分断工作? | 偕楽園血圧日記

分断工作?

 昨日のNHKニュース7で流れていた菅民主党代表代行の演説は酷かったなぁ。
「解散権という伝家の宝刀を抜けない麻生総理は臆病者だ! そんな臆病者が総理大臣をやっているのはおかしいじゃありませんか!」って、これはもはや政治家の行う演説ですらない。ただの下手くそなアジテーターである。

 代表代行がこんな「人を貶す」ことをいい散らかすかと思えば、

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 岡田氏、早期採決方針を表明 補正予算関連法案で

 民主党の岡田幹事長は31日のフジテレビ番組で、09年度補正予算関連法案の参院での対応について「時期が来たら採決するのは異論ない。時間がそんなに長くかかることはない」と述べた。麻生首相に衆院解散を促すため、法案の早期採決に協力する姿勢を示した発言だ。一方、自民党の細田幹事長は同じ番組で、民主党の審議引き延ばしに備え6月3日までの今国会会期を延長する考えを重ねて表明。
 共同通信 2009年5月31日(日)17:56

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 幹事長はつい先日「(まだ審議もやっていない時点で)どんどん上げるなどいうものじゃない」と国対委員長をたしなめていた舌の根も乾かないうちから「即決上等」と言い出す始末。
 この間に党としての方針を決めていく会合のようなものはあっただろうか?(このあたりが「民主主義」のない「力ずく運営」といわれる所以だ)

 さらにとどめとして、

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「今まで政府・与党はですね、野党が審議引き延ばしをするとか邪魔をする、そういうことを言いながら、選挙をどんどんずらしてきたんです。でも実際には私どもは、審議の引き延ばしなどのようなことは一切行ってこなかった。」
 産経新聞 5月31日20時27分配信 「鳩山代表『政権交代のあかつきには首相として稲刈りを』」より

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私どもは、審議の引き延ばしなどのようなことは一切行ってこなかった」と党代表が大嘘をつく。先の参院選で勝利して以来、民主党が行なってきた「審議拒否戦術」は「審議の引き延ばし」ではないというのか?
「あれは審議をしていないのだから、審議時間を引き延ばしているわけではない」という言葉遊びをしているのか、本気で「自分たちはちゃんと審議してきた」と思い込んでいるのか分からないが、マスメディアは麻生総理の言葉の一部を取り上げる熱心さを、鳩山代表のこういう「嘘」「矛盾」の報道にも費やすべきだ。

 党代表が平気で嘘をつき、執行部はコロコロ言うことを変えたり人を貶したり……こんな党だから、

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 定住外国人・地方参政権付与、民主がマニフェスト記載見送りへ

 民主党の鳩山由紀夫代表は31日、これまで政権公約(マニフェスト)に明記していた在日外国人への地方参政権付与について「個人的には前向きに考えるべきだと思うが、党内で結論が出ている状況ではない」と述べ、党内の異論を踏まえマニフェスト記載を見送る考えを示した。
 埼玉県八潮市で講演した際、市民の質問に答えた。鳩山氏は「選挙で多くの新人が入り、党内に2つの意見が併存してバトルを続けている最中だ」と説明。「今一度考え直してみようということだ。いずれ結論を出さなければならない」と述べた。
 鳩山氏は推進派として知られるが、次期衆院選を控え、党内の対立を深めることは得策ではないと判断したとみられる。
 産経新聞 5月31日19時53分

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 批判の声が高まっている「外国人参政権」をマニフェストに載せないという方針を出したからといって何を信じられよう。「マニフェストはやることを書いたものだが、載っていないことはやらないということではない」という言葉で逃げるだろう事は容易に推測できる。

 自由党時代のイメージを引きずる小沢氏を立てたり、前原氏のような一見保守受けのいい人間をテレビに出したりして「自民党嫌いの保守票」を集める陰で「民主党版人権擁護法案という名の人権弾圧法案」「外国人参政権」「国会図書館を使って日本を永久に戦争加害者に押し込める法案(もちろん、「南京大虐殺」の否定を含む考察は禁止である)」「自称従軍慰安婦を完全に認め、日本軍の人攫いを歴史の事実として固定する法案」などを進めてきた民主党である。「外国人参政権マニフェスト無記載」など、善人をごまかすための方便に過ぎない!
 決して騙されないようにしよう。彼らの本質は代表が交代しても何も変わってはいないのだ。


 さて、朝日新聞が、

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 アイヌ民族、苦しい生活 世帯年収は道内平均の約6割

 アイヌ民族で、自らの生活が「豊か」「少しゆとりがある」と感じているのは2割弱で、世帯年収も北海道内の平均の6割程度にとどまっていることが29日、北海道大アイヌ・先住民研究センター(札幌市)と北海道アイヌ協会の共同の生活実態調査で明らかになった。
 調査は、道内の2903世帯、5703人が回答。この日首相官邸で開かれた政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」で報告された。アイヌ民族の生活実態は、北海道が継続的に調査しているが、今回は対象世帯が道調査の10倍ほどの過去最大規模となった。
 今回の調査で「生活ぶり」を聞いたところ、33.5%が「苦しい」、40.5%が「多少困る程度」と回答。「少しゆとりがある」「豊かである」は17.3%だった。
 世帯年収は200万円以上300万円未満が最も多く、平均355.8万円と道内の平均世帯年収の約6割という結果となった。
 道によると、道内にアイヌ民族が少なくとも2万3782人住んでいる。アイヌ民族の生活調査は、北海道が72年からほぼ7年おきに実施してきた。ただ、「積極的に協力してくれる人への調査も多く、実態をきちんと反映しているとは言い難い」(関係者)とも言われていた。(神元敦司)
 asahi.com 2009年5月30日9時55分

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 こんな記事を出して、まるで「日本ではアイヌ差別が続いている」かのような印象を与えようとしている。

 アイヌ系に限らず、今の日本で生活ぶりを聞いたら「苦しい」「多少困る」が多数を占めるだろうに。
 説得力を持たせようと収入の数字も出しているが、これを「個人収入」とせず「世帯収入」としたところにもうトリックの臭いがぷんぷんするのだが、355万で「平均の6割」なら、北海道の世帯収入平均は590万近いということになるのだが……総務省統計局が出した平成19年の数字を見ると「北海道 (全国)41位 469,242円」ということになっている。しかもこれは農林業世帯が除かれているから、収入ワーストに名を連ねる同業種の多い北海道ならもっと減る可能性もある。

 私は北海道に行ったことがないので分からないのだが、そもそも今の北海道で、働く時履歴書に「民族名」を書くような習慣があるのだろうか? 「アイヌ系」は給料が低いとか、雇ってもらえないとかあるというのだろうか? 「アイヌ系」だから学校に行けないなどということがあるのだろうか?(昔差別されて貧しかったから格差が固定したなどとは言わせない。北海道に移住した本州人も、基本的に皆貧しかったのだから)
 この報告書が政府に上げられ、「アイヌ政策」なるものを考える材料にされるというが、「アイヌ政策」というのはなんなのだろう? 「文化の保護」などという言葉が聞かれるが、いまさら「アイヌ系日本人はアイヌ伝統の服を着て鮭を獲り、クマを崇めて生きろ。自然を大切にして車にも乗るな」とでもいうのだろうか?

 日本各地に「昔から伝わる風習、祭り」というものは今でもある。人々は現代生活を営む中、自らの意志力でそれを保護し、伝えている。アイヌ文化も同じことではないか(私は着物を何着か持っているが、「大和文化の保存に協力している」といって補助金をもらったことなどない(苦笑))。
 かつて明治政府が取った差別政策の中で失われたものを復活させるのに国が力を貸すというのならありだが、「アイヌ系日本人の普段の生活」の保護にまで口を出すのはやりすぎ。それは普通に日本人の受けられる福祉政策の中でやらなくては、大和系日本人に対する差別になる。


 私も以前は誤解していたのだが、人種的観点から見た民族としては、アイヌはシベリアから北海道に来たコーカソイド系の北方民族ではなく、支那大陸から南回りで日本列島に来た古モンゴロイドのグループの子孫で、大和民族はその古モンゴロイドグループに同じ経路を通ってやってきた新モンゴロイドや南方系の民族が混ざったものというのが、今人類学で分かっていることだという。いわばアイヌと大和は「いとこ」のような関係になる。(琉球民族はその流れの中で南西諸島に残った「大和民族の一部」であり、文化的にも紛れもなく日本列島のグループに属している。本土で廃れかけている風習が沖縄に残っているという事例を、柳田邦夫なども指摘している)。
 昨年、北京オリンピック前にチベット問題で盛り上がった頃を境にして、日本国内で「アイヌ系」「琉球系」を独立民族として取り扱えと叫ぶ声が増えだしたが、そこにはこういった民族史の流れを無視した政治的な思惑が絡んでいる気がしてならない。
「国籍」感が希薄な日本人の意識につけ込んでアイヌ系や琉球系を「違ったもの」として分断する一方、「多民族感」を植え付けることで「在日朝鮮民族」が「日本人の一民族」であるかのような錯覚を起こさせる(在日韓国人はもう起こしているようだが(失笑))。そういう絵を描いている人間が、日本の陰で動いてはいないだろうか?

 マスメディアではよく「格差社会」という言葉が使われ、「小泉が悪い。自公が悪い」という論理展開がされるが、その一方で「友愛を唱えながら敵を造って攻撃する」ような勢力によって「対立社会」の構図が日本社会に浸透させられようとしている。どちらがより「社会をギスギスしたもの」にするだろうか。


 おまけ。

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 G8、移民問題などで共同宣言 司法・内務相会合閉幕

【ローマ30日共同】急増する移民の対策やアフリカ東部ソマリア沖の海賊取り締まりに関する国際司法の枠組み構築などを主要議題に29日からローマで開かれていた主要国(G8)司法・内務相会合は30日、共同宣言を取りまとめ、閉幕した。議長を務めたイタリアのアルファノ法相は、海賊専門の特別法廷を設置すべきだとする案と、取り締まり国などが自国で訴追する現在の司法制度で十分との考えで、意見が分かれたと指摘。
 共同通信 2009年5月30日(土)19:55

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 移民の問題は、今世界中が頭を悩ませる「課題」になりつつある。

 あの中国でも、

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 【中国・広東】外国人取締を強化、「パスポート携帯を忘れずに」

 広州市公安局は20日から、外国人の不法入境、不法滞在、不法就労の取り締まり強化を開始した。不法滞在に加え、外国人による犯罪も増加していることが背景にある。同局では滞在する外国人に対し、外出時にパスポートを携帯することや、出張時の臨時登録の徹底などを改めて呼びかけている。
 同局によると、同市に滞在する外国人は登録ベースで現在約2万人。市内でも特に環市東路・小北路エリア、天河北エリア、三元里エリア、番禺大楼盤エリアなどに多くの外国人が住むとされている。
 NNA 5月22日11時31分

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 外国人の増加に伴う犯罪の増加や紛れ込む不法滞在者が問題になり、取り締まりを強化するという。

 一方で日本は、
(2009/05/22の記事、鳩山節を聞け!(笑)) で書いたように、民主党の主導で主に韓国人になる永住許可者の証明書携帯義務を無くそうとしている。
 で、これらの書類を持たない在日外国人は、何かあった時自分が「不法入国者」ではないことを証明する手段を考えているのだろうか?
 以前在日韓国人を雇おうとした店が「不法滞在者」ではないことを証明させるために外国人登録証の提示を求めたら「差別だ!」と騒がれた事件があった。まさに彼らが「自分たちは日本国民の中の一民族」であると勘違いしている例だが、「差別!」といえば何でも通るような理不尽がいつまでも通ると思っているなら大間違いである。


 本日のご老公。

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 老人に変装、でもばれた=政府活動を極秘視察中-ヨルダン国王

【カイロ28日時事】ヨルダンのアブドラ国王(47)が27日、首都アンマン市内の保健省関連部局を老人に変装して極秘視察していたところ、職員に見抜かれてしまうハプニングがあった。
 現地からの報道によると、若者に付き添われた国王は、黒の衣装にアラブの伝統的なずきんをかぶり、つえを突いて登場。付けひげで変装する念の入れようだったが、やり取りを重ねるうち職員は国王であることに気付いたという。
 アブドラ国王はかねて、変装して街頭に紛れ込み、「国王の評判はどうか」などと市民に質問して率直な意見をこっそり収集しているとされる。極秘訪問後には、政府業務改善への重要決定が下されることが多いといわれる。
 時事通信 5月28日21時20分

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 アラブでは日本の「おしん」が放映され人気を博したと聞いたことがあるが、「水戸黄門」もやっているのかな?

 どちらかというと、「ご老公」というよりは、ご老公の真似をして街に出るものの、見破られたりまわりの役人にうまくたぶらかされている「殿」といったところか。「助さん」「格さん」はいるのだろうか? 「お銀」は、イスラムだからご法度かな(笑)。