意地と度胸・奇跡の番狂わせ男!田島吉秋 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

1988年9月19日。何回まで持つかの予想を裏切り、スター王者大和武士(ワタナベ)選手をノックアウト。日本ミドル級の王座を強奪した田島吉秋(協栄)選手。将来を大いに嘱望されていた大和選手は、この敗北を機に一気に下降線をたどる。この試合は二人のボクシング人生を分ける大きなターニングポイントとなった。

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「30年生きてきて、今が最高です!」

と、その喜びを表現した新チャンピオン。ズングリムックリのサウスポー田島選手は、努力の人である。

「もう、これで何もいらない」


田島吉秋選手。

そんな彼に、さらに大きな舞台が用意される事になろうとは、神様のみぞ知る。築地魚河岸の氷やさんで働く田島選手の祝勝会は、仲間達によって盛大に催された。だが、この人は有頂天にならない。言葉少ない寡黙な人は、黙々と練習に励む。

タイトル初防衛戦は88年12月、5ヶ月前に勝っている横崎 哲 (オサム)選手を相手に行われ判定勝ち。これは、初防衛だけはさせてやりたいという大竹マネジャーの親心もあった。

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1989年3月20日。満を持して田島選手の王座に挑戦して来たのは、田端信之(コーエイ工業小田原)選手。ウェルター級,Sウェルター級と2階級を制覇。WBA世界ミドル級8位にランクされ、日本王座3階級制覇は確実と見られていた。

ボクシングマガジン誌沼田義明氏の予想。


元世界Sフェザー級王者・沼田義明氏。

”田島は粘り強いボクシングに自信も加わった。しかし、実力的には田端を上と見るのが妥当だ。順当に行けば田畑が、スピードとパンチで田島を圧倒、KOで3階級制覇を達成すると見る”。

これは至極妥当な予想であります。田端選手25歳。戦績24勝(22KO)6敗1分。対する田島選手は30歳。8勝(5KO)4敗。大和戦の勝利は、単なるチャンピオンの不調でフロックだと捉えられていたのだ。

当時、OPBF・Sウェルター級王者には、日本海庄や新大久保店の店長・千坂昇行(三迫)店長 も戦ったカーロス・エリオット(八戸帝拳)選手が君臨していた。田島vs田端戦を前に、そのエリオットの防衛戦計画が発表されている。

「世界は大和、田端を倒してから」

五戸定博会長は、次の防衛戦相手に大和、田端の両選手を指名。田島vs田端戦は、まだ終わってはいないのにである。日本王者の田島選手など眼中になかった。そんな田島選手に、まさか世界王座挑戦の機会が訪れるとは・・・。

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島村vs尾崎の日本バンタム級タイトルマッチも一緒に組まれたこの日の後楽園ホールの観衆は3,000人。今ではとても考えられないこの数字。まさに立錐の余地もないほどの入りである。バンタム級戦は尾崎恵一(オサム)選手が、デビュー8年目にして新王座に就いた。

自信満々の態でゴングを迎えた挑戦者。田島選手は闘志を決して表に出さないが、その心は燃えていた。”自分のボクシング。自分にやれる事を一生懸命やろう”。だが、最強の挑戦者。24勝(22KO)のレコードの前に緊張は隠せない。



185センチの長身挑戦者を相手にチャンピオンは勇気を持って前進する。懐にもぐり込まなければ勝負にはならない。だが、挑戦者は王者が入って来るところに右アッパー、ストレートを狙い撃ち。ペースは完全に挑戦者が握った。王者の相打ち覚悟の左ストレートはむなしく空を切るばかり。やっぱり、実力差はいかんともしがたいのか。

6回。”これなら倒れない”。スタミナはまだ十分だ。打たれながらもひるまず愚直に前進する王者。と、左ストレートが好打。ここぞとロープに詰まった挑戦者を攻撃するチャンピオン。そして次の瞬間、信じられない事に世界8位は崩れ落ちた。



一気に元気を取り戻したチャンピオンは、8回にも右フックで挑戦者をグロッキーに陥れる。前半の失点は挽回した。どちらが30戦のキャリアがあるのかわからない終盤戦。田島選手が挑戦者を追いまくって試合は終了。

「ダウンをとった分だけ勝ったと思った」

そう感じた田島選手であったが、結果はドロー。オフィシャルのスコアは、98ー97、96-98、97-97。とにかくタイトルは護った。うれしさを隠せないチャンピオン。



「自分としては最高の出来です。田端は巧かった」

強い相手にも自分のボクシングを貫く。この人には、大きな試合での度胸があった。努力と辛抱しながらも、相手を追い詰めて行く。だが、あごが上がれば万事休していたろう。

さて、王座攻略は問題なしと見られていた挑戦者。

「負けたと思った。これでは世界8位にいても意味がないので引退します」

失意の挑戦者は引退宣言宣。”あの田島に勝てないなんて”。世界への野心を抱いていた田端選手にとって、ダウンを奪われての引き分けはショックだった。屈辱と共に、ボクシングへの情熱さえもなくなった。

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技術で試合を論評する辛口評論家の矢尾板貞夫氏が、珍しく意地という言葉を使ってこの試合を評している。

「力は田端が上だが、田島の防衛する意地の勝利」

”意地”。朴訥な九州男児・田島吉秋選手には、この言葉がよく似合う。試合で意地を通すだけの度胸もあった。

この勝利にも近い引き分けで31歳となった田島選手には、思いがけないチャンスがやって来る。OPBF1位にランクされた田島選手と2位ウディアナ(インドネシア)と空位のOPBF王座を争う事が決まったのだ。

しかし、ここでも元世界王者の沼田氏は厳しい予想。田島選手の充実振りは認めながらも、”田島にとっては、気の抜けない試合。期待したところだが・・・”。と、歯切れが悪い。

そんな評価しかなかった田島選手が、いよいよ世界挑戦の切符を掴む。そして大竹マネジャーは、韓国日帰りの旅を経験するハメになる。(~~)  - 続 く -


PS.瀬藤幹人選手は、昨日より練習を開始しています。夢はあきらめない!

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