学資保険が消えてしまった。。。 | フィリピンで暮らす

学資保険が消えてしまった。。。

長女が生まれてすぐの頃の話なので、もう20年以上前のこと。

当時住んでいたマカティの小さなビレッジのお隣の奥さんが生命保険のディーラーだった。
とても人のよい老夫婦で我が家のおくさんもとてもよくしてもらっていた。
ちなみにだんなさんは、損害保険のディーラー。
何年か前に奥さんがなくなったのは風のうわさで聞いたが、ご主人はどうしているのだろう?

それはさておき、そのお隣さんの勧めで子供たちの学資保険に加入した。
まずは、長女と二女。
二女は生まれたばかりだったので、かなり安かった記憶がある。

学資保険の中身は、大学に入ると学費を全部保険で払ってくれ、その上卒業したらお祝い金が出るというもの。
もし、大学に入る前に私の身に何かあったら保険金も出る。
半分以上、お付き合いだったので上から2番目くらいのコースに加入していた。

長女が大学に入ったとき、これを思い出して請求に行かせた。
実際に行ったのは長女。
長女は、こういう時に物怖じしないで動くので、重宝する。
長女が入学したのは、保険では特別コースにあたる学費の高い大学だった。
それでも3分の1くらい帰ってきた。
・・・最初の2年半くらい。

2年後、二女が同じ大学に入学。
この頃から保険会社の様子が怪しくなってきた。
長女が入学した頃にはすぐに降りた保険金が、3ヵ月後になり、やがて半年後になった。
そして、ついに小切手が発行されなくなった。
まだ長女は卒業していないので二人分だ。
そうこうしているうちに、保険会社は倒産。
政府の管理下に入った。

去年の暮、二女がホームページで支払いを受けられるというのを見つけてきた。
200ページ以上の長いリストの中に三女と三男の名前を見つけた。

そんなわけで、先週の金曜日、保険会社にいってきた。
前に行ったとき、すごい人だった事務所はがらんとしていた。
たくさんいた社員は見当たらない。

パーカーを着た若い兄ちゃんがカウンターの向こうに一人ぽつんと座っている。
『クレームですか?』と声をかけてきたので、ここでよかったんだと思ったくらい。
書類を見せて小切手を受け取る。
どうやら受け取りも一段落したあとだったようだ。

戻ってきたのは払ったお金のたった5%、小切手の日付は去年の8月だった。
しかも三女と三男の分だけ。
長女と二女は、1回でも保険金を受け取っているので今回の対象にはなっていないとか。
『一応、ファイルします。』とコンピューターに向かっていた。
『今年中に次の支払いがあります。』と、彼はいってたけど怪しいものだ。
本当に帰ってくるのだろうか?

あとから他のお客が2組入ってきた。
こちらは生命保険のようだ。
なんだかしんみりして悲しそう。

よく考えると迷惑な話だ。

それにしても倒産するというのは大変なものだ。
妙なところで、感心してしまった。