前回は「叱る基準」、つまり「どんな時に子供を叱るか」ということについてお話ししました。
今回は、その続き「守る基準」についてお話しします。

    どんな時に子供を守るか。「はて?『叱る基準』については考えたことはあったが、『守る基準』など考えたことがあっただろうか?」という方も多いのではないでしょうか。かく言う私自身、数日前にふと、「どんな時に子どもを守るか」という意識がなかった自分に気がついた、という有様なのです。
   なぜ、そのことを思いついたのかというと、それは、子どもの自殺について考えていた時でした。自殺する子どもたちは、ほとんどが親に相談することなく命を絶っています。その現実を考えた時に、「親はなぜ守ってやれないのか?」という壁にぶつかったのでした。

   さて、なぜ親は子どもの命を守ってやれないのでしょうか?言葉を変えれば、なぜ子どもは親に相談せずに自殺してしまうのでしょうか?このことについては、以前に、本ブログの
親に相談できない子どもたち」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12177464461.html
でもお話しさせて頂いていましたので、そちらをご参照ください。
   今回、新たに考えたのは、子どもへの事前予告です。以前から、子どもには親がどんな時に叱るのかを事前予告するべき、という主張を繰り返して来ましたが、それと合わせて、
(叱る基準を伝えた後)ただし、次のようなときには、絶対叱らずあなたの味方になるからね。」と言って、次のことを伝えると良いのではないか、と考えました。
それは、あなたの命に関わる時。あなたが『死にたいほど辛い』と感じた時は、お父さんやお母さんは、必ずあなたの味方になってあなたを守るからね。たとえ、あなたが良くないことをした時でもあなたを叱ったりせず、全力であなたの命を守るからね!」と。
   例えば、「友達と言い争った末に、間違ってその友達を殺してしまった。こんなことは、親からどれだけ叱られるか分からない。親にはとても相談できない。」そんな時、子どもの思考レベルでは処理しきれず、自暴自棄になっていることでしょう。その結果、「死ぬしかない。」という最終決断に至るのです。しかし、もしそんな時に、「あなたが『死にたいほど辛い』と感じた時は、お父さんやお母さんは、必ずあなたの味方になってあなたを守るからね。」という親の言葉を思い出せるならば、わらをも掴む思いで、親のところに戻って来てくれるのではないでしょうか。
   子どもの命よりも重い不良行為はないのです。