私が”冗談音楽”なるものの存在を知ったのは、1990年代半ば頃に
ホフナング音楽祭1988(The Hoffnung Festival of Music)
LONDON【POCL-3729/30】
のライヴ録音のCDと出会った事によってです。
早速買って聴いてみたら、面白いのなんの!!
クラシック音楽を用いた様々なギャグのオンパレード!!
日本では知られていないネタもありますけど、
パロディの場合は概ね、
クラシック音楽のとりわけ有名なメロディを用いているため、
クラシック音楽をよく知らないという人にも面白さが分かるかも知れません。
しかし、現在ではそのCDは廃盤になっています。
DVD版は出てるんですが、内容が一部カットされているのでそれが残念。
というか、別の年(1992年)に行われた演奏会の映像です。
ホフナング音楽祭については、
の時にも軽く触れましたが、詳細は別の機会に述べるとします。
他にも”冗談音楽”について色々調べてみたら、
P.D.Q BACHやスパイク・ジョーンズ(Spike Jones)、
異色ピア二スターHIROSHI
などといった冗談音楽アーティストの存在も知りました。
三者とも、私はCDを所有しております。
スパイク・ジョーンズは、
私が生まれた時には既に亡くなっていた古い人ですが、
確か”ひらけポンキッキ”でその音楽が使われていたと思います。
で、たった今検索で他にも色々と調べてみたところ、
山本直純も同様の事をやっていると知りました。
その他、クラシック音楽を違うジャンルの音楽にアレンジする
杉ちゃん&鉄平を知らなかった事も迂闊に思いました。
前者は故人ですが、後者は現在大活躍中らしい。
早速CD購入して聴いてみます。
あと、あらゆるジャンルの”音楽”をコケにしたような
はなとゆめ(殺害塩化ビニール)
は、個人的にもの凄くお気に入り!!
パロディは低く見られがちな所がありますけど、
何だかんだ言って面白い!!
単純に楽しめれば良いと思うんですけどね。
それでは、メドレー編といきましょう。
人気協奏曲(フランツ・ライゼンシュタイン)
(Franz Reizenstein, Concerto Popolare)1956
Franz Reizenstein - Wikipedia, English
ドイツ生まれのユダヤ人作曲家、コンサートピアニスト(1911-1968)。
僅か5歳で作曲し始めるなど、幼少は神童と見なされていた。
1934年に、ナチスの迫害を恐れ、イギリスに移住。
(以上、Wikipedia情報より)
『人気協奏曲』は、
『チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番』と『グリーグのピアノ協奏曲』
のフレーズを主軸に、
様々な有名クラシック曲のフレーズを上手く絡ませる技は
お見事と言うしかない!!
第1回ホフナング音楽祭(1956)で初演されたという。
YouTubeに出ているのは、そのライヴ録音らしい。
http://www.youtube.com/watch?v=pdomp-QOXCA
オーケストラメドレー(フランク・バターワース)
(Frank Butterworth, Orchestral Switch)
Wikipediaには、同姓同名の別人が出ています。
彼については、残念ながらよく分かりません。
この曲は、42もの有名なクラシック曲のフレーズを、
僅か14分に上手くまとめたものです。
よく”ニコニコ動画”で『忙しい人のための・・・』というのがありますけど、
そのクラシック音楽版なわけです。
否、違うか。
”クラシック曲お徳用セット”ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=N4Pm4ojdT7s
ピアノと管弦楽のための不協奏曲(ウィルフレッド・ジョゼフス)
(Wilfred Josephs, Disconcerto for piano & orchestra, op.138)1985
Wilfred Josephs - Wikipedia, English
イギリスの作曲家(1927-1997)。
上に示した2曲もこの曲も、
全て『ホフナング音楽祭1988』に収録されています。
この『ピアノ不協奏曲』は、やっている事は前述の『人気協奏曲』と同じで、
有名なクラシック曲のフレーズを色々と上手に利用したものですけど、
こちらの方が、格段とパワーアップしている感じです。
只上手く組み合わせているのではなく、強烈な”毒”があります!!
まず冒頭で、ピアノによる現代音楽風の無機的な下降音が出てきて、
「一体何なんだろう?」と思っていたら、実は『タンホイザー序曲』の、
あの有名な弦楽による連続する三連符の下降音の
強烈な毒のあるパロディでした。
続いて、グリーグのピアノ協奏曲第1楽章の冒頭のティンパニの
クレッシェンドからトゥッティと、
シューマンのピアノ協奏曲第1楽章の冒頭の
トゥッティの後のピアノ独奏部の接続が出て来るんですが、
「俺も同じ事を考えてたよ」と思いました。
グリーグのPコンとシューマンのPコンは、
第1楽章の冒頭部分が似通っていますけど、
実際グリーグのPコンは、
シューマンのPコンの影響を受けているといいます。
その後は、モーツァルトの『ピアノソナタ16番』第1楽章を
ルンバのリズムに乗せるとか、
メンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』を
ピアノ協奏曲に改変してしまうとか、
ショパンの『子犬のワルツ』を、
調子を外した音程でおどけた感じにするとか、
『ウィリアムテル』序曲の”スイス軍の行進”の序奏から、
フチークの『剣闘士の入場』へ繋げるなどといった
様々なお遊びが出てきて、聴いていて爆笑しました。
とにかく『ホフナング音楽祭1988』収録曲の中で、
一番気に入っております!!
【記事更新:2010/9/21】
グダグダな『ピアノと管弦楽のための不協奏曲』紹介記事を
すっきり整えました。
【追記:2016/8/3】
『ホフナング音楽祭1988』のジャケット画像を追加。
【追記:2022/9/29】
ジャケット画像差し替え
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