屋内スポーツのご観戦をお考えなら②―バレーボール、ハンドボール、アイスホッケー編 | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

屋内競技にも色々ありますが、この記事ではバレーボール、ハンドボール、アイスホッケーなど、競技レベルでは企業の実業団が主体となって大会をおこなっているチームを紹介いたします(アイスホッケーの場合は、最近は必ずしもそれに当てはまらなくなってきていますが)。

 

屋内の場合、屋外の天候や気温がどうであってもあまり関係ないので、前売券が買いやすく、早めに予定が立てやすいのが最大のメリットです。体育館の場合は5000人収容規模とこじんまりとしている場所が多いのですが、その分フロアに近くて臨場感は抜群ですし、屋内だと歓声が響いて独特の雰囲気を作ります。

 

私自身、バレーボールの試合を見た回数は多くないのですが、日本においてはオリンピックで金メダルを取ったこともあるくらい伝統がある競技です。競技人口やファンも多く、体育館の中の雰囲気も独特のものがあります。テレビでバレーボールの試合を見ると、ネットの位置から映像を映しているので、ネットの位置での細かい攻防があまりよく解らないと言う部分があるのですが、生で見ると、レシーブやトスを上げる段階で攻撃側は守備側のブロックを分散させるために、そして守備側は分散されないようにと駆け引きをしていることがよくわかり、そこがバレーの醍醐味なんだな、と感じました。会場で試合を見ることで色々と新しいことが解るという意味で、非常におもしろかったです。

 

また、体育館で観戦して感じたのが、とても女性が多かったということです。もちろん、他のスポーツでも女性の観客はいますが、バレーボールの場合は会場内にいる男性ファンに対する女性の割合が他のスポーツと比べて大きい気がしました。応援団や試合の運営を主導する役割も女性が担っている感じがして、そう言った意味では他のスポーツにない独特さを感じました。戦後、学校を卒業してから女性がスポーツをやるということが一般的ではなかった昭和30年代から、バレーボール界では女性の実業団リーグもありましたし、全日本のレベルも高かった。東洋の魔女の頃から女子バレーの伝統が続いており、競技人口が多いことから、バレーに関しては非常に目の肥えた女性ファンが多いと感じます。ある意味とても面白い文化だと思いました。

 

ハンドボールもまだ数回しか見たことがないのですが、細かいパス交換で相手陣地まで入りこみ、ゴールに近づくと狭いスペースをこじ開けようとする攻撃側とそれを防ごうとする守備側の激しい肉弾戦が面白かったです。初めて見る人にとってもルールが解りやすいところも魅力です。

 

アイスホッケーは、日本では「冬期限定のマイナースポーツで、北国だけで人気がある」と言う扱いを受けている感があります。2014年のソチ五輪で日本女子代表が本大会に出場して注目度が上がりましたが、国際大会での成績が伸び悩んでいることから、確かに全国的な知名度はそれほど高くはありません。ですが、狭いリンクの中をスケートを履いた選手達が物凄いスピードで走り回る姿は迫力満点。相手の体にぶつかることも許可されているので肉弾戦も激しく、初めて見た人でも飽きずに見ていられるのではないかと思います。

 

日本のアイスホッケー界は、平成不況の影響を受けてそれまでチームを持っていた企業が相次いで撤退し、チーム数が激減したことから、2003年に東アジア周辺諸国との多国間リーグであるアジアリーグが発足し、韓国やロシアのサハリンに拠点を持つチームと一緒のリーグで日本のチームは戦っています(以前は中国のチームもありましたが、撤退しました)。日本では多国間リーグというフォーマットをとるスポーツは他にないので、日本のチームにはない特徴を持った他国のチームと日常的に試合が見れるのはまた違った魅力があり、機会があればぜひお知り合いを誘ってアリーナへと足を運んでみてください。国外の手ごわいライバルとの競争は厳しいですが、それでもアジアリーグには日本からは1国では最多となる5チーム(2020年現在)が参加していて、また2020年には横浜GRITSが新規参戦し、2014年のソチ五輪と2018年の平昌五輪には日本女子代表も本大会に出場して注目されるなど、近年はアイスホッケーを取り巻く環境も変わりつつあると思います。

 

元々実業団はプロ野球やJリーグのチームとは違い、特定の地域に本拠地を設けないところが多く、特にバレーボールはその傾向が強いように感じられます。バレーボールでは、各週末に多くのチームを1つの会場に集め、そこで1日数試合を行うという集中開催方式でリーグ戦をとりおこなうことが多いです(一部例外もありますが)。ハンドボールもこの方式を取るケースが多いですが、大崎電気のように本拠地を設けているクラブも増えてきました。アイスホッケーに至っては、年に3回の巡業の時以外は完全にフランチャイズ制に移行しており、実業団スポーツを取り巻く環境も変化していることが伺えます。

 

これらのスポーツは、一番安い席で2000円ほどなのですが、サッカーや野球の一番安い席よりもはるかに見易いです。集中開催方式の場合は3000円くらいで1日2、3試合が見れ、1試合ごとの値段はホームアンドアウェーのときよりはお得です。前売券は、バスケやアイスホッケーはサッカーや野球と同じようにチケットぴあなどで購入可能です。ただ、ハンドボールは前売を出さない場合が多く、多くの場合は会場で現金でチケットを購入することになります。

 

屋内のマイナースポーツを見に行くときは必ず事前にスタジアムに行くまでの計画をしっかりと立てましょう。交通の便が悪く、しかも主催者がシャトルバスなどのサービスを提供してくれないケースがほとんどですので、場合によっては公共交通機関を用いて非常に辺鄙なところにある会場にいかなければなりません。車で移動できるのであればそれを使う手もありますし、ご友人を何人か連れてタクシーを使うということも可能でしょう。あと、食事に関しても会場に到着する前や最寄駅で調達するのが一番無難です。

 

あと、これはスケートリンクが会場になるアイスホッケー限定の話になるのですが、スケートリンクは屋内に氷を作るために、アリーナ全体を冷凍倉庫のようにして氷を作っているので、客席は氷点下近くまで冷え込みます。とにかく寒いので、真冬の天体観測並みの防寒具があっても差し支えありません。もちろん、屋内競技なので外の天気は影響されないし、前売を買いやすいというメリットは生きているのですが、アリーナ内の寒さ対策だけはしっかりとなさっておいてください。

 

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