ブーメラン投げは得意だが、キャッチは下手だな | 偕楽園血圧日記

ブーメラン投げは得意だが、キャッチは下手だな

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 自公幹事長 安保法廃止法案の審議しない方針で一致

 自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長は30日、都内で会談し、野党が国会に提出している安全保障関連法の廃止法案について審議には応じない方針で一致した。
 両党は安保関連法の審議が約216時間に及び、新党改革などの野党側も賛成して成立した経緯を重視。会談に同席した自民党の佐藤勉国会対策委員長は「すでに決着している議論を再び蒸し返すだけだ」と理由を説明した。
 一方、谷垣、井上両氏はヘイトスピーチ(憎悪表現)を抑止する与党案を今週中に取りまとめることも確認した。
 民進党など野党は、取り調べの可視化などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案を参院で審議する前に、野党側が提出したヘイトスピーチ規制法案(人種差別撤廃施策推進法案)の審議を優先するよう求めている。
 このため、与党としてはヘイトスピーチ抑止の対案を示すことで、刑訴法改正案の早期審議入りを目指す考えだ。
 産経新聞 3月30日(水)11時11分

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 なにをやっているのだろう、与党の自民・公明は。

 この「安保法廃止法案」は「反安倍」連合による議員立法なのだから、答弁に立つのは彼ら。ならばそこで、一昨日も取り上げたように、

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 民進党は30日開いた『次の内閣』の初会合で旧民主党と旧維新の会で基本的政策合意を民進党の基本政策に位置付けた。外交安全保障に関しては「日米同盟を深化させ、アジア太平洋地域との共生を実現。国際社会の平和と繁栄に貢献する。安全保障については立憲主義と専守防衛を前提に、現実主義を貫く。2015年に可決された安全保障法制については『憲法違反など問題のある部分をすべて白紙化する』とともに、我が国周辺における厳しい環境に対応できる法律を制定する」とした。
 エコノミックニュース 3月31日(木)9時57分配信 「2030年代原発稼働ゼロへ 民進党の基本政策」より

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 という、「日米同盟を深化させ」るといいながら、共産党などとともにこの法案を出した矛盾点をついてやればいいのに。
 そうすれば「安保法制廃止」でまとまろうとしている野党連合は空中分解することにもなるだろう。

 まあ、だからこそ「安保法制廃止連合」は、

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 安保廃止法案の審議見送り 野党は出しただけ?

■国会外では派手に闘争→審議入りなら矛盾露呈
 自民、公明両党の幹事長は30日、2月に野党5党(当時)が提出した安全保障関連法の廃止法案を審議しない方針で一致した。同法が29日に施行され、「決着済み」と判断した。一方、民進党幹部もこれまで審議入りを強硬に求めた形跡はなかった。民進、共産両党などは同法廃止を夏の参院選の共闘の旗印とし、国会外での行動を活発化させるが、肝心の国会の場では宙に浮いた形となった。(水内茂幸、松本学)
                   ◇
 民進党の山尾志桜里政調会長は30日の記者会見で、同党提出の「対案」も審議されない見通しについて「『対案を出せ』と言ってきた政権が審議しないのは本当に残念で矛盾している」と不満を表明した。
 民進党は法案の扱いを決める衆院議院運営委員会で審議入りを求めていた。ただ、党幹部の発言のトーンは必ずしも強くはなかった。岡田克也代表は25日の会見で「予算が終われば法案の取り扱いを決めて取りかかってもらいたい」と述べるにとどめていた。
 おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は29日の記者会見で、民進党などから審議入りについて「正式な要請がない」と説明。他の法案は「審議してほしい」との積極的な働き掛けがあったと紹介し、「不可解な状況に驚いている」と述べた。
(後略)
 産経新聞 3月31日(木)7時55分

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 こういう姿勢で、ただ「廃止とわれわれは言っているのだ!」と場外で叫んで「空気を作ろう」としているのだろう。

 だからこそ与党は、彼らを国会という逃げ隠れできない場所に引きずり出して、その甘ちゃん具合を日の本にさらし、法案を否決するようにすべきだ。
 それが「国会の仕事」というものである。


 それにしても、この「安保廃止法案」でも自分たちが進めようとしていないことを隠して「与党が与党が」といっている山尾政調会長にはあきれてしまう。

 彼女は、

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 「なぜ議論からお逃げになるのか」 民進・山尾政調会長

■山尾志桜里・民進党政調会長
(安倍晋三首相が給付型奨学金を創設する考えを示したことについて)私たちもずっと求めてきたことですし、やる方向になったこと自体は悪いことではないと思います。が、タイミングなんですよね。
 予算委員会が終わり、首相が打ち上げたことについて、首相自身に質問する機会がほぼなくなった段階で「やります」と言う。それはやはり不誠実な態度ではないかなと思>います。
「やります」と言っても、その中身を話したわけでもない。そうであれば私たちも繰り返しテーマにしてきたわけですから、予算委の審議のときに俎上(そ じょう)に乗せてもっと実のある議論をして、実行に向けて与野党でいい形を取れればよかったのになと。なぜそこからお逃げになるのかなと思います。(記者 会見で)
 朝日新聞デジタル 3月30日(水)19時55分

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 こんなことも言っているが、政府が「仕組みを作る」とぶち上げたものならばやがては予算措置が必要になるわけで、この給付型奨学金についてもその形ができたところで予算案に内容と規模が上程されることにもなるはず。議論はそのときにやる。それが「予算審議」というものである。
 彼女の言う「タイミング」とは、単に「日本死ね!」で盛り上がっている今、参院選前にもうひとつの「貧困」問題でもどんどん政府を責める姿教をテレビで見せることで、「名前を変えて出直した民進党はすごい」と見せる機会のことをいっているだけではないのか?

 そんなにテレビで顔を売る機会が得たいのならば、ちょうど、

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 民進・山尾氏、収支報告書訂正 本人が上限額超える寄付

 民進党の山尾志桜里政調会長(衆院愛知7区)の資金管理団体「桜友会」が、2012年分の政治資金収支報告書に、山尾氏本人から法で定める上限額を超える1144万円の寄付を受けたと記載し、その後訂正していたことが分かった。
 政治資金規正法では、政治家による自身の資金管理団体への寄付の上限額は年1千万円。桜友会は12年1~11月、山尾氏から11回計1144万円の寄付を受けたと収支報告書に記載していた。今年1月14日付で、寄付は制限内の920万円のみで、差額の224万円は山尾氏からの借入金だったと訂正した。
 また、山尾氏が代表の民主党支部が、桜友会から12年1~12月に10回計899万円の寄付を受けたと収支報告書に記載したのに、桜友会の収支報告書には5回分計423万円分の寄付しか記載がなかった。今年3月22日付で、差額の476万円は山尾氏から支部への寄付だったと、支部の収支報告書が訂正された。
 朝日新聞の取材に山尾氏の事務所は「現在事実関係を確認中」としている。
(後略)
 朝日新聞デジタル 3月31日(木)18時42分


 はや失態!?民進党エース・山尾政調会長、政治資金疑惑にダンマリ

 民進党の政調会長に抜擢された山尾志桜里氏を「政治とカネ」問題が直撃した。山尾氏自らの資金管理団体などの不可解な政治資金の動きを31日発売の週刊新潮が報じた。渦中の山尾氏は同日、待機児童問題で安倍晋三政権を追及する歯切れの良さとは対照的に、「確認中」を理由に口を閉ざした。だが、説明責任を果たさないままでは、旗揚げ直後の民進党のイメージダウンに直結しかねない。
「事実関係を確認しています」「まずは確認したい」。山尾氏は31日、国会内の民進党控室前で記者団に取り囲まれたが、「確認中」を連発しただけで事実上の「ゼロ回答」だった。
 不可解な使途が指摘されているのは、山尾氏自らの資金管理団体「桜友会」の平成24年分の政治資金収支報告書だ。個人からの寄付の上限額を超える1144万円を山尾氏自身から受けたと記載。その後、寄付は920万円と今年1月14日付で訂正した。さらに、山尾氏が支部長を務める愛知県内の政党支部の24年分収支報告書では230万円分のガソリン代を計上していたことも判明。週刊新潮では当時のガソリン価格などをもとに試算すると走行距離は約21万キロメートル。地球5周分相当と指摘している。
(後略)
 産経新聞 03月31日 21:54

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 こういうことが明るみに出たのだから、今まで自民党議員の「政治と金」を舌鋒鋭く追った勢いで、自分にも迫ってみたらいい。

 民進党の代表は、

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 岡田民進代表「山尾氏は説明を」

 民進党の岡田克也代表は31日のBS日テレ番組で、同党の山尾志桜里政調会長が法定上限を超える寄付を政治資金収支報告書に記載していた問題について、「きちんと調査し、あまり時間をかけずに説明することが求められている」と述べた。
 岡田氏は同時に「極めて重大な違法なことではないのではないか」との見方を示した。 
 時事通信 3月31日(木)23時23分

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 こんなことを言っているが、今まで自民党の地方支部でこのような献金訂正があるたびに彼はなんと言ってきたのか。
朝日や産経の記事にはないが、これを発掘した週刊新潮の記事では、「さくら館」という実質的な支持者接待活動で「養命酒工場へのバス旅行」を行っていたという項目もある。
 小渕氏の「観劇ツアー」のときに民主党(当時)はなんと言って非難したか。これが「極めて重大な違法なことではない」というのならば、どうして彼らはあんなに騒いだというのだろう。

 何度も書いていることだが、「政治と金」をただ自民党叩き」「政権つぶし」の道具にしてきた歴史が、ただ「トカゲの尻尾切り」「禊」の繰り返しを生み、こういう話が止まない原因になっている。
 ここできっちりけじめをつけて、政界全体でこの「政治と金」の話を正していく流れを作る、そのきっかけになるようならば、民進党と山尾氏は見直されることにもなるのだがな。

「とんでもないガソリン代」では、大分県議が「一年間で地球一週半」のガソリン代を使ったという話もある。
 これはあまりマスコミをにぎわしてくれなかったが、「出張代」くくりでいえば、兵庫県で話題になった人物が居る。
 彼のように目立てば、民進党にも人々の注目が集まることにもなるだろう。それがいいものかどうかは知らないが。


 おまけ。

 民進党は国会審議の方でも、また、

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 民進がTPP特命チーム 交渉経過を検証

 民進党は31日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる交渉経過を調べる特命チームを設置した。政府が日米間の閣僚協議記録を作成していなかったことを踏まえ、情報開示を求めていく方針だ。座長には玉木雄一郎国対副委員長が就任した。
 安住淳国対委員長は記者会見で「TPPは国民の生活を直撃する。交渉経過の解明は不可欠だ」と強調した。
 産経新聞 3月31日(木)12時44分


 <民進党>TPP交渉過程を追及へ…特命チーム初会合

 民進党は31日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐり、政府が日米間の閣僚協議記録を作成していなかったとして、交渉過程を解明する特命チーム(座長・玉木雄一郎国対副委員長)を設置した。同党は後半国会でTPPの交渉過程を追及し、安倍政権への対決姿勢を強める構えだ。
 同日の初会合では、甘利明前TPP担当相とフロマン米通商代表の交渉記録の開示を求めたが、内閣官房の職員は担当者が作成したメモしかないと説明。民進側が求めたメモの開示についても「相手国の具体的な主張に関わるので提出は困難だ」と拒否した。
 自民党は野党時代の2012年、民主党政権が東京電力福島第1原発事故の関連会議の議事録を作成していなかったことを追及し、野田佳彦首相(当時)を謝罪に追い込んだ経緯がある。民進の長妻昭代表代行は記者会見で「以前言っていたこととかなり違う。厳しく矛盾をただす」と語った。【松本晃】
 毎日新聞 3月31日(木)19時8分

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 お得意の「追求チーム」を作って意気を上げているが、国家間の条約で大切なのは、いうまでもなく成文として締結して発表したものである。
 運用は条約文に則って行われるし、齟齬がないかのチェックも条約文によって行われる。交渉過程で「ああいった」「こういった」というのは歴史学者が楽しむ分野で、現役の政治家が取り上げることではない。
 そもそも秘密交渉であることを承知でTPP参加を表明したのは民進党自身ではないか。「名前が変わったからそんなことは知らない」とは言わせないぞ。

 韓国ではその「日本見下し」の道具である竹島占拠を正当化するために、「サンフランシスコ講和条約の交渉過程で連合国が『独島は韓国領』を認めていた!」という話を繰り返している。
 実際には「韓国がそう主張した」というだけのもので、その主張もラスク書簡で否定されているという歴史の事実はおくとしても、サンフランシスコ講和条約の成文には、どこにも「竹島を独島と称し韓国の領有化に置く」などということは書かれていない。
 成文にないことを「過程で言った」と主張しても意味がないことは、この事例でよくわかるだろう。

 それと同じことを従っている民進党というのは、やはりメンタリティが韓国人に近いのだろうか。

 民進党は交渉過程の言葉で揚げ足を取ろうとするよりは、(2016/02/06の記事、民主党本部に鏡はないのかな?) でも引用した、

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 TPP協定文書の和訳版公表=政府

 政府は2日、ニュージーランドで4日に開かれる環太平洋連携協定(TPP)の署名式に先立ち、協定文書の和訳版を公表した。
 協定の条文と、日本に関わる付属文書を合わせた全約2900ページ。日本や米国など参加12カ国は昨年11月、TPPの大筋合意を受けて協定の条文案を公開。その後、各国による条文案などの最終確認作業が終わったため、和訳版を公表した。
 時事通信 2月2日(火)23時35分

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 この記事にある2900ページの文書をきちんと精査して、その内容で議論をするべきだ。

 それをさせるために、国は公設秘書を国費で雇わせたり、債務を払ったり、政党助成金を税金から出したりしているのだぞ!


 本日の訃報。

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 建築家ザハ・ハディドさん死去 新国立の旧計画デザイン

 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の旧計画をデザインしたイラク出身の英国人建築家ザハ・ハディドさんが31日朝、心臓発作のため、米国マイアミで亡くなった。65歳だった。ハディドさんの建築事務所が同日、明らかにした。
 事務所の発表によると、ハディドさんは今週初めに急性気管支炎にかかり、病院で治療中に心臓発作が起き、急死したという。
 バグダッド生まれ。ロンドンの建築専門大学で学び、1979年にロンドンに事務所を開いた。前衛的な設計で実現が難しく、「ペーパーアーキテクト(紙上の建築家)」と評された時期もあった。だが、90年代に入ると実際に建築される作品が増え、2004年に建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を女性で初めて受賞した。12年ロンドン五輪の水泳会場を設計した経験も持つ。
(中略)
(ロンドン=河野正樹)
《新国立競技場の当初のデザイン選考で、審査委員会の委員長を務めた建築家・安藤忠雄さんの話》 20世紀末ぐらいから、造形力とコンピューター時代への対応で建築のあり方を変え、世界の建築界をリードする一人になった。技術が進む中でさらにどんな世界を切り開いてくれるのか期待していた。国立競技場で彼女の案は新しいシンボルになると考えたが、こういう形になって申し訳ないと思っている。30年ほど前からのつきあいで、今は言葉もありません。
 朝日新聞デジタル 4月1日(金)0時27分

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 なんとも突然の話で、驚いた。

 気管支炎で心臓発作というのは、どういう治療をしていたのだろう? 私は心臓の方が悪いので逆に、気管支炎になりそうな時でも咳などを抑える薬が使えないといわれたことはあるが。

 今年の初めには、

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 新国立デザインのザハ氏、徹底抗戦の構え。著作権主張し法的措置か

 新国立競技場のデザインを担当したザハ・ハディド氏が同スタジアムデザインの著作権を主張する構えのようだ。13日、英紙『テレグラフ』を含む複数のメディアが報じている。
 ザハ氏は日本スポーツ振興センターがデザインの未納代金を全額支払う代わりにスタジアムデザインの著作権を譲るよう求めたが、これを拒否したとのこと。ザハ氏事務所は昨年12月22日に決定した新デザイン案が同氏のデザインに似ていると主張している。
 ザハ氏事務所は対応に不満がある場合、法的措置を取る姿勢を示している。新国立問題は今後も複雑を極めそうだ。
 フットボールチャンネル 01月14日 13:01

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 こんなに意気軒昂だったというのに。

 まさか、だから……いやいや、ここは陰謀論にはまらず、素直に冥福を祈ろう。
 合掌。