美術展『大衆絵画選抄』(Daiwa Press Viewing Room)を観に行く(2) | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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美術展『大衆絵画選抄』(Daiwa Press Viewing Room)を観に行く(1)

からの続き。


私は、珍しもの好きであるため、この展覧会へ行く事を何事も最優先に考えました。

8月に京都で大規模なアート祭りが開かれるというので、参加作家の1人である

愛☆まどんなから来て欲しいと言われていましたけど、

広島の件がある事と、今年は特別暑いこと、何だかんだ言って8月は色々忙しいこと、

京都も距離的に気軽に行ける様な場所ではない事などの理由で、行きませんでした。

9月1日に行こうと決めたのは、夏休みが終わった後なので空いているだろうと

思ったからです。

そうすると、京都のイベントが既に終わっているので、

結局は京都へ行かれなかったわけです。


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本当に、隠れ家的な美術展で、一般非公開だから当然なんですけど、

サイトなどでの告知は一切行われていないため、DMが届いた時に

『大衆絵画選抄』で検索しても、全くその言葉が出て来なかったです。

隠れ家的な料理店ってありますけど、ノリはそれに近い?


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旅客機で行きましたが、僅か1時間25分で広島空港へ到着。

その後、高速バスで広島駅へ向かいましたが、距離があるので、結構時間が掛かりました。


広島駅前で美女2人と踊る

↑広島駅前にて、2人の美女と共に踊る。

三脚は大きいので持って来ず、代わりに楽譜立てを持ってきてカメラを乗せ、

タイマー撮影。

写真には写っていないが、向かって右には、全裸で笛を吹く少年像がある。

身に付けている『和洋折衷Tシャツ』については、後日紹介。


そこから路線バスで大和プレスへ行こうと思ったんですが、

何せ初めてなんでよく分からず、タクシーで行きました。

ほぼ予定の時間に到着しました。

場所は、通りから如何にも田舎な雰囲気を感じさせる道を入って行くんですが、

暫く歩いていくと、工場や住宅のある一角にありました。

真っ白い建物です。


佐藤さんと3年振りにお会いした時、大分雰囲気が変わっていて驚きました。

有名人に譬えたら、”筑紫哲也”をハンサムにした様な感じ?で、

台湾人評論家黄文雄に似ていました。


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興味深いお話やアドバイスなどを色々と賜りました。

自分の中で改善しなければいけないなと思うこと等を色々思い知りました。

   

佐藤さんの口から色々と美術家の名前が出てきましたけど、

その全てを私が知らない事に驚かれました。

現代美術が好きであるならば、恐らく誰もが知っているであろうと思われる名前らしい。

私は、純粋性を守るというか、人からの影響を極力受けたくないために、

意識的に他の現代美術家の作品を見ない様にしていました。

極力、情報を遮断していました。

若い頃に、或る美術家とネタが連続的に被るという奇妙な体験をしたために、

トラウマになってしまったからというのも理由としては大きい。

でも、今では他の作家とカブる事に対しては全く気にしていないので、

いい加減見ても良いなと思いました。


私からは、私にとっての作品を作る理由や、

Chim↑pomメンバーとの繋がり等について話しました。

やはり、私の様な作家は珍しい部類のようです。

一般的な美術家は、裏の努力というか、

一言で言えば「営業活動」(売り込み)をするわけです。

でも私は、世渡りが下手で、そのやり方がよく分からないので、

取り敢えず、アイデアがどんどん出て来るからひたすら作品化するだけなのです。

売れれば良いに越した事は無いですけど、まず私の場合は、アイデアを作品化するありき。

私が「インでもアウトでもない」(卯城竜太)などと言われるのは、そういう理由です。


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暫くすると、1人の外人さんが訪れてきました。

美術家兼ギャラリーオーナーで、名の知られている人らしいんですが、

例によって私は全く知りませんでした。


ここでの展示作品の見せ方は、佐藤さんが直々に招待客に解説しながら

見回っていくという、大変贅沢なシステム。

私とその外人さんが一緒に、解説を受けながら作品を観てまわりました。


私の勝手な憶測なんですが、佐藤さんは、

出来ればアートを心から愛している人全てに観て貰いたいに違いない。

でも現実は、物理的な問題が立ち塞がっているわけですよ。

お客の1人1人に丁寧に解説しながら見せていく様にしていたら、

とても全ての純粋なアートファンに見せる事は出来ないでしょう。

あと、偶然の出会いというのもあるでしょう。

私は運良くたまたま知り合えた。

アートというものが、一般のアート愛好家にも手が届く存在であるべきみたいな事も

語っていて、激しく同感しました。


私が思うに、単にアートが流行っているからといって目を向ける”にわかアートファン”

”ミーハーアートファン”を対象外にするのは、「アリ」だと思う。

そういう人って、自分で好きか嫌いか決められず、お偉い美術評論家の言っている

事を鵜呑みにするんじゃないか?

作品を見せても、本当に心の底から感動してくれるのかどうか疑問に感じるし。

偏見だったらすいません。

でも、アートブームが去っても、一生死ぬまでアートファンであり続ける様な人で無ければ、

見せる意味は無いと思う。

美術館を単にデートスポットとしか考えていない様な人に対して、

招待したいとは正直思わない。

だから、展示作品を見せる相手が限定されるというのも、やむなしと思います

”差別”ではなく”区別”。

特権意識とかじゃないんですよね、動機が純粋かどうかなんですよね。

私はその様に思いますが。


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肝心の展示作品についてですが、やはり、慧眼の持ち主だけあって、

とても面白い作品揃いでした。

理屈で意味が分かるとかではなく、「わけ分からないんだけど面白い」系が多かった。

同じ「わけ分からない」でも、「わけ分からなくてつまらない」のと

「わけ分からなくて面白い」というのがありますが、間違いなく後者ですね。

例えば『伝染るんです。』みたいな、「わけ分からなくて面白い」のがあるじゃないですか。

  

貝の柄の拡大図が、意外とデザイン的に美しいというのが分かった作品。

波の反復で単純なんだけど、線の濃さに変化がもたらされ、

意外と観ていて心地良いリズムを感じた作品。

キャンバスの木枠を組み合わせてラッコの立体作品を作ったという、シャレの様な作品。

距離をテーマにした作品。

立体を専門にしている作家が平面作品を作ったらどうなるか?・・・

と思ったら、やっぱりそうなっちゃったという作品。

人物と風景を組み合わせたらどうなるか?という面白い試みの作品。

「きょうの猫村さん」の作者が描いた作品(名前がほしよりこではないので、本名?)。

規則正しい生活を送りながら、真っ黒になったキャンバスに絵具を乗せ続けるという、

アールブリュットを思わせる作品、でも、本人は分別の付くきちっとした人らしい。

   

それらの中でも特に気に入ったのが、新美さんの作品。

如何にも、回転式でエンドレスで付けるムカデの様なスタンプの図柄を

画面に乗せている様に見えるんですが、実は、フリーハンドで描いているらしい。

びっくりしました!!

しかも、腱鞘炎になるんじゃないか?と思える程細かく沢山描いています。

それと、キャンバスを、大理石の様な質感にしている作品も凄い。

セラミックっぽいんですが、新しい石の模様を創造した様な感じ?

「如何にもありそうで無いシリーズ」を作っている私にとっては、

ちょっとライバルと思った作品。

それと、新美さんは『美学校』の出身だそうで、その意味でも親近感湧きました。

私は美学校出身ではないのですが、美学校とは結構親密な仲なので。


如何にもホラー映画のワンシーンを彷彿とさせる作品も凄い気に入りました。

リトルグレイとか、花輪和一の短編『心の影』に出てくる”天狗の子”を思わせる

謎のクリーチャーが2体とか、夜中に見たら、電気点けてないと眠れないような、

迫力ある作品!!


名前を憶えるのが苦手なので、誰がどの作品とか、殆ど憶えていません。


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これほどの恩恵に預かれて、本当に良いんだろうか?と、罪悪感すら感じました。

罪悪感といえば、アイデアはあるのに思い通りに作品を量産出来て無いこともそうです。

ブログを書いている場合では無いんですが、ブログも重要なんで。

でも、もうちょっと、作品作りにもっと時間を割かないと。


それはともかく、我が人生にとっての一二を争うくらいの、良き思い出になりました。

佐藤さん、アシスタントの鈴木さん、どうも有難うございました!!


大和プレス前で記念撮影

↑大和プレスビューイングルーム前で、アシスタントの鈴木さんに撮影してもらう。






(つづく)

その日はビジネスホテルで泊まり、翌日広島巡りをしました。

次回はそのレポートをします。





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