世の中には、父親の言うことしか聞かない子供、逆に、母親の言うことしか聞かない子供がいるようである。
   まず、父親の言うことしか聞かない子供についてであるが、いつも父親が子供のいる前で母親のことを悪く言っていると、そのような子供になってしまう。子供の意識の中で、家族の人間の序列化が起きているのである。いつもお母さんに注意しているお父さんが一番偉く、いつもお父さんから注意されているお母さんがお父さんより立場が弱いと思っている。子供は、本来どちらの親よりも立場が下であるはずなのだが、母親が子供を注意した時に、父親が同調しなかったり、逆に母親の注意を否定したりすると、父親に守られている子供の立場の方が母親よりも上位になってしまう。悪がしこい子供なら、「お父さん、お母さんからダメだって言われた。」と自分から父親に駆け寄る子もいるかもしれない。父親からすれば、子供が自分の言うことさえ聞いていれば自分は困らないから、その状況を放置してしまうことが多い。「回避型」(他者との意思疎通を面倒くさがるタイプ)の愛着スタイルを持つ父親になると、困っている母親の気持ちなど我関せずなため、一層その状況に問題を感じることはなくなる。

   一方、母親の言うことしか聞かない子供については、先ほどと逆の環境の中で生活している子供である。この場合の問題点は、母親が家事と躾の両方を担うことになり、そのストレスも相まって、つい子供への注意の時間が長く、ヒステリックになりがちなことである。そのため、本来、子供を受容する「母性」を持つはずの母親が、本来の役目を果たせず、子供のストレスも溜まりがちである。場合によっては、その不満がそれまで子供を攻撃し続けたその母親自身に向かってぶつけられることもある。
   更に、本来子供の躾役である「父性」の持ち主である父親が蚊帳の外に置かれることで、適切な子育てができないこともある。事実、母子家庭で育った子供の犯罪率は、父子家庭で育った子供よりも高いことが、ある研究で明らかになっている。

   何れにしても、子供たちはいつも自分がいうことを聞く親と一緒にいるわけではない。そうではない時の方が圧倒的に多い。その時には、もう一方の親の言うことは全く聞かない。それが、どんなにその子の成長の可能性を奪っているか分からない。とにかく、子供の前では、親が互いを責め合うことは極力避けて頂ければ幸いである。
   ちなみに、民進党代表を務める蓮舫氏の子どもたちは、どうやら父親の言うことは聞かないようである。そのことについては、以下の記事のURLタップにてご参照ください。
蓮舫氏の家族内序列化 ご主人は植物以下! 〜しかし一番かわいそうなのはご主人ではない!〜

   何よりも、自分にとって都合のいい親に頼ってばかりいる子供は、自律心(自分で自分の気持ちをコントロールする気持ち)が弱いため、友人関係でも上手くいかず、社会に背を向けがちになり、その結果、非行に走ったり、引きこもりになったりする。