば、「(子どもを)見放し母さん」よりも「見守り母さん」の方が望ましいと思います。「見守り」ですから、子どもがSOSを出さない限り、口や手は出しません。その様子を見守るだけです。
   しかし、母親が子どもを「見守る」からこそ、
自分のそばにお母さんの温かい視線を感じながら子どもは意欲を持って活動に取り組むことができるのです。(子どもを「見て微笑む」ことは、愛着形成のための支援の一つです)
うまくいかない時には親がアドバイスし、子どもに成功体験を味合わせることによって自己肯定感を維持できるのです。
子どものがんばりをほめることができるのです。
   なお、いうまでもありませんが、母親は、何もせずにただ見守っているわけではありません。小学生位になり、ひと通り自分の事が自分でできるようになってからは、食事の準備をしながらでも子どもを見守ることはできます。例えば、食事の準備をしながら、チラチラ宿題をしている子どもの様子を気にするのです。子どもはそれで十分に母親の視線を感じますし、その中でも子どもを褒める言葉はかける事ができます。そういう意味では「ながら母さん」と言えるかもしれません。“何かしながら”なので、いちいち子どものする事に手や口を挟むことも出来ないため、過保護にならずに済みます。
   しかも、困ったとことが起きたら、子供の方から聞きに来るように予告しておけば、母親が子どもを見ていない時でもアドバイスができます。その時は、笑顔で優しく教えてあげましょう。この「困った時には自分から聞きに行く」という行為は、「情報活用能力」(キャリア教育の「4つの能力」のうちの1つ)を身につけるうえでとても大切なことです。なお、キャリア教育については、以下の投稿を参照ください。
社会的自立のために「学力」よりも大切な4つの能力!「キムタク母流子育て」で育む

   もちろん子どもの年齢によって、子どもとの距離や関わる頻度を調整する必要があります。思春期の子どものすぐ隣にお母さんがいては、子どもの自立感が養われませんし、かえって子どもにストレスも溜まります。また、幼児期の子どもに対して遠くからだけ見ていては「やり方」をアドバイスできません。

   いずれにせよ、子どもは、自分に任せられれば、それまでの知識と経験を総動員して、問題の解決に当たります。この「問題解決能力」こそ、今の社会が求めているキャリア能力の一つです。就職すれば、素晴らしい仕事をする人間に育つことでしょう。そして、「自分の力でやれた」この達成感こそが、子どもの自信になり、更に心のたくましい人間に成長していくことでしょう。