私は、「10か0の人」らしいです。

自分でもそう思います。

やるとなれば(やりたいことは)とことんやるし

そうでないものは、まったくやりません。

極端な人間です。

ですから、「理容」という専門の道に進んだことは私にとって

とてもシアワセなことだったと、思っています。

 

 

ここ数か月、自分なりに頭の中を行ったり来たりするものがありました。

それが、昨日スーーーーっと、風が通るような

光が見えたような、そんな感覚を得

そして今日になり、フッと思い出されたことは30年も前の体験でした。

 

当時勤務していた東京のお店で、

女性のお顔そりに使うカミソリの刃の研磨を

夜な夜な、していたこと。

松本の実家に帰ってからも、研磨が得意な父に教えてもらい

カミソリに良い刃がつくように、ひたむきに取り組んだこと。

 

そして、その頃は女性のお顔そりには替刃は使っておらず

本レーザーだったので、必ず2回剃りをしていたこと。

本レーザーは、刃の当たりがとても柔らかいため、2回剃りをしてもお肌が荒れることはなく

お肌の肌理が整い、なめらかな仕上がりでした。

お顔そりの後に、マッサージを行っても全く問題はありませんでした。

それが当たり前でした。

 

そのうちに、替刃が登場し

研磨のいらない替刃を使うことが増え

いつしかそれが当然のものになっていきました。

安易に使える事と引き換えに、鋭い刃先によるお肌への負担を心配し

そーーっと剃ることばかり考えて仕事をするようになりました。

手首の柔らかさとか、微妙な刃角度などは二の次になりました。

 

替刃で剃ることによるお肌へのダメージを考慮して

「しっかり剃る」のいではなく、多少うぶ毛が残っていても構わないから

軽~く剃りましょう、という理論。

間違っていないけれど、もっと質の良いお顔そりがしたい、と思いました。

 

本レーザーを砥石で研ぐとか、私にはそれはもう無理ですが

でもそれに近い、お肌に負担がかからず

けれど、しっかり剃ることによって、お肌が潤うお顔そり。

それこそ、本物のやさしいシェービングだと思います。

 

昨日の講習を受けるまでは、2回剃りを施すことに

不安があり、とにかく1回できれいに剃ることばかり意識していましたが

腑に落ちて、納得できて、「これでいける!」と思えたので

今日からの私のお顔そりは、また一歩前に進むことができました。

フローレーザー以外の替刃で2回剃りをしたら、お肌はボロボロになります。

してはいけません。

 

私の、この年になって

また再び、初心にかえる思いを抱くことができるって

なんてありがたいことでしょう。

 

良い仕事をして、大切なお客様に喜んでいただきたいです。

成長過程の私です。