【今回の記事】
<夫単身赴任>急増する「ワンオペ育児ママ」 過酷な日々

【記事の概要】
   単身赴任など何らかの理由で夫と離れて暮らし、1人で仕事と育児をこなす「ワンオペ(ワンオペレーション=一人作業)ママ」が増えています。高熱が出ても誰にも助けてもらえない、孤独で過酷な日々
   東京で公務員として働く太田麻美さん(仮名、30代女性)。夫は単身赴任で別居してます。
   麻美さんは毎朝5時ごろ、寝不足状態で起きます。1歳の息子が寝ている間に洗顔や仕事の準備を済ませます。息子が目を覚ましたら、自分のことはすべて後回しに。朝食を作って食べさせ、オムツを替えて体温を測り、着替えさせます。
 息子が何かを誤飲したり、落下したりしないよう、常に視界に入れながら、なんとか化粧や身支度もします。その間トイレにすら行けません。
 麻美さんは、仕事の段取りを考えつつ書類をそろえ、同時に息子の着替えやオムツ、連絡帳を登園バッグに入れて、ベビーカーを押して家を出ます。必要な持ち物が多すぎて、忘れ物に気づき、遅刻ぎりぎりで引き返すことも日常茶飯事です。
 保育園に着いたら、猛スピードで着替えをセットし、泣く息子をなだめ、駅まで汗だくでダッシュ。通勤ラッシュにもまれ、会社に向かいます。会社に着くと同僚が「服、裏表ですよ」と一言。ワンオペ育児を始めてから、髪も服装もボロボロです。
 麻美さんは午後6時に会社を出て、急いで保育園に向かいます。仕事ですでにヘトヘトですが、テレビに子守をさせつつ夕食を作り、風呂に入れて寝かしつけ、洗濯、翌日の仕事の準備を深夜までこなします。
 子どもは保育園の集団生活で頻繁に病気をもらってきます。麻美さんが息子から風邪をうつされ、40度の高熱が出ても、横になることはできません。もうろうとしながらご飯を食べさせ、寝かしつけます。
 息子が夜中に目を覚まし、夕方食べさせたおかゆを布団の上で吐き出しました。両手でとっさに受け止めたものの、大泣きする息子から離れて始末しに行くこともできず、そのまま吐いたものにまみれ、麻美さんも一緒に泣きました。誰も助けてくれないワンオペ育児は、孤独です。


【感想】
   いかがでしょうか、この絶望感にも似た疲労と孤独感。乳児期の子育てはただでさえ大変なのに、自分が高熱を出しても、家事や子どもの養育をやめる訳にはいかないのです。
   この事例は、単身赴任のご家庭でしたが、今急増する「一人親家庭」は、もっと大変かもしれません。電話をかけて相談する相手さえいないのですから。
   この状況では、お子さんも心配でしょう。お母さんの笑顔が一番子どものエネルギーになるのですが、お母さんが疲れていたり、体調を崩している時など、子ども自身も元気が湧いてきません。

   日本は、終戦までは大人数の家族形態で生活していましたが、終戦以後、「核家族化」「一人親家庭」「独り暮らし」と、どんどん「孤独化」、「孤立化」、あるいは精神科医の岡田氏の言葉を借りれば「脱愛着化」が進んでいます。
   しかし、これから生まれてくる子供達には同じ「脱愛着」の社会の苦しさを経験させないようにしなければなりません。そのために、一刻も早く、母親が少なくとも1歳半までの「臨界期」の間、育児に専念できる社会の環境が整い、安定型の愛着スタイルを持って愛着を維持しながら生活できる社会が実現することを願うばかりです。
   なお、この「愛着」の考え方の概要については、本ブログの
人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ(修正最新版)」http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12166236151.html
をご参照ください。とても大切な情報を紹介しています。