ヤルマル・ボルグストレム(Hjalmar Borgstrøm)ノルウェーの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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※画像はWikipediaより

 

ヤルマル・ボルグストレム

Hjalmar Borgstrøm(1864-1925)

 

【Wikipediaノルウェー語(ブックモール)版の要約】

ノルウェーの作曲家、音楽ジャーナリスト。

クリスティアニア(Christiania)現:オスロ(Oslo)生まれ

ベートーヴェン、ヴァーグナー、

リヒャルト・シュトラウスなどの影響を受ける。

 

マルティン・ウルスィン(Martin Ursin)にピアノを学ぶ。

1881~1883年、ヴァイオリンと音楽理論、

作曲をヨハン・スヴェンセン(Johan Svendsen)に学ぶ。

1883~1887年、

ルドヴィク・マティアス・リンデマン(Ludvig Mathias Lindeman)

に作曲を学ぶ。

1887~1889年、ライプツィヒ音楽院(Konservatorium von Leipzig)で、

ウーレ・オールセン(オーレ・オルセン)(Ole Olsen)に学ぶ。

1890年、ボルグストレムの交響曲(第1番)

の演奏を聴いたグリーグから賛辞を受ける。

1900~1903年、ベルリン、ライプツィヒ、ロンドン、パリなどへ留学。

その後、夕刊新聞(Aftenposten)

などで音楽評論家として執筆活動をした。

 

【代表作】

歌劇『釣り人』(3幕)

Opera”Der Fischer” tre akter(1900)

交響詩『ハムレット』(ピアノと管弦楽)

Symfonisk dikt for klaver og orkester“Hamlet” op 13(1903)

交響詩『ゲッセマネのイエス』

Symfonisk dikt“Jesus i Getsemane” op 14 (1904)

交響詩『ヨーン・ガブリエル・ボルクマン』

Symfonisk dikt“John Gabriel Borkman”op 15(1905)

交響詩『死者の夜』

Symfonisk dikt“De Dødes Natt” op 16(1905)

交響詩『思考』

Symfonisk dikt“Tanken” op26(1916, 1917?)

 

Hjalmar Borgstrøm - Wikipedia, ‪Norsk bokmål‬

 

 

 

歌劇『リーモルのトゥーラ』(1894)

Opera“Thora paa Rimol” to akter, op 7

以前、超マイナークラシック曲情報(3)(ノルウェー編)

で紹介したボルグストレムですが、

やはり、”超”が付くくらいの無名作曲家だけあって、

聴く前は不安でした。

「ハズレだったらどうしよう・・・」と。

でも、その不安は杞憂に終わりました。

逆に、何で無名なのか不思議に思う様になりました。

 

この曲は、一言で言うと、

リヒャルト・ヴァーグナーからの影響を強く感じます。

初期作品の割には、

オーケストレーションがとてもしっかりしている上に、

劇的表現力の巧みさと、

とても印象深いメロディの多さに圧倒されました。

その上、ノルウェーの歴史が題材となっている、

まさしくノルウェー国民楽派。

ノルウェーの民族的旋律の要素はそんなに感じませんが、

魅力的なメロディの多さがそれを補っていると感じました。

スウェーデンでいうところの、アンドレアス・ハッレーン(ハレーン)

(Andreas Hallén)に近い?

ハッレーンの

オペラ『ヴァイキングのハーラル』

Oper ”Harald der Viking”(1881)

を髣髴とさせます。

 

序曲からして、ヒーローサウンドっぽい要素を感じます。

まさに”冒険物語””RPG”という感じ。

聴き所の宝庫ですけど、その中でも特に印象的な場面は、

ディスク1のトラック3のトゥーラの独唱部分。

花の様に美しく可愛らしいメロディですが、それが結構長い。

その長い独唱が終わると、同じフレーズを混声合唱がなぞります。

私は最近、1人で絵を描いている時などは、

このフレーズをよく口ずさみます。

 

無名のオペラには、聴き所の宝庫みたいな曲があったりします。

ペーター・アーノル・ハイセ(Peter Arnold Heise)の

悲歌劇『王と代官』

Tragisk sangdrama“Drot og Marsk”(1878)

とか

ヘイミッシュ・マッカン(Hamish MacCunn)の

歌劇『ジーニー・ディーンズ』

Opera“Jeanie Deans”(1894)

など。

前者は、デンマークロマン派歌劇の最高峰と呼ばれていて、

後者は、天才作曲家によるミュージカルを先取りした様な雰囲気の

スコットランド民族オペラです。

有名なオペラなんか、物凄く有名な一部分と、

退屈な大部分とで構成されているのではないか?

という偏見のようなものが私にはあります。

 

実は、ノルウェーのレーベルNKFから

交響詩『ハムレット』(ピアノと管弦楽)

Symfonisk dikt“Hamlet” op 13(1903)

交響詩『思考』

Symfonisk dikt”Tanken” op 26(1916, 1917?)

【NKFCD 50026-2】

らの収録されたCDが出ていたそうですけど、現在は廃盤の上、

ネット上にもその情報が僅かに出ている程度。

しかも、その情報の大半が、日本人によるものだったりする。

日本人は、何とマメなのだろう!!

それはともかく、こっちも聴いてみたいところです。

 

 

 

 

歌劇『リーモルのトゥーラ』

Opera ”Thora på Rimol”

・トゥーラ(Thora) : ランディ・ステーネ(Randi Stene)mezzo

・オラヴ・トリグヴァソン(Olav Tryggvason) : ハーラル・ビョルコイ(Harald Bjørkøy)tenor

・ホーコン伯爵(Earl Haakon) : トロン・ハルスタイン・ムー(Trond Halstein Moe)baritone

・カルク(Kark) : オドビョルン・テンフョルド(Oddbjørn Tennfjord)bass-baritone

演奏:トロンハイム交響楽団

Trondheim Symfoniorkester

指揮:テリエ・ボイエ・ハンセン

Terje Boye Hansen

SIMAX【PSC 1230】2002

 

Amazon

Amazon.co.jp : Thora Paa Rimol-2 - ミュージック

HMV

歌劇『リーモルのトゥーラ』全曲 (2CD) - HMV

TOWERRECORDS

Borgstrom: Thora at Rimol - TOWER RECORDS ONLINE

 

 

 

【追記】2016/10/28

肖像画像追加

ハラール → ハーラル

 

【追記:2022/9/26】

CD画像差し替え

 

【追記:2022/12/1】

ハーミシュ(ハーミッシュ)・マッカン → ヘイミッシュ・マッカン

テリエ・ボイェ・ハンセン → テリエ・ボイエ・ハンセン