「いいとこどり」だけしたいなど許せない | 偕楽園血圧日記

「いいとこどり」だけしたいなど許せない

「10月なのにクーラーなんて」といっていたのがつい先週なのに、今日は暖房が欲しいほど寒い!
 最高気温が16℃とは、まったくどうなっているのだか。



 さて、


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 東京都内で36万戸停電=官庁街や鉄道にも影響―埼玉の施設で火災、原因か・東電

 12日午後2時55分ごろ、埼玉県新座市野火止の東京電力施設内で火災が発生したと通報があった。
 東電によると、午後3時半ごろ東京都内で停電が発生。同3時39分時点で約36万7000戸が停電したが、同4時25分に全て解消した。同社は火災が停電の原因とみて調べている。政府高官によると、テロを類推させるような情報はないという。
 警視庁によると、豊島、練馬両区などで計約200カ所の信号機が停止。大通りでは警察官が交通整理に当たった。新宿区西落合では信号の消えた交差点で自動車同士の衝突事故が起きた。一方、通信指令本部幹部は「110番はつながっている」と話した。
 東京消防庁には、新宿区高田馬場のビルでエレベーターが停止し、内部に取り残されたなどの119番が7件あった。練馬区上石神井では電線が約100メートル燃えた。停電が原因とみられるけがなどはないもよう。
 霞が関の官庁街も影響を受けた。警視庁内は一時全館が停電し、非常灯が点灯したが執務室や廊下はほぼ真っ暗になった。東京地・高裁が入る合同庁舎や厚生労働省なども一時停電した。
(中略)
 東電の話では、火災が起きた施設は、都内の豊島、練馬変電所への送電ケーブルが入った地下トンネル。ケーブルから火花が飛んで絶縁用の油に引火した可能性があるという。ケーブルは6本あり、それぞれ27万5000ボルトの高圧電流が流れている。
 時事通信 10月12日(水)16時2分

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 昨日東京で大規模な停電が起きた。

 これで電力インフラの大切さを皆が思いだしてくれればいいなとも思うのだが……ヤフージャパンのニュースページにつけられるコメントを見ると、相変わらず「東電バッシング」をしているだけの頭の悪い人間がいるようでため息が出てしまう。

「原発で私腹を肥やしたいだけのトウデンガー」といっているような人間は、いったいなにをいっているのだろうか。

 そういう人間が大声でわめいていると、


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 <原発廃炉費>新電力、負担に反発…経産省が議論着手


(図、毎日新聞より。原発の廃炉費用は新電力の利用者も負担?)

 経済産業省は27日、原発の廃炉費用の一部を新電力にも負担させる議論に着手した。電力自由化の進展などに伴い、原発事業者(大手電力9社と日本原子力発電)だけでは費用を賄えなくなる心配があるためだ。政府は年末までに結論を出す方針だが、原発優遇との反発も予想される。【宮川裕章、工藤昭久、宇都宮裕一】
 経産省は27日、電力自由化の課題などを議論する「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の初会合を招集。新電力が送電線を使う際の利用料に廃炉費用を上乗せし、大手が回収する案を提示した。新電力が上乗せ分を電気料金に転嫁すれば、負担は利用者に回る。東京電力福島第1原発の廃炉対策もあわせて議論する。

 経産省が「大手電力の救済策」とも言える案を打ち出したのは、電力自由化や福島第1原発事故後の原発への逆風で経営環境が悪化しているためだ。
 原発の廃炉費用は火力より1桁多い。原発事業者は、あらかじめ電気料金をもとに廃炉費用を積み立てて備えるが、自由化が進めば、新電力に利用者が流出したり、料金に値下げ圧力がかかったりして、積み立て不足のリスクが高まる。
 原発の運転が不安定になっていることも、大手の足元を揺るがしている。
従来は「設備利用率76%、運転期間40年」を前提に発電実績に応じてお金を積み立てれば、廃炉費用がたまる仕組みだった。しかし、運転停止が長期化したり、想定より早く廃炉に追い込まれたりして、積み立て不足に拍車がかかる。
 このため電力大手などは「新電力の利用者も、かつては原発で発電した大手の電力を使っていた。廃炉でも相応の負担をお願いしたい」と主張、政府・自民党などに非公式に対応を要請してきた。政府も、自由化や安全規制の強化といった原発事故後の「政策変更コスト」に直面する大手に配慮。経産省の審議会の作業部会が昨年3月、「送配電部門の料金の仕組みを利用し、(廃炉)費用回収が可能な制度」と検討を求め、伏線を張っていた。
 しかし、「原発を持たない新電力が原発の費用を肩代わりするのはおかしい」(関西の新電力幹部)との声は強い。27日の委員会では、新電力「エネット」の武田勉社長が「廃炉にどの程度費用がかかるのか説明してもらわないと、顧客に説明できない」とけん制。首都圏の新電力幹部は「原発事故後に新電力に切り替えた利用者の納得を得るのは難しい」と訴える。
 このため経産省は、電気を取引する市場を新設し、大手電力に原発や石炭など運転コストの安い電気を供給させることも議論する。新電力が取引所から割安な電気を調達できるようにし、理解を求める考えだ。
 大手が電力供給を独占する従来制度では、建設や廃炉の費用を電気料金から確実に回収でき、燃料費が安い原発のメリットを生かせた。しかし、自由化でそうした前提は崩壊し、原発は優位性を失った。政府は原発の新増設を進めるかどうかの議論を先送りしているが、今回の案の仕組み次第では、原発を優遇して新増設を後押しする政策効果も持ちかねない。自由化時代の原発の位置付けも含めた議論を求められる。
 毎日新聞 9月28日(水)8時50分

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 こういう話がまともにできなくなる。
 

 いったい「新電力」といわれる会社はなにを甘えているのだろうか? そしてメディアは彼らを甘やかすのだろうか?
「原子炉は旧来の大手の責任なんだから新電力は関係ない」というのならば、今その既存大手の電気を使っている人間が払っている「再エネ発電賦課金」も、あちこちにできている太陽光発電所から電気を買っている割合に応じて、その新電力会社の電気料金に上乗せさせるような制度にするべきだ。
 そして、大手にはさっさと原子炉を再稼動させて、「自然エネルギーは新電力が使えばよい。われわれは知らない」といえるようにさせてやるべきだ。
 東電と契約している我が家ではもう電気料金の一割を超える額がその「賦課金」で占められるようになっている。まったく馬鹿らしい話ではないか。

 いまだにヤフーのニュースページに「廃炉の費用が」と書きこんでいる理解力のない人間もいるが、拙ブログでも事故の後からずっと書いているし、毎日の記事でも書かれているように、もともと原子炉の廃炉費用などは動いている原子炉が電気を売った中から積み立てられていた。
「俺たちが不安だから原子炉停めろ」という人間たちがその電気を売れないようにしたおかげでこの積み立てができなくなっているのだから、本来ならば停めさせている人間がこの積立金をどこに求めるべきかを示すべきなのに、そんなこともしないばかりか「電気を使う人間に広く公平に払ってもらおうというのはとんでもない話だ!」と吹き上がるのだからたちが悪い。
 これではただのクレーマーである。


 新電力関係では、


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 北海道電力、風力発電参入に蓄電池設置要求 経産省「妨害の可能性」

 北海道電力が今春から、道内で風力発電所を新設する業者に対し、北電の送配電網に接続する条件として蓄電池の設置を求めていることが分かった。天候で発電量が大きく変わる風力発電が増えると、電力の安定供給に支障が出かねないためだが、経済産業省はこうした措置が不当な参入妨害に当たる可能性があるとして調査を始めた。蓄電池は数億円かかる上に、設置を巡る協議が長引いて完成が遅れるケースも出ている。与党内でも問題視する声が上がっており、経産省は調査結果によっては北電に是正を求める構えだ。
 北電は風力発電が増えすぎると、大規模停電などが起きる恐れがあるとして、送配電網に接続できる発電量の上限を計36万キロワット(東京電力との実証試験を除く)に制限している。現在はこのうち31万5千キロワット分(2015年度)を使用済みで、申し込みを受けた分も含め、今後稼働する発電所を加えれば、すでに上限を超えているという。このため、北電は4月から、事業者に対し超過分を受け入れる代わりに、蓄電池を併設して発電量のぶれを一定範囲内に抑えるよう求め始めた。
 これに対し、風力発電所の新設を計画する複数の業者は反発している。出力1万~3万キロワット規模なら、蓄電池導入に数億円かかるとされ、「採算性から参入を諦める事業者が出かねない」(発電業者)という。
 石狩湾新港沖で6社共同の洋上風力発電(出力10万キロワット)を計画するグリーンパワーインベストメント(東京)は、蓄電池設置を巡る北電との協議に時間がかかり、17年夏に予定していた着工時期を18年春にずらした。20年春に予定する稼働時期も遅れる見通しで、担当者は「影響が大きい」と憤る。
 経産省は「ここまで厳しく蓄電池設置を求めた事例はほかの電力大手では聞いたことがなく、道内の風力発電普及を妨げる可能性がある」(電力基盤整備課)として、北電への聞き取りを始めた。同省はこうした措置が技術的に妥当かを検証し、不当な参入規制に当たると判断すれば、北電に是正を求める構えだ。
(後略)
 北海道新聞 9月23日(金)7時30分

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 よくある「自然エネルギーは不安定」「なら蓄電池で」という議論を実際に実現させようとすると「営業妨害だ」というものまで出てくる始末。
 いったいどこまで既存大手に頼れば気が済むのだろう。


 本来「自由化」というのは「責任を負う」と対になるもので、売電をする会社にはそれによって利益を得ることができる一方で安定供給とインフラ維持の責任が課せられる。
 ところが今の我が国の「電力自由化システム」では、新電力というのは既存大手の下にぶら下がっているだけではないか。なるほどこれならば外国で起きたような「電力会社が競争し合った結果共倒れになって電力インフラが崩壊した」というようなことはなくなるだろうが、逆にいえばそんな新電力会社は既存電力の下請けの一部門に過ぎない。 
 ならばそれに従った課金システムも認めるべきで、「負担はいやだが利益は渡せ」というのは、まったく通るものではない。



 おまけ。


 原子炉に関しては、福島の事故で、


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 <福島原発>国民にツケ、批判必至 負担8兆円増を国費要請

 電力業界団体の電気事業連合会(電事連)が、東京電力福島第1原発事故の損害賠償・除染費用について、東電ホールディングスを含む大手電力各社の負担額が当初計画を約8兆円上回ると試算し、国費での負担を政府に非公式に要望していることが分かった。原発事故を巡っては、廃炉費用も想定を上回る見込みで、東電が政府に支援を要請している。国費負担がふくらめば、納税者である国民に原発事故のツケが更に重くのしかかることになる。

 政府は2013年に賠償費用は5.4兆円、除染費用は2.5兆円と想定。現行制度では、東電が国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から資金の交付を受け、賠償と除染に充てる。賠償費用は、後に東電を含む大手電力が機構に負担金を支払うことで返済し、除染は機構が保有する東電株の売却で得られる利益で賄う予定だった。
 しかし今回の電事連の試算では、賠償費用は2.6兆円増えて8兆円に、除染費用は4.5兆円増えて7兆円に上る見通し。合計額は7.1兆円増の15兆円と2倍近くに膨らむ計算だ。また、東電株の下落を受けて、除染費用に充てる将来的な売却益も1兆円減ると想定。計8.1兆円の負担増加分を国費で負担するよう政府に求めた。
(中略)
 関係者によると、電事連は賠償・除染費用の国費負担の要望理由に、福島第1原発事故後の原発再稼働の停滞や、電力小売り自由化による競争激化などを挙げた。しかし、費用の見通しの甘さや、負担増加分の国民へのツケ回しには強い批判も予想される。政府内にも「東電や大手電力の十分な経営努力がなければ、国民の理解は到底得られない」(経済産業省幹部)との意見があり、電事連の要望がどこまで受け入れられるかは見通せない。【宮川裕章、工藤昭久】
 毎日新聞 10月04日 22:07

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「ツケが更に重く」と煽る新聞につられてまた「東電叩き」をしている者もいるようだが、そもそもこの事故処理費が膨れ上がっている現況は、「1ミリシーベルト除染」「冷却水の貯蔵」という意味のないことを決めた民主党政権と、それを後押しした「放射能デマ」屋、それを容認した国民にある。
 いわばわれわれ国民がこの費用を求めたのだから、われわれ国民にもある程度の負担を求められるのは仕方がない。私は嫌だが、しょうがない。

 これを「そんな金認められない」というのならば、逆に我々の方から「過剰な除染など無駄な費用はいらない。そんな作業はしなくていい。汚染水のうち処理の済んだものは薄めて流していいからタンクの増設ももういらない」という意思を示してやる必要がある。

「俺の不安をなんとかしろ」と相手にいいながら、そのための費用は認めないというのもまた、とんでもない身勝手な態度というものだ。



 本日の安全。


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 全日空 定員オーバーで出発…乗ったら席なく立ったまま

 国土交通省は11日、9月30日の福岡発羽田行き全日空256便ボーイング777が、定員405人を1人オーバーした状態で出発したと発表した。駐機場を出た直後に発覚して引き返し、飛行はしなかった。

“立ち乗り”などあり得ない旅客機で、なぜこんなことが起きたのか。国交省や全日空によると、別々の席を予約していた父親と息子が、同じ2次元バーコードを使って搭乗手続きをしようとしたのが原因だった。父子は2席を確保。別々の2次元バーコードで搭乗手続きをする必要があったが、息子が誤って父親の席のバーコードをスマートフォンにダウンロード。
 保安検査場で父親に続いて息子が通過しようとした際、「再通過」とエラーメッセージが出たが、係員は何度も機器にタッチしたためだと勘違いし、全日空側に確認しないまま通した。搭乗口では息子に続いて通過した父親にエラーが出た。ここでも係員が同じ勘違いをし、本人確認がとれたため機内に案内してしまった。この結果、搭乗手続きがされていない息子の席が空いた状態となり、全日空は空席待ちの乗客1人を割り当て、最終的に1人多い乗客406人が機内に存在することになってしまった。
 保安検査場や搭乗口の係員同士が連絡を取らず、確認不足が重なって起きた前代未聞の事象。国交省は11日午後、全日空を厳重注意した。
 駐機場から移動を始めた直後に客室乗務員が「席がない」と立っている父親に気付いた。引き返して父子を降ろし、旅客機は定刻の約45分後に再出発した。
 全日空によると、父親が立っていたのは、特殊車両で後方に機体を押し出す「プッシュバック」での移動中。この段階では旅客機は自走していないため、乗客に着席を求めていない。全日空は「深くおわびし、厳重注意を重く受け止める」としており、エラーが表示された際のマニュアルを見直し、確認作業を徹底させる方針だ。
 スポニチアネックス 10月12日(水)7時0分

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 個人的な感想では、このまま飛んでいたら変わった体験ができておもしろかったろうとも思うが、安全法規などもあるからそれは難しい話なのだろうな。


 それにしても、いったい何人の人間が同じ「ミス」を繰り返しているのだろう?
 せっかくコンピュータを使ってデータを集中管理しても、端末を見る人間が勘違いを―それも何人も―するようではどうにもならない。
『再通過』とエラーメッセージが出たが、係員は何度も機器にタッチしたためだと勘違い」する人間が何人も出るというのは、そういうことが時々起きるシステムになっているということではないのだろうか?
 今後はそういうエラーが出た場合、きちんと「座席データを目視して確認し、チェックする。客もその協力を拒まない」ような形を作っていく必要があるだろうな。
 というか、そもそも「一度ダウンロードしたバーコードは取り消し操作をしなければ二度ダウンロードできない」というようにするだけでいいと思うのだが。
「ダウンロード失敗」の場合のクレームが怖いとでもいうのかな?