【今回の記事】
祖父の首絞め死なす=中3少女逮捕、「仲悪く」―群馬県警

   この事件は、祖父と孫との不仲が発端となって中3の孫娘が祖父の首を紐で絞め殺したとい痛ましい事件である。

   少女は動機について、「首を絞めて殺そうと思った。日頃から仲が悪かった」と話している。殺意を抱くほど「仲が悪かった」というくらいであるから、祖父に対する少女の言動はかなり乱暴なものがあっただろうということとが容易に推測できる。
   また、14歳の少女と76歳の祖父という3世代に及ぶ価値観には、かなりのズレがあっただろう。祖父からすれば、孫娘の言動に対して気になる点が山ほどあり、日頃から口うるさく注意していたのだろう。戦争を体験した世代からすれば当たり前の行動である。
   ところが、戦後の自己愛(自分本位の考え方)世代に生まれた子どもが成人し、更に自己愛の子どもを育て、その子どもが親になり更に自己愛の子どもを育ててきた。メディアの影響もあり、世代を繰り返すたびに、自己愛の度合いも強まっていく、今や“超自己愛世代”と言える。現在のその世代で生活する子どもにとっては、祖父からの度重なる注意は、ただただうっとうしいだけのものに違いない。
   今や殺人事件の半分以上が家族間の殺傷事例であるそうだ。家族の構成員それぞれが、自分の好きなメディアやモバイルに目を奪われ、家族とまともな会話を交わすことさえない時代になってしまった。そんな環境においては、愛着(愛の絆)が形成されるはずもない。そのことは本ブログの「愛着形成のやり直しの仕方 その2」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12180436474.html)を見ていただければ分かっていただけると思う。同時に、今の超自己愛世代に生きる子供たちとどのように接していけばいいかについても分かるに違いない。なぜなら、個人本位の自己愛の考え方を改めることができるのは、愛着という“他者との愛の絆”の力以外にはありえないからである。