明治戦を振り返って〜采配の妙〜 | 大学野球万歳

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早稲田大学から2011年に日本ハムファイターズに入団した斎藤佑樹投手をはじめとして、東京六大学野球や東都大、関西学生リーグ、関西六大学野球など、気になる選手のことを色々と。

なんとか勝ち点をあげることができ、ほんとうにホッとしました。

杉山くん負傷という衝撃の速報をメールでもらって、どうなることかと思いましたが、軽症で済んだとのこと、ほんとうによかったです。そして、福井くんと市丸くんのバッテリーも非常に粘って頑張っていたと聞き、嬉しかったです。瀬戸際でのこの一勝。チームにとっても大きいものがありますね。

今日記事にしたいのは、第2戦のことです。「斎藤くんの連投」については、あちこちで議論になっていますね。前の記事のコメントにも少し触れましたが、「ノーコメント」にするべきかな、、、、と思いつつ、私の意見を簡単に載せておきます。

私も連投には原則的には賛成しませんが、ある意味チームがこの一戦が「勝負」と考えたゲームには、絶対的エース投入もあるべきだと思っていました。

ワセダはもう一敗も出来ない状況であったので、明治戦には勝ち星を挙げることは前提条件。2戦連勝を狙っていたでしょうから、前日のブルペンの様子も踏まえて監督としては先発投手を決めるのが定石。

そう思うと、第1戦のブルペン、あまり詳しくは見られなかったのですが、ブルペンの投手2人の状態は不安定でした。ブルペン捕手と監督が何度か話しをしたり、監督もその様子を見ていらしたのが印象的です。それでも、第1戦、8回110球以上投げた斎藤くんを先発にするというのは、正直驚きましたが、きっと、先発投手となる候補の投手陣の状態がそれだけ悪いのでは、、、、と考えました。最初から第二戦も斎藤くんで、、、と考えていたら、5回か6回で降板のはずでしょう。試合終盤、監督が何か思い、完投させるのかと思った斎藤くんを8回で降板させ、大石くんを投入したのでしょう。最終回に大石くんが登板というのを友人からの速報メールで知って「あれ?」と思いましたから。

また、斎藤くんは連投となるとチカラを発揮するタイプでもあります。そこに賭けたんだと。結果として慶應が連敗して、早稲田の優勝がなくなったというゲームの登板になってしまいましたが、、、。

しかし、結果はご覧の通り。まず明治戦の第1戦から、あまり調子が良くなかった斎藤くん。第2戦では前日よりさらに調子が悪いのは素人目でも分かりました。まず、ストレートの精度がない。キレ、スピードともに一番良い時の6割程度。スライダーは決まっていましたから、それを軸に杉山くんが上手に投球を組み立てていました。しかし、決め球のフォークが決まらなかった。斎藤くんが首を振って次に投げたボールはほとんどフォークでした。試合前にはフォークの調子がよかったのではないでしょうか?しかし、試合では決まらない。フォークが決まらなかったあとには、杉山くんが上手に「間」をとり、すこし考えながら組み立て直して、、、という感じでした。

良く2点で抑えられたな、良く連打されなかったな、、と正直なところ思いました。それくらい調子は悪かったと私は思います。そして、2番手の松下くん。なかなか良い投球だったと思います。甘い球が入ったところを1安打されただけです。ストレートのスピード、スライダーともによかったと思います。

が、ここが「勝負の分かれ目」

チャンスに松下くんの打順に回ってきて、代打が出されました。好投の松下くんを下げるのは、、、と思ったのですが、追い上げているところにはやはり代打が要求されるところでしょう。

そして、みなさんもご存知の通り、リーグ戦初登板の池下くんや大野くんなどを登板させることになります。それぞれに頑張りましたが池下くんー大野くんのリレーで2回2失点となり、結局その2点がその日の勝敗を決めることになりました。

私の感想としては、この日の「敗因」は特別推薦で早稲田に入学した4年生投手でベンチ入りしている投手が松下くんだけという「状況」にあると思います。調子の善し悪しや怪我の有無、肩や肘の痛みなど、何らかの「状況」から、ベンチ入りが厳しい状態にある最終学年の投手、それも活躍を期待されている投手たちがベンチ入りできなかったということに尽きると思います。

ですから、監督の采配がどうのこうの、、、、というよりも「状況下」の「敗戦」というのでしょうか。負ければ「監督の采配はちぐはぐ」に見え、それでも勝てば、「監督の采配が活きたゲーム」と言われるのでしょう。今回のような状況のもと、なかなか厳しい試合だったな、、、という感想を持ちました。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」ー監督業の難しいところです。

そして、負けたら、あれこれ言いたくなるのがファン心理。「たられば」は御法度とは思いつつ、もし、あの時ああだったら、、、と思いたくなってしまいますよね。(私もそうです)

また、早稲田大学は近年「常勝軍団」になり、「勝って当たり前」のような雰囲気を感じるのが選手や監督にとっても大きなプレッシャーでしょう。日本一のプレッシャーを感じる大学野球部だと思います。しかし、どの時代にも浮き沈みがあり、黄金期はなかなか長くは続きません。

ここは、敗因をしっかり探って、チームの状態をどう建て直していったら良いか、きっと死にもの狂いで考えているであろう監督、コーチ陣、主将。そして「あと一本」のところでヒットが打てなかった打撃陣、また「あの一球」でヒットを打たれてしまった投手陣、その悔しさを「明日の糧」にして頑張っている全ての野球部部員たちを信じて、私たちは応援しましょう。

去年の春の早慶戦は私にとって、とてもとても印象深いものでした。

明治に優勝が決まったあと「秋に向けて」と、がむしゃらに戦ったあの一日。宇高くんのバットから素晴らしい一本が生まれ、秋のシーズンへの「手応え」を感じた試合でもありました。是非、あと2週間足らず、次につながる試合を、すばらしい早慶戦を見せてもらいたいと思います。

明治戦での3日間。みなさまお疲れさまでした。勝ち点奪取おめでとうございます。
そして、今週末にある法明戦、両チームとも最善を尽くして戦ってほしいです。是非とも良い試合になりますように。試合のある土日は東京に仕事に行くのですが、朝から夜までの「缶詰」研修。一歩も宿泊所から出られないのです、、、、。神宮までちょっとの距離なのになあ~汗

そして、早稲田、慶應の両チームも、伝統の早慶戦に向けて、きっと良い試合を見せてくれると信じております野球ボール私も日曜日のみ、観戦予定です。また、みなさまにお目に掛かることができるでしょうか?楽しみにしています!