【今回の記事】
覚醒剤使用容疑で女子中学生逮捕 岡崎市

【記事の概要】
 愛知県岡崎市の中学3年の女子生徒が、覚醒剤を使った疑いで29日、愛知県警に逮捕されました。逮捕されたのは、岡崎市に住む中学3年で15歳の女子生徒です。
   先週、体調を崩した女子生徒が病院で検査を受けたところ、覚醒剤の陽性反応が出たため、病院が警察に通報しました。さらに、その後、女子生徒の母親からも「自宅から覚醒剤が見つかった」と警察に通報があったということです。調べに対し女子生徒は、「覚醒剤を使った」と容疑を認めていて、警察は、入手経路などを調べています。

【感想】
   まだ15歳の、それも女子生徒が覚醒剤所持、使用で逮捕。「とうとうここまで来たか…」というのが率直な感想である。
   特に未成年の罪であるということから、親の責任が問われることになるだろう。
   この「親の責任」には2つの責任を果たしていなかったと思っている。
   一つには、「親の監督義務責任」である。母親は、今回の事件が起きるまで、娘の体調の変化に気がつかなかった。覚醒剤の性質上、娘の体調の変化を見とれる機会はもっとあったはずである。
   二つ目には、「子どもの養育に対する責任」である。子どもがネットや薬物に手を染めるのは、自分の心の寂しさを埋めるためと言われている。この女生徒も、生まれながらにして、大麻に手を染めることが決まっていたわけではない。つまり、子どもに対する親の愛情が不足していたのである。子の母親の養育態度についての情報は全く無いが、15歳にして覚醒剤に手を染める娘を育ててきたというからには、娘に対する言葉遣い、態度等に余程の問題があったと推測される。
   しかし、実は「隠れたもう一つの責任」があると考える。それは、この母親を育てた親の責任である。親の愛着スタイル(他人への愛情の傾け方)は子どもに伝達される、言うなれば「負の連鎖」は、精神科医の岡田氏が指摘している。それは、親の愛着スタイルに対する子どもの「適応行動」だと氏は述べている。例えば、親の養育態度が支配的、暴力的である場合、仮に、子どもが母親に対して優しい言葉がけを求めれば、それとは真逆の暴力的な言動が子どもにはね返ってくるだけである。それによって、次第に子どもは親に愛情を求めようとはしなくなる。愛着の対象、つまり本来自分のストレスを癒す場であるはずの「安全基地」を失った子どもは、当然のように反社会的行動をとるようになっていく。そして、その子どもが成長して親になる。そんな親から生まれた子どもの一人が今回の事件を起こしたのである。
   繰り返しになるが、今回の女生徒は、「そんな親から生まれた子どもの一人」であり、氷山の一角なのである。日本が、この「脱愛着(人との愛の絆を忘れた)社会」と決別するには、岡田氏が指摘する乳幼児期の養育を見直す以外に方法はない
   以下の投稿を参照して頂きたい。
人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ(修正最新版)