最近ではお肌を守るためにシェービングジェル、シェービングクリームでお顔そりをすることが多くなりましたが
昔むかしは、石鹸でシェービングをすることが当たり前でした。
３０年前、東京のサロンで行っていた女性のお顔そりは
クレンジングなどは当時なかったので
最初にコールドクリームでお顔全体を軽くマッサージをして
スチームタオルで蒸して拭き取りをし
その上にシェービングカップで泡立てた石鹸をのせて半顔ずつお剃りしました。
石鹸は、のせたすぐから水分が蒸発するので
時間が経過すると痒みを引き起こします。
私に女性のお顔そりを教えてくれたお店の奥様は
右半顔剃ったらスポンジで拭き取り
左半顔にうつっていました。
そして、額に。
１本のうぶ毛の剃り残しもないよう
お顔表面を透かして見て、剃り直しもしました。
「一日でももつように」と奥様には言われ同じところを２回お剃りしていました。
全体をお剃りした後、スチームタオルで拭き取りをして
フェイシャルマッサージと、パックを行っていました。
今もありますリアル化粧品の酵素パックでした。
粉末のものを水で溶き、刷毛で塗布しました。
今ではありえないと思われている工程、内容ですが
それでも、お肌トラブルは起きませんでした。
何故でしょう。
剃刀が違うのです。
本剃刀の刃先は、このような形状です。
剃刀にも、いろいろなタイプがあり
私は女性のお顔そりには、↑のような刃先の剃刀が使いやすく好んで使っていました。
お化粧品は、今ほど種類もなく選ぶほどではありませんでした。
ですから、当時の理容師は自分の腕と剃刀の切れ味で
お客様にご満足いただけるシェービングができるように努力をしました。
職人の仕事です。
それしかなかったからです。
幸せなことに、私もその時代を知り経験をしています。
その後、替刃式の剃刀が登場し私たち理容師の仕事は大きく変化しました。
研磨をしなくても、切れ味の良い刃物があるのですから
そんな助かることはありません。
初めて替刃式の剃刀でシェービングをしたとき
なんの抵抗もなくスパっと切れることにビックリすると同時に怖さも感じました。
本剃刀で剃るときは、添て手の動きが重要で「添て手で剃れ」と言われていたのですが
替刃式の剃刀では、添て手がなくても剃れる・・・というか
あまり皮膚を張ってしまうと、刃の当たりが強くなりお肌を傷めてしまうことに。
大きな違いです。
その時から、「お肌への負担がない」ということが重要視されるようになり
「多少、剃り残しがあろうとも、痛くないシェービングが好まれる」というところへと展開しました。
私もいつしか、そちらに流れていったのです。
一番の理由は、本剃刀に常に良い刃付けができる研磨技術を持ちあわせていなかったこと、
そして、刃を取り替えればいつでも簡単にシェービングができるからでした。
ですが、どこかで
心のどこかで、何か違和感を感じ
あれやこれやと、化粧品を変えてみたり試行錯誤を繰り返していました。
そんな時、フローレーザーの良さを知り
「これだ」と思ったのです。
替刃の良いところを活かしつつ、本剃刀の優しさを実現してくれたフローレーザーでのシェービングは
女性のどんなに敏感なお肌でも、２回剃りをすることで
うぶ毛をとりのぞくだけでなく、お肌の肌理を整えることができます。
私がその昔、本剃刀で２回剃りをしたときと似た感覚です。
私がこうして言葉で説明するまでもなく、お客様が一番感じてくださっている仕上がりです。
マッサージでもなく、癒やしの空間でもなく
「剃る」ことで気持ちよさと眠りをご提供できる仕事です。
昔もそうでした。
私が勤めていたお店は、いつもラジオが流れ
当然個室などなく、隣の椅子ではバリカンを使う音や
おじさんの大きな話し声が響いていましたが
女性のお客様はみなさま、お顔そり中に眠っていました。
シェービングをする上での道具、剃刀が変化する中で
私は、自分がとても中途半端だといつも思っていました。
本剃刀を使いたくとも、常に安定的に鋭い刃が付けられるような腕もなく
サロン業務が忙しくなり、時間もとれない。
かといって、替刃でのシェービングも
切れすぎることの怖さを感じながらの仕事でした。
それは、本剃刀の柔らかな刃の当たりを知っていたからです。
そんな気持ちを持ちながら、技術者がそんな心持でいて
お客様に気持ちの良いシェービングを感じていただけるわけもなく
「これで私の仕事はいいの？」と思っていました。
替刃式の剃刀しか知らず、それが良いと思える人はそれで良いのです。
ただ、私は、昔を知っていたので違和感を感じてしまっただけです。
フローレーザーと出逢え
また、第二のお顔そり人生がスタートした気持ちでおります。
まだまだ進化していきます。
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Hair&Esthe Salon TRIM
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