【今回の記事】
旭川市3人死亡「生活音うるさい」相談も

【記事の概要】
 13日午後5時すぎ、北海道旭川市の住宅で、男性が帰宅したところ、玄関で妻が倒れており、駆けつけた消防隊によってその場で死亡が確認された。死亡したのは溝口ゆみ子さん(55)で、上半身に刺された痕があったという。そして、2階に住む溝口さんの父親(80)と母親(78)も血を流して倒れていて、やはりその場で死亡が確認された。さらに、別の部屋に住む30代の娘も両腕から血を流して倒れていたという。重傷だが命に別条はないという。
 警察によると、以前、この家族のうち誰かが「生活音がうるさい」という相談を複数回、警察にしていたという。
 警察は、家族内のトラブルから殺人事件に発展したとみて調べるとともに、重傷の娘が事情を知っているとみて詳しく話を聞く方針。

【感想】
   少ない情報をもとに、考えられることを述べてみたい。
   まず、警察によって、殺人事件のきっかけは、家族内の何らかのトラブルだろうと結論付けられている。そして、その「何らかのトラブル」とは、おそらく、以前から警察に「生活音がうるさい」と相談が寄せられていたことから考えると、家族内での生活音をめぐるトラブルではないかと推測される。
   しかし、その家族内の「うるさい生活音」とは一体どんな音のことだったのだろう?考えられるのは、家族の声やテレビの音である。
   では、家族の声について考えてみよう。まず、これは決して家族団らんの楽しい笑い声ではないだろう。それならば「うるさい」とは感じないはずである。ということは、つまり、互いをけなし合うような不快な声だったのではないか。
   次に、テレビの音について考えてみよう。これも、家族みんなで見ているテレビの音ならば不快に感じることはない。ということは、つまり、テレビを見ていない他の家族への迷惑を考えない必要以上にうるさい音だったのではないか。
   以前から、複数回、「生活音がうるさい」と警察に訴えがあったことから考えると、おそらく、この家族は、普段から家族内の仲が悪かったのだろう。その中で、互いを尊重し合わない生活様態が、家族の中の生活音を「うるさい」と感じさせてきたのではないか。

   これまで紹介してきた、家族内で起こる殺人事件も、家族同士のいがみ合いが要因となっていた。家族同士で尊重し合えない風潮が、このような悲惨な事件を引き起こしているのだ。これこそが、精神科医の岡田氏が指摘する「脱愛着」の社会である。家族同士で愛着が形成されていない家族の問題を解決するには、岡田氏の言うところの「愛着形成のやり直し」をする必要がある。このことについては、本ブログの「愛着形成のやり直しの仕方 その2」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12180436474.html)をご参照いただきたい。そこには、先のような「いがみ合い家族」では行われていない5つの行動が紹介されている。(「子どもを…」という記述を、「家族を…」と置き換えて解釈してください。)