山口情報芸術センター【YCAM-ワイカム】 | ぺぺのブログ

山口情報芸術センター【YCAM-ワイカム】

メディアアートと言った言葉が日常を飛び交うようになりましたが、実態はなかなか理解できない分野かと思います。

山口市にあるYCAMは、創設から10年を迎え、日本中、あるいは世界中からも注目を集めている施設と言っても過言ではないかもしれません。
建築家、磯崎新の作品です。もともとが、市街地中心部にできた大きな空きスペース(県立体育館および高等学校移転跡地)を再開発するべく山口市が10年以上の年月をかけた巨大な事業でした。着工前からプレ事業として市民向けの展覧会やワークショップが行われメディアアートの紹介などで機運を盛り上げようとしましたが、折からの市の財政難、また余りなじみのないメディアアートという分野も反発を招いたことから山口市長選挙の争点となり、建設凍結を掲げた候補が当選したことで、マスコミの注目を集めたことで記憶している方も多いかもしれません。しかし、事業への市民参加など話し合いをすすめてオープンしました。県庁所在地とはいえ、平成の大合併前は人口15万人弱くらいであった規模からするとかなり画期的なことだったと思います。

現在は市立図書館としてにぎわうほか、坂本龍一氏を芸術監督に招聘したり、メディアアートや現代美術の企画展、市民の美術発表の場、演劇上演やワークショップ、ミニシアターとして映画上映などが行われていると聞いています。今回訪れた際は、映画上映があったものの期待していたワークショップなどを見ることはできませんでした。

地方都市の芸術、文化、あるいは産業や観光分野などに大きな影響を与えている事業として定着しているようです。ただ、どこの都市でも定着できるわけではなく、室町時代に大内文化が花開き、西の京と呼ばれたような歴史・分化的な背景のなか、雪舟から始まり近代の中原中也、種田山頭火などの文化人を輩出した都市であるということも基軸にあることを忘れることはできないと思います。

 ■銘板

■外観


 ■図書館