ハチクワガタムシ(2009.5.18)
アクリル・ケント・A4
以前、このシリーズ を紹介した時、このシリーズを思いついたきっかけについて
語っていなかったので、今回はそれを語ります。
1994年(22歳)に墨田区某所の大きな図書館へ行った時に、手塚治虫の、
主にカラーイラスト等が掲載されている大きな図鑑みたいな本が置いてあり、
その中に、彼が10代の時に描いたという自作の昆虫図鑑イラストが出ていたので、
それを見た瞬間に「如何にもいそうでいない贋作昆虫図鑑を作ったら面白いな」
と思ったのが、そもそものきっかけです。
実は、私の作品一つ一つは、見た感じはそれぞれに繋がりが見出せないかも
しれませんけど、意外と根底では繋がっていたりします。
いそうでいない中年男性を描いたオヤジシリーズ
を描く少し前の15歳頃から、
国語の教科書の余白に、スーパーリアルな実在しない人物像を描いていました。
も、言わばその音楽バージョンです。
要するに、独断と偏見で平均値を見出そうとする試みなのです。
でも、人によっては『普通』の基準が違うので、異論はあると思いますし。
その違いを人と比べてみるのも面白いと思います。
で、『情報への接し方シリーズ』というのは、
『贋作』であるという事を強調したものとなっております。
『オヤジシリーズ』を描いた時はよく、「この人誰?」とよく訊かれました。
でもモデルはいないので「誰でもありません」と受け応えしてました。
『情報への接し方シリーズ』の場合は、例えば昆虫を余り知らない人が見たら、
本当にその描かれた昆虫が存在するのだと信じてしまう危険性があります。
メディアの捏造報道問題がよく言われていますが、それを意識して作っているわけです。
このシリーズを考えた1994年時点でそれを意識していました。
今回も『昆虫』ですけど、何も昆虫に限っているわけではありません。
『偽動物図鑑』も描く予定です。
このシリーズを考えて15年も経って、ようやくエンジンが掛かって来たようです。
【関連エントリー】
大塚聰のお蔵出し(5)情報への接し方シリーズ(1994~)
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10247633668.html
大塚聰のお蔵出し(1)「オヤジシリーズ」
から気に入ったものを選んでクオリティ高いものに描きかえる
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10131611369.html
どこかで聴いた曲シリーズ(1988、1993年~)