スリコ:SULIKO:სულიკო(1895)
作詞:アカキ・ツェレテリ
(აკაკი წერეთელი, Akaki Tsereteli, 1840-1915)
グルジア民謡
以前、ここ でYouTubeに出ているメロディを紹介した『スリコ』ですが、
お約束通り、この曲について紹介しましょう。
まず、私がこの曲を知った経緯から。
民謡主題による作品集(FOLK INTO CLASSIC)
ONDYNE(ODE 766-2)1991
オストロボスニア室内管弦楽団(Keski-Pohjanmaan Kamariorkesteri)
指揮:ユハ・カンガス(Juha Kangas)
というCDには、フィンランドやエストニア等の作曲家の作品がオムニバスで
収録されていますけど、その中に
スルハン・ツィンツァーゼ
(სულხან ცინცაძე, Sulkhan Tsintsadze, 1925-1992)
の代表作である『弦楽四重奏の小品集』が収録されていて、
その中に『スリコ』が含まれていました。
話はズレますが、その小品集の中の『羊飼いの踊り』を、
私は1997年にロックミュージックっぽく編曲しました。
問題の『スリコ』ですが、思いっきりほのぼのしたメロディです。
でも実は、亡き兵士『スリコ』を恋人が偲ぶという内容です。
とてもそうは思えませんが。
元々伝承曲だったメロディに、
グルジアの偉大な詩人ツェレテリが詞を付けたのが
『スリコ』という事のようです。
でもロシア語版では、死んだのが女性の方になっていて、こちらの方が、
日本では馴染まれています。
恐怖政治を行った『スターリン』ではありますが、グルジアは彼の故郷です。
スターリンは『スリコ』を大変気に入っていたようで、
反戦的気分を引き起こすような歌詞なだけに、とても皮肉と言えば皮肉です。
グルジアは『反ロシア感情』が強く、
最近ロシア的な呼び名である『グルジア』をやめて
英語的な『ジョージア』と呼んで欲しい、
とグルジア政府が日本に要請してきました。
いきなりの変更も難しいと思いますが、
でもそれだったら、地元での呼び名である
『サカルトヴェロ』(საქართველო, Sakartvelo)
でいいんじゃないかと思うのですが・・・。
【参考】
【追記】
CD画像、ツェレテリの肖像画像追加
記事の題名に「ジョージア」の文言を追加(2018/3/7)