スパークリングワインのコルクで箸置きを作りました。 

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 さて、事業再生のパラドクス、「小さい会社の再生は難しい」についてです。

 過去日本経済史に残る大型倒産というと、日本航空や日本リース、日本長期信用銀行(たまたまみんな「日本」がつきます…)などが頭に浮かびます。これらの会社の規模であれば、売上高(収入)のメドが比較的つけやすいのです。いろいろあったとしても日航の利用者がある月から全くなくなったり、50%減になったりはしません。今月これくらいだから来月は悪くてもこんな感じ、という「読み」を聞かせることができるのです。

 それに対して、売上高5000万円のリフォーム業者さんはどうでしょう?

 1件200万円の工事単価として月2件ずつ工事を取れれば4800万円、=例年並みの売上ということになります。ある月、1件欠ければ通期で前年比4%減です。単月で見れば2件が1件になりますので前年同月比50%減。零細になればなるほど業績の振れ幅が大きくなるのです。

 また、経理担当者がはっきりしていなかったり、よく会計を理解していない場合があります。銀行あての資料など、銀行側がみてわかるレベルのものを作れない会社もたくさんあります。その場合、コンサルが資料作成をすることになりますのでそうでない案件に比べて手間は増えることになります。

 規模が小さい会社さんが資金ショートを起こすと、経営者の個人カードのキャッシングなどでとりあえずつなげられるケースがあります。それが繰り返されると法人の金融機関借入のほかに個人の借入の返済をCF計算に入れざるを得ず、話が複雑化します。

 規模が小さくなれば経営者の比重も大きくなります。社長が考えて、社長が売って、社長が回収する、という感じに近づいていきます。そのような状況で業況が悪くなると、「社長、ここを変えてください」というのはそのまま、「社長、いままでの生きざまを変えてください」という言葉に近いものになっていきます。社長としても規模が小さくなればなるほど、大きく変わらざるを得ず、相対的にハードルは高く感じることでしょう。

 よく、

 「ウチは借入っていったってこれくらいの金額だし、再生は簡単でしょう?」というお客様がいらっしゃいますが、実態はその逆なのです。