市長と議会の微妙な関係!?教育委員の選び方はこのままでいいのか | 重冨たつや(地域政党あしたの川崎)公式ブログ

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市民が安心して市政を託せる市議会を目指して活動中です。選挙があるときもないときも、議員活動の見える化が重要だと思います。地方議会はなかなかメディアで取り上げられませんので、少しでも身近に感じて頂けるように情報を発信していきます!

昨日、今年度最後の議会が閉会しました。


最終日は、採決の日でした。


簡単に言えば、というより、具体的にどんな日かといえば、


議会にかけられている議案などについて、議員一人一人が議場で立ったり座ったりして賛否を示す日です。


来年度の予算などの議案もあるため、昨日は全部で20回程度立ったり座ったりしました。


さて、そんな採決の中に、今回は「川崎市教育委員会委員の任命について」がありました。


ヒトが国を作るわけですから、とても重要な人事案件ということになります。



このブログはいろいろな方々に見ていただいているようなので、


あまり主観に基づきすぎた発言は控えようと思いますが、以下私の持つ課題意識を紹介します。


大枠でいえば、議会が何にどのような責任を負うのかということです。


結論から言えば、2名の教育委員を任命しようとする今回の議案に、


60人の市議会議員のうち、私1人だけが同意しませんでした。


理由は簡単で、市長などが新しく教育委員に任命しようとした2名について、


公の場で何の議論もなく、また、この2名が最適だと言える根拠があまり見当たらなかったからです。



何人かの方には、人事案件とは「反対する明確な理由がなければ同意するもの」と


教えていただきましたが、その感覚が腑に落ちませんでした。


国(中教審)は、「議会は、教育委員の選任について同意をするに当たっては、


教育委員としてふさわしい人材か否かを十分吟味し慎重に行うことが望まれる」


としています。しかし、今回、議会に正式に人事案件が提出されたのは、採決当日でした。



つまり、議案の提案説明を受けて、その場で即決してくださいということです。


もちろん、公式の場ではない、「打ち合わせ」程度の場では、


週初めの月曜日の段階で、新しい教育委員については「この2人」で同意を求めることになりますので、


よろしくお願いしますと説明を受けています。


しかし、示されるのはA4×1枚の略歴なので、それでは「十分吟味し慎重に」同意することはできません。


ということで、月曜日から人事課の方にいろいろとお伺いをしました。


しかし、教育施策に詳しい方を0から本庁の人事課が探していたわけもなく、


(おそらく本当に2名を探してきたのは、教育委員会事務局など他の部署なのでしょう)


2名の方々について明瞭に「なぜこの方々が適任なのか」を理解するには至りませんでした。



こうして、今回、私は同意することができなかったわけですが、


実は教育委員以外の人事案件については、これまで私自身同じような流れで同意をしてきました。


(人事案件は委員会に付託して、審査するものの方が少ないです)



ではなぜ教育委員についてのみ反対したのか。


その理由はいくつかありますが、大きく2点です。


①教育委員は過去、選挙で選ばれていた経緯もあり、


他の人事案件とはその性質があまりにもかけ離れていると考えているから。


②近年、教育委員会の存在意義が議論になるほど教育委員会への注目度が高まっており、


さらに、川崎市では、教育(委員会)への信頼が揺らぐ事案が頻発しているから。


繰り返しになりますが、このような理由から、


私は、教育委員の任命については、より慎重に同意をする必要があると考えました。



では、より慎重に議論するためにはどんな改善が必要なのか。


これは、市長側にも議会側にも改善の必要があります。


もちろんこれまでの市政・議会運営の中で培われた慣例全てを非合理として批判するつもりはありませんが、


より時代(地方自治・少子高齢化など)にあった形へ変えていくことは必要だと思います。まずできることは、


市長側はより丁寧な説明を行い、


議会側はそれを十分に吟味するできるだけの日程を確保することです。


私は人事案件に対する考え方として、


「反対する明確な理由がなければ同意」ではなく、


「同意する明確な理由がなければ同意しない」というのが、


基本的なあるべき姿だと考えています。


市長には選任の責任がありますが、議会には同意の責任があります。


そして、2元代表制の観点から言えば、どちらも市民に対する説明責任があるはずです。



教育分野というのは、市議をやっていてもなかなか手が出しにくい印象があります。


それは、一義的には教育分野については、教育委員会が最終的な意思決定機関であるからです。


そうであるならば、なおさら、教育委員会事務局と協力し合い、


時にはぶつかり合う教育委員が必要なはずです。


そんな教育委員を自信をもって同意できるようになるために、


みなさんもぜひ教育委員の選び方について考えていただけると幸いです。


そして、先日書いた福嶋先生がおっしゃっていました。


ある案件について、議会の中で多数派となり変革を起こすのは容易ではない、


しかし、その案件だけでも市民の中で多数派になれば、議会は動かざるを得ない。


教育委員の選び方については多くの自治体で同じような流れなのではないかと思います。


もし、私の考える、教育委員の選び方に対する議会のあり方に「同意」して頂けるのであれば、


皆さんが応援している議員さん方にも問いかけを行っていただきたいと思います。



以上、今回は少々長くなってしまいました。ありがとうございました。