5月22日にイギリスのマンチェスターで行われたアメリカ人歌手アリアナ・グランデさんのコンサートで,自爆テロ事件が発生し,幼い少女を含む多くの方の命が失われたことは,先日の記事でもお話したところです。

 

 

 

先日の記事でもお話しましたが,人の歴史は争いの歴史です。銅器,鉄器,剣,拳銃,爆弾へと用いられる武器が変化し,科学技術の発達に伴い,争いの規模が拡大し,それに伴って被害者の数が増えたのです。そこでは「人と人が争う」という争いの構図に変化はなく,「人と人が争った結果,必ず被害者が出て,必ず悲劇が起きる」という結果も,何ら変化していないのです。

 

 

 

イギリスで起きたテロ事件は,その構図が21世紀に至っても何ら変化していないことを,改めて感じるものでした。でも,その悲劇の後,私が目にしたのは,テロ事件が発生したコンサートに出演されたアリアナ・グランデさんが,事件の起きたマンチェスターで,被害者と遺族のためのチャリティ・コンサートを行うことを発表した,というニュースでした。

 

 

 

恐怖や責任など,さまざまな思いを持たれているはずのアリアナ・グランデさんが,あえて自ら事件が起きた地で,チャリティ・コンサートを行うことを決めたことに,深い共感を感じたのは,決して私だけではないのではないでしょうか。

 

 

 

亡くなられた方への思いと,そして私達の社会はテロに決して屈しないのだ,という決意を示すために,あえてアリアナ・グランデさんは再びマンチェスターに向かうことに決めたような気がしています。

 

 

 

冒頭で申したように,人の歴史は争いの歴史です。それは,人は決して完全ではないことを示しています。

 

 

 

でも,確かにこの世に完全な人はいなくても,その不完全な人間が力を合わせ,思いを合わせることで,少しずつですが社会は変わっていくものだと思います。そう信じたいと思います。

 

 

 

本当は,コンサート当日に私もマンチェスターに参り,人々の思いを共感し,共鳴したい気持ちでいっぱいです。おそらくそれは難しいと思いますが,せめて気持ちの上で,当日世界中の人々が願うであろう平和への思いに,私の思いを重ねたい,と思っています。