【今回の記事】
勝ちにこだわり続けた息子の変化

【記事の概要】
「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の子どもさんが、ネット対戦ゲームでボロボロに負けて大泣き。お母さんのところに来て泣きました。お母さんが、「うん、うん、いっぱい倒されるとくやしいし、かなしくなることあるよね。イヤになったらやめてもいいんだよ」と伝えると、突如元気を取り戻し、戦場に駆けて行きました。お母さんは、「勝ちにこだわるヒルマにとってはすごいことで、これまでなら怒って投げ出したり、号泣して手がつけられなくなったりと、散々だったのです。それが、とうとう!」と、賞賛の嵐!

【感想】
「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の子どもさんは、尋常じゃないほど勝ち負けにこだわります。ルールをやぶろうが何しようが、とにかく「1位」にこだわります。
   この「ASD」であるヒルマ君もやはり同じだったようです。お母さんも、「これまでなら怒って投げ出したり、号泣して手がつけられなくなったりと、散々だった」と話しています。

   そんなヒルマ君が、なぜ急に「もっとやる!俺がんばるね!」と、突如元気を取り戻しゲームに取り組み始めたのでしょうか?!
   それは、お母さんの言動にあると思いました。お母さんは、ヒルマ君の頭を撫でながら、優しい口調で、「うん、うん、いっぱい倒されるとくやしいし、かなしくなることあるよね。イヤになったらやめてもいいんだよ」と、ヒルマ君の気持ちに共感してあげました。この、「頭を撫でる(スキンシップ)」「優しい口調」「共感」の支援が効果的だったと思います。このうち、「頭を撫でる(スキンシップ)」と「優しい口調」の支援は「セロトニン5」による支援です。「セロトニン5」については以下の投稿をご参照ください。
全ての子どもの気持ちを安定させるスーパー支援法「セロトニン5」

   実は、知的遅れのない会話ができる子どもなら、「子どもの話を頷きながら共感する」という支援も、大人の気持ちでさえも、安心、安定に導く有効な手立てでえると、考案者の平山氏は自身の著書の中で指摘しています。ですから、私は「セロトニン5」に「子どもの話を頷きながら共感する」を足して、「セロトニン6」と呼んでいます。つまり「セロトニン5」の
①きちんと見る
②微笑む
③優しく声をかける
④褒める
⑤優しくふれる
に更にもう一つ
共感する
を加えた6つの支援を「セロトニン6」(「愛着7」とほぼ同じ)とし、会話ができる相手の気持ちを安心・安定に導く支援として捉えています。

   なお、これらの支援は、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の診断が下りた子供さんに対して最も効果を発揮しますが、この「ASD」の傾向は健常者と言われる人達でも大なり小なり持っているものです(詳細は本ブログ中「あなたも私も“自閉症スペクトラム” その3」参照)から、この「セロトニン6」の支援は、健常者を含めて全ての人達の気持ちを安心・安定に導く支援なのです。