いざアメリカ合衆国へ上陸せり | 大ぼら一代番外地

いざアメリカ合衆国へ上陸せり

爆弾低気圧を凌がん超弩級春嵐の襲来が予報されれば、雨は既に今朝より降りて、次第に風も吹き始め、果たして今夕のフライト無事離陸し得るや、大いに懸念されるばかりにして、況して明日は春嵐愈々本番と伺えば、今夕フライト叶わぬ場合、明後日まで延期となるは明白、然れば何としても今夕中に飛ばねば、明後日に控えるツアー初日「LA Psyche Fest 2013」出演もキャンセルせざるを得ぬ始末、斯くなる場合こそ、図々しくも、只管神仏の力に縋らんとするばかり。
小雨降り頻る中、大阪アジトを出発、関空へ到着すれば、フライトキャンセルの兆し皆無にて、漸く安堵せり。チェックインも無事済ませ、然れば2階のフードコート「町家小路」へ突撃、廻らぬ寿司屋「すし処 ほんまもん」にて「生ビール+3種盛り合わせ」何れも美味にして大いに堪能、これにていざ出国せん。

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午後4時50分発United航空SanFrancisco行きに搭乗。離陸を待たずして即寝成仏、ドリンクサービスの気配にて目覚めれば、機内食はチキンを選択、鶏の唐揚げやらあれこれ、無難な塩梅にして然して問題なし。前日に成田より渡米されし東君曰く、酒類全て有料たりしとの事なれど、取り敢えず私が搭乗せし関空発San Francisco行きの便に関せば、ウイスキーこそ有料なれど、ビールやワインは無料なりけりて、私も毎度の如く「トマトジュースと赤ワイン」を所望、勿論無料たりし。成田発便はパーソナルテレビ搭載と伺えば、こちとら旧態依然とせし共同スクリーンにして、然ればこれにて相殺されしか。せやけどホンマかいな?

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機内にて映画鑑賞すれば、1本目はアンディー・フィックマン監督作品「パレンタル・ガイダンス(原題:Parental Guidance)」あのベッドミドラーも出演されれば、コネティカット州の小学校にて発生せし銃乱射事件の影響が考慮され、プレミアが延期されし作品なり。なかなかシュールなコメディー作品にして、時折思わずにんまりさせられし次第、ラストの大団円にては、ハリウッド映画の御約束とは重々知りつつも、思わず目頭熱くさせられし有様、率直に大衆娯楽作品として、充分に秀作ならん。
2本目はアンドリュー・アダムソン監督作品「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語(原題:Cirqui du Soleil : World Away)」Las Vegasの常設ショー等をフューチャーせし迷宮ファンタジー。素晴らしきエンターテイメントぶりに、大いに感激すれば、作中の舞台たるサーカスへ、是非足を運びたしとの思い募るばかり、アングラの極みたりし寺山修司の見世物小屋的世界が、ハリウッドやべガスにて、世界最高級エンターテイメントとして洗練昇華され転生せしが如し。然ればこそ、時折カメラアングルや編集具合に、大いなる疑問や、不平不満が湧き出す始末なれど、それこそハリウッド映画なればこそか。
3本目上映まで、何故か数本のテレビ番組が流され、ホットサンドウィッチなる朝飯が配膳されれば、漸く3本目たる「ヒッチコック(原題:Hitchcock)」上映始まれど、例のシャワーシーン撮影に差し掛かるや、不条理にも着陸体勢に突入、斯くしてスクリーン格納され、結局エンディングまで観れず終いとは是如何に。そもそもしょうむないテレビ番組なんぞ流せへんかったら、余裕で最後まで観れたんちゃうんけ!結末は不明の儘なれど、然れば後日、金を払いて今一度観んとは思われず、ほならまあええか。

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午前10時20分頃、無事San Francisco空港に到着せり。無事入国も果たせば、午後1時10分発United航空Los Angeles行きに搭乗、機内にて爆睡すれば、無事Los Angelesへ到着せり。我等が神ことツアーマネージャー兼ドライバーJustinが迎えに来て下されば、彼の知人宅に既に到着されし他のメンバーと合流、出発時の春嵐襲来が大いに懸念されれど、私以外なる成田出発組御一同も無事到着されしものなり。
大いに空腹なれば、出発前に、残りごはんをラップに包み、激安スーパー玉出に立ち寄り「鰯梅フライ」3枚98円也を所望、ハバネロソースを施し、これまたラップに包み、弁当として持参すれば、いざ食らわん。いやはや異国の空の下にて食らうスーパー玉出惣菜、日頃以上に美味に感ぜられれば、然もありなん。

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アメリカには、昨年2本のギターを置いて帰れど、メインに使いしは、最後のライヴにてヘッドにひび割れ生ずれば、今回新たに1本持参せり。ギターケースにて持参せんとすれば、折角の無料受託荷物2個の内の一枠を、たかがギターケースにて償却せし羽目となる故、敢えて解体しスーツケースに収納、然ればスーツケース2個にて預け得る次第。これも長きに渡る海外ツアー生活より、自ずから生まれしアイデアに他ならじ。

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今宵は、これまた嘗て幾度も御世話となりし、Pasadenaの映画館の2階に投宿せり。ここは、我々と幾度か共に北米ツアー敢行せしギタリストJassoが率いるバンドのひとつ、AntarcticansのギタリストGuyが務める映画館にして、2階には彼等のレコーディング・スタジオが構えられればこそ。

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こちらは映写室。今や映写技師なんぞ皆無にして、全てコンピューター制御なり。

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壁に貼られしは、David Lynch本人の署名入り「マルホランド・ドライブ(原題:Mulholland Drive)」上映に際する指示詳細なり。

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私と東君は、Jassoの誘いにて、彼の知人なる女性美術家の個展へと赴けど、無料にて酒に有り付くべしと、全く以て邪なる思い抱けばこそ。

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Jasso宅へ立ち寄れば、彼のギターコレクションを拝見させて頂きし。写真の1本は、彼が改造製作せし「折り畳み式ダブルネックギター」にして、接合部分が蝶番にて繋がれておれば、丁度半分に折り畳み得る仕組みなり。このアイデアには、座布団1枚献上させて頂かん。

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彼と美人妻は愛犬家にして、ドッグフードを見れば、何と「牛レバー」なり。そもそもアメリカ人は、内蔵系なんぞ殆ど食らわねば、飼料や肥料とされるが常なり。

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久しくMainlinerの熱狂的ファンたる彼なれば、何とMainlinerの海賊盤LPを所持されるも当然、メンバーたりし私でさえ初めて御目に掛かる代物、Real Cool Recordsなるレーベルよりリリースされし100枚限定のレア盤なり。

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さて投宿先たる映画館へ帰還せんとすれば、Jasso達っての提案にて、全米ハンバーガー・チェーンに於いて皆にベストと云わしめる「in-N-out Burger」へ立ち寄り、みつるちゃんへハンバーガーを土産に購入、東君も購入されれば、真夜中にも関わらず、2人して貪り食らわれし有様、況してみつるちゃんは大人気商品「Double Double」をぺろり完食、大いに御満悦なり。然れば明日は、是非とも節制されたし。

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Jassoが持参せしテキーラを呷れば、みつるちゃんは愈々スパーク、Jassoと大いに意気投合されしか。

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映画館と云えばポップコーン、然れば1階売店前には、本日売れ残りしポップコーンが放置されし様にして、Guy曰く「Free(無料)」斯くして膨大な量たるポップコーンをアテに、テキーラを飲み倒すのみ。

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Justinがビールを用意下されば、

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先程巨大バーガーを平らげしばかりなるみつるちゃん、今度はポップコーンを貪るのみ。

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私は、日本より持参せし「黒豆納豆」を召喚、これをアテにビールを呷らん。

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ドラマーなればこそか大食漢なる兄ぃは、何やら夜食にラーメンの類い拵えられ、ひとりほくそ笑まれつつも貪られる次第。

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斯くしてアメリカ上陸初日、Pasadenaの夜は更け行きし。