多くの方が読んでくださっている,この「弁護士作花知志のブログ」の記事が,ちょうど1000個目となりました。



そもそも「弁護士作花知志のブログ」を始めたきっかけは,裁判員裁判制度の施行にありました。ある裁判員の方のインタビューに,「裁判員に選ばれて法廷に行くことになった。悪いことをした人に刑罰を科すのだと思っていたら,法廷には『弁護人』という人がいて,『被告人には良い面があります』と言っている。『彼は何をしているのだろう』と思った。」という内容のものがあったのです。



このブログでも何度かお話しましたように,司法権が法曹三者制度,つまり検察官・弁護人・裁判官がそれぞれ違う光を,社会で発生した問題に対して当てること初めて判決という,社会による評価を出せるようにしていることは,「この世には完全な人は存在しない」という,人類が長い歴史を経てたどり着いた,とても悲しい現実を前提にした制度です。



ですので弁護人は,どんなに社会が怒りを覚えるような被告人であっても,精一杯その被告人にとって最も良い光を,その事件に当てるのです。弁護人が力を抜いてしまえば,異なる光が三方向から当たることがなくなってしまい,結局社会が求める判決の姿ではなくなってしまうからです。



この「弁護士作花知志のブログ」を始めた頃は,そんな法曹三者制度のお話や,「人権を保障するということは,社会には多数決では決められないことがある,ということです」という人権理念についてのお話をいくつかした後で,もう「ブログ」そのものが終わるのではないか,と思っていました。



ところが,予想以上に多くの方が読んでくださり,また予想以上に多くの方からのコメントなどの反響をいただくこととなり,「弁護士作花知志のブログ」は,開始から約5年経た今日,とうとう1000個目の記事をお送りしていることになります。



先日もお伝えしたのですが,この「弁護士作花知志のブログ」が本になることになりました。これも,多くの方々が支えてくださったおかげです。本の出版の予定も,当初よりも早くなりそうで,年内か年明けにはお届けできるかもしれません。



今後も,これまでと同様に,そしてさらに多くの方々の心に届くようなメッセージを,人類が歴史を超えて法に込めた理念を通してお送り続けたいと思っています。



今後とも「弁護士作花知志のブログ」をよろしくお願いいたします。