世界Lフライ級王座13度防衛の金字塔を打ち立てた”カンムリワシ”具志堅用高選手。
この二人が戦ったなら。
具志堅選手引退後、この興味深い幻のカードが23人の識者により予想されている。さてその結果は。
大 場・KO勝ち=8人
具志堅・KO勝ち=4人
大 場・判定勝ち=4人
具志堅・判定勝ち=6人
引き分け=1人
大場選手のKO勝ち予想が一番多く、トータルは12-10で大場選手。
予想がなされた根拠を拾ってみる。ウェート差、パワー、スタミナ、根性、体力、スピード、連打、パンチの切れ、攻守のバランス。
正規のフライ級ウェート大場選手が押し切るだろうとの予想だが、接戦だ。確かに具志堅選手は、フライ級当時は体力負けしていた。現役時代フライ級の名王者ミゲール・カントと対戦か、なんて話もありましたね。
「大場さんはどのくらいの間隔で防衛戦やってたのかなァ」
大竹マネジャーが不意に呟く。
ノンタイトルながら日本、東洋、世界の王者に土をつけ世界の王座に挑んだ大場選手。ベルクレック・チャルバンチャィ(タイ)の持つ世界王座挑戦は、敵地タイで行なわれる予定だったが、本田会長の尽力で日本で行なわれる事になった。この時、世界ランキングは4位。
1970年10月22日。念願の世界王座を獲得した大場選手は、帝拳ジム創設45年目にしてはじめて誕生した世界王者である。
初防衛戦は71年4月1日。挑戦者は2位ベツリオ・ゴンザレス(ベネズエラ)。3人の日本人ジャッジの採点は、2ポイント差一人、1ポイント差二人の際どさで初防衛成功。
「いい勉強になりました」と語ったチャンピオン。最終回は疲れ、挑戦者の反撃を許した。
初防衛成功後の6月19日にはメキシコでノンタイトル戦。劇的な逆転KOでメキシコ王者ロッキー・ガルシアを下している。
2度目は46年10月23日、1位フェルナンド・カバネラ(比)。この試合は一方的判定勝ち。5点法で10ポイントからの大差が付いている。
3度目は72年3月4日、一度負けている花形 進 (横浜協栄)選手を挑戦者に選んだ。史上2度目の日本人同士の世界戦。花形選手は世界4位。
試合前は視線も合わせず、ライバル意識むき出し。意地と意地のぶつかり合いは、2-0判定で大場選手が防衛。試合後はお互いの健闘を称えあった。
4度目。最強の挑戦者といわれた1位オーランド・アモレス(パナマ)が相手。72年6月20日、痛烈な逆転KOでアモレスをマットに沈めた大場選手。
5度目は73年1月2日、2位チャチャイ・チオノイ(タイ)。第1ラウンド、挑戦者の見事な右ロングフックでマットに這わされたチャンピオンは、右足を引きずるようにして立ち上がる。
絶体絶命のピンチを凌ぎ、12回驚異的な逆転KO勝ち。試合後は杖をつかねば歩けなかった。ラスト・ファイト。この試合後、長期休養が用意されていた。
大場選手はタイトル戦の合間に、必ず世界ランカークラスとのノンタイトル戦を挟んでいた。常に世界最強を意識して戦って来た。逞しい。
ラスト2戦は、いずれも初回のダウンを跳ね返しての逆転劇。この2試合で、大場人気は不動のものとなった。
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坂田健史選手も次は指名試合。1位亀田興毅、2位デンカオセーン、3位サリツ。3人の内誰かと思っています。
<ボクシング>フライ級 日本人対決実現に障害多く(毎日新聞)
「興毅でも、デンカオだっていいよ。今度はハッキリさせてやる」
大竹マネジャーの鼻息は荒い。(~~)
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