【今回の記事】
   早実  超大物OB・荒木大輔氏を投手コーチとして招聘

   昨年の夏の甲子園大会を盛り上げた怪物スラッガー・清宮幸太郎(2年)の早実は全国高等学校野球選手権西東京大会準々決勝で八王子学園八王子に4―6で敗退。清宮2度目の夏は甲子園に届くことなく、ベスト8で幕を閉じた。

   この結果を受けて、ウイークポイントである投手力の強化を図るために、早実のOBである荒木大輔氏を投手コーチとして招聘しようという話である。
   しかし、早実の監督である和泉監督の方針は、「選手の自主性を重んじるために、特に専門のコーチはおかない」ということである。では今回の荒木氏招聘の話はなぜ持ち上がったたのか?
   それは、伝統的に発言力の強い早実OB会の発案によるものだそうである。

   実はこの構図は、早実や野球だけに限った現象ではない。部内の指導者は、子供たちの人間教育を常に意識しながら指導にあたっている。それと相反するのが「結果至上主義」を掲げるOB会であったり父母会であったりすることが多い。
   私は、夫の指導者や子供たちの考え方を、外部のOB会や父母会が追い越してしまい、勝手に一人歩きしてしまう事は非常に好ましくないことであると考えている。
   学校の教育活動として行われている部活動や課外活動は、あくまで人間教育を理念に進められるものである。しかし外部からの結果至上主義の考えは、健全な人間教育を阻むものでしかありえない。なぜなら、本来であれば子供たちが自分たちで、どのようにすれば投手力がアップするかを考え工夫するべき場が、臨時コーチからのトップダウンによる指導によって奪われてしまうからである。
   別のケースでは、OB会や父母会の会長が部の監督や指導者に連絡することなく、校長に部の運営の在り方について直訴するために校長室を訪れるなどという事があると聞くが、言語道断である。