アリス・ベイリーの作品の中で、「リーダー」という言葉はほとんど出てきません。
しかし、弟子であることは、見習いの段階も含め、人類を新しい方向に導いていく奉仕の仕事に携わるわけですから、多くの場合、必然的にリーダー的な立場に立たされることになります。
自分がリーダーになりたいから、ということでリーダーになるわけではなく(もちろん、「統合したパーソナリティー」になれば能力もアップし、その分、当然のこととしてプライドも高まりますから、リーダーになりたいという思いも強くなって当たり前ですが)、
正しく弟子道を歩んだ場合には、無執着で働くことによって、さらに大きな奉仕の場に導かれ、自然とリーダーとして押し出されていく形になるはずです。
それまでリーダーを務めたことがない人が、そういう慣れないポジションに着いた場合には、最初は戸惑うことになりますが、その際、押さるべきポイントは次のような点だということです。
・まず最初に孤独を学ぶこと、そして、次の課題として、
・進んでいく方向に対する明確なヴィジョンをもつこと
・正しい釣り合い感覚を身につけること
・統合の精神を発達させること
・批判の精神を慎む
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リーダーは孤独を学ばなければならない。
十分に愛しているならば、できるはずである。
すべての真のリーダーが学ばなければならない課題は何であろうか・・・
最初の課題は、ヴィジョンという課題である。
あなたの目標は何ですか。
あなたの目的にしっかりと、そして目標に正確に向かわせることができるほど強い霊的刺激は何ですか。
誰もあなたのためにヴィジョンを系統立てることはできない。
それはあなた自身のパーソナリティーの問題である。
あなたが何を行い、あなたが何になるかは、ヴィジョンの強さ、あなたが想像力を用いて描いた絵の美しさによって決まる。
第二の課題は正しい釣り合い感覚の発達である。
正しく発達させ正確に適用したとき、それは道を謙虚に歩むことを可能にする。
真のリーダーは謙虚以外の何ものでもありえない。
なぜなら、彼は自らの仕事の大きさを認識しているからである。・・・
第三の課題は統合の精神の発達である。
これはあなたの影響範囲にすべてのものをあなたが包含し、あなた自身よりも偉大な方々の影響範囲内にあなたが包含されることを可能にする。
こうしてハイラーキー[階段状組織]の鎖は確立される。
以上のことから実際に生じるもう一つの課題は、批判の精神を慎むことである。
なぜなら、批判は障壁と時間の損失を生じさせるからである。
分析しその分析を実際に応用する能力と批判の精神を区別することを学びなさい。・・・