【今回の記事】
「釣れてますか」その瞬間、海に…命にかかわる、釣り人ら怒り「いたずらで済まん!本当に腹立たしい」

【記事の概要】
溺れる顔を見て、楽しみたかった」。大阪府岸和田市と忠岡町の突堤で、釣り人が相次いで海に突き落とされた事件。大阪府警に補導された男子中学生4人はこう供述した。現場は人気の釣りスポット。周囲の水深は深く、転落すれば命の危険もあるという。「何を考えているのか。いたずらでは済まされない」。釣り客からは怒りの声が上がった。
   岸和田市木材町の突堤では、友人と釣りをしていた中学2年の男子生徒がいきなり突き落とされた。この日突堤を訪れた八尾市の男性会社員(23)は「いたずらにしてはやりすぎだと思っていた。釣り人の中でも話題になっていた事件なので、安心した」と、摘発されたことにほっとした表情を見せた。

【感想】
   悪質ないたずらである。突き落とされた人たちが慌てる様子を動画撮影までしていたというのである。この背景には、この子供達が、大人達からいたずらを許されてきた環境がある。
   簡単な心理学であるが、人間がある行為をした後に、その人間にとって有利な状況が生まれると、その人間は、また同じ行為をしようとする。逆に、ある行為をした後に、その人間にとって不利な状況が生まれると、同じ行為をしようとはしない。
   このことを今回の事件に当てはめてみると、
「ある行為①⇨有利な状況⇨ある行為②」、つまり、
不良行為①⇨楽しい(怒られなかった)⇨不良行為②ということになってしまったのである。

   逆に、仮にこの子供達を叱る大人がいたとすると、
「ある行為⇨怒られた⇨やらない」、つまり、
不良行為⇨怒られた、怖かった⇨不良行為しない」ということになっていたはずである。(ちなみに、この「ある行為」とは、子どもが「良い行い」をした時でも同様であるが、ここでは省略する。)

   更に、この子供達を叱らなかった大人には2種類ある。
   一つ目は、言うまでもないが、この子供達の親である。普段から、子供達がいたずらをしても、甘やかして殆ど叱らなかったか、叱っていても、当の子ども達にはそれほど苦痛体験でなかったかのどちらかである。この責任が一番重い。
   もう一つは、少し厳しい言い方になるかも知れないが、「いたずらにしてはやりすぎだと思っていた。」「以前から話題にしていた」という釣り人達である。仮に1度目のいたずらの時に、丘にいた大人が子ども達を追いかけ、とっ捕まえて怒るか、それが無理ならすぐに警察に通報し捜索してもらい、直接子ども達とその親達に、ぎっちりとお灸をすえてもらっていれば、同じいたずらは繰り返されなかったに違いない。昔は、「子ども達を地域で育てる」という風潮があったが、今は久しく聞くことはなくなった。

   子ども達はまだまだ未熟であるが、逆に様々な可能性も秘めている。どちらの方に導くかは、私達大人にかかっている。