NHKマイルC(11年) | 一歩深く競馬を考えてみるブログ

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血統から見出すコース適性を分析し、尚且つラップ傾向を加味した予想をしています。

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『高度なスピード勝負』


▼レース質 スピード&瞬発力


近年のNHKマイルCは前半のペースが速くなり、高度なスピードが要求されるケースが増えています。
さらに重要なのは馬場状態で、ここ5年は07年・08年が稍重で06年・09年・10年が良馬場でした。
この馬場状態の違いが血統傾向にも大きく影響しています。


◆稍重開催

・08年

1着 ディープスカイ(アグネスタキオン×Chief's Crown) 1番人気
2着 ブラックシェル(クロフネ×ウイニングチケット) 3番人気
3着 ダノンゴーゴー(Aldebaran×Potrillazo) 14番人気

・07年

1着 ピンクカメオ(フレンチデピュティ×Silver Hawk) 17番人気
2着 ローレルゲレイロ(キングヘイロー×テンビー) 1番人気
3着 ムラマサノヨートー(キングヘイロー×ヘクタープロテクター) 18番人気



母系にスタミナ血統を持った馬が多く、ダノンゴーゴー以外は父or母父がノーザンダンサー系で、サンデーサイレンス系はディープスカイ1頭だけでした。
馬場が渋ったことでサンデーサイレンス系特有のスピードと瞬発力が発揮できず、パワーを武器とする馬が台頭した結果だと思います。



◆良馬場開催


・10年

1着 ダノンシャンティ(フジキセキ×Mark of Esteem) 1番人気
2着 ダイワバーバリアン(マンハッタンカフェ×kingmambo) 5番人気
3着 リルダヴァル(アグネスタキオン×サンダーガルチ) 3番人気

・09年

1着 ジョーカプチーノ(マンハッタンカフェ×フサイチコンコルド) 10番人気
2着 レッドスパーダ(タイキシャトル×Storm Cat) 5番人気
3着 グランプリエンゼル(アグネスデジタル×サンデーサイレンス) 13番人気

・06年

1着 ロジック(アグネスタキオン×サクラユタカオー) 3番人気
2着 ファイングレイン(フジキセキ×Polish Precedent) 9番人気
3着 キンシャサノキセキ(フジキセキ×Peasant Colony) 6番人気



レッドスパーダ以外は父or母父がサンデーサイレンス系で、レッドスパーダもヘイロー系でした。
フジキセキ産駒が大活躍で、距離をこなせないタイプがいいようです。
母系もミスプロ系が台頭していて、クリーンなスピードが発揮できているのだと思います。


今年は良馬場開催が予想されるので、高度なスピード勝負になると思います。



◎ダンスファンタジア(ファルブラヴ×サンデーサイレンス)


母父サンデーサイレンスでスピードは申し分ありません。
ここ3走は結果が出ていませんが、この馬は母のダンスインザムード同様気性難が安定したレースが出来ない大きな要因となっています。
特に前走の様な重馬場では気持ちが折れてしまうので、全くレースになりませんでした。
しかし今回は牡馬混合になりさらにかなりのハイペースが見込めます。
母のダンスインザムードは同コースのヴィクトリアマイルを勝っており、牝馬限定戦で敗戦→天皇賞・秋で激走というのが2回あります。
当馬もかなりのハイペースだったフェアリーSを完璧なレースで勝っているように、ハイペース適性はあります。
この手のタイプは牝馬限定戦で緩いレースをするより、牡馬混合で厳しいレースをした方が集中力を発揮すると考えます。
北村宏騎手も母ダンスインザームードでVマイルを勝ち、天皇賞でも13番人気3着に導いています。
内枠から先行するレースが得意な騎手ですので、前目に付けて抜け出すレースを期待します。



○エーシンジャッカル(フジキセキ×アフリート)


良馬場開催で大活躍のフジキセキ産駒です。
母父アフリートで昨年2・3着馬と同じサンデーサイレンス系×ミスプロ系の配合です。
母母父Vice Regentとスタミナ要素がかなり薄い血統で、バリバリのスピードレース向きと言えます。



▲エイシンオスマン(ロックオブジブラルタル×Luhuk)


母父はミスプロ系、母母父サザンヘイローと母系は非常にスピード色が強い血統です。
NZTは展開に恵まれた感じは否定できませんが、NHKマイルCもウインクリューガーやジョーカプチーノが2番手から抜け出す競馬で勝っているように、あのようなレースが出来ればと思います。
非サンデーサイレンス系ですが、レッドスパーダと同じ雰囲気を感じての3番手評価です。



△リアルインパクト、グランプリボス、アドマイヤサガス、ロビンフット、アイヴィーリーグ



コティリオン(ディープインパクト×トニービン)


母母父ノーザンテーストで母系がメンバー中最も”しっかりしている”血統です。
このタイプは古馬になっても中距離重賞で活躍できるタイプで、逆に今回のレースでは邪魔になると思います。
グレイソヴリン系はパワーが要求される瞬発力勝負が得意なタイプで、純粋なスピード勝負になると分が悪いと思います。



ヘニーハウンド(Henny Hughes×Crusader Sword)


父はヘネシーの系統でストームバード系、母父ダマスカス系、母母父ヘイルトゥーリーズン系で全く日本にゆかりのない血統で埋め尽くされています。
あまりにも芝要素が薄い血統で、前走はダート要素が強かった阪神開催特有の芝が向いたものだと思います。
マイル経験もなく、どこか04年に人気で敗退したタイキバカラとイメージが被ります。