私が担当させていただく予定の憲法訴訟があります。栄養士資格を取得できる九州の公立女子大学が,栄養士資格を取ることを希望している男性の出願を「大学は女子大であり,受験生は男性であるから」という理由で不受理とした処分が,性別による差別を禁止した憲法に違反しないか,という点が争点となる予定の訴訟です。



訴訟につきましては,マスコミの方々にご紹介いただいております。以下ではそのうちの山陽新聞社の記事(2014年11月15日付のもの)の一部を引用させていただきます。ご紹介いただいた各社の方々,ありがとうございました。



訴訟の意義などにつきましては,今後,このブログでもお伝えしていく予定です。よろしくお願いいたします。



「『公立女子大は性差別』と提訴 福岡の男性,願書受理求める



男であることを理由に女子大への入学を認めないのは性差別で,法の下の平等に反して違憲だとして,福岡県内の20代男性が,公立大学法人(福岡市)に入学願書の受理などを求める訴訟を福岡地裁に起こすことが11月14日,関係者への取材で分かった。



男性が望む栄養士の資格を取れる国公立大は同県内では同大だけで,公立として公平性が求められると主張。米国では同様の訴訟で原告の主張が認められているという。



原告代理人の作花知志弁護士(岡山弁護士会)によると,公立大が性別によって入学資格を制限することの是非を問う訴訟は国内では初めて。



訴えなどでは,管理栄養士を目指す男性は同大入学を希望し,昨年と今年,2年続けて入学願書を出したが,同大は『男性の願書は受理しない』と通知。福岡県内に栄養士の資格が取れる私立大はあるが,同大に比べ学費が4年間で約250万円高いため,入学するのは経済的に難しく,管理栄養士の夢を諦めざるをえない状況だとしている。



米国では男性がミシシッピ州立女子大看護学校への入学許可を求めた訴訟で,連邦最高裁が州の就学制限を違憲とした判例があり,原告側は主張の根拠の1つとする。



作花弁護士は『教育現場の性差別撤廃を求める国際条約にも違反。今日において公立大に女性のみの入学が許される憲法上の根拠はない』と主張。同大は『次世代を担う女性のリーダー育成を目的に開学して以来,女子教育に特化している。訴えについては把握しておらずコメントできない』としている。



女子教育の歴史に詳しい梶井一暁・岡山大准教授は『公立女子大はもともと,男性に比べ教育を受ける機会が乏しかった女性の救済などが目的。男性の訴えは,時代の流れの中で変遷している女子大の意義をあらためて問うものだ』と指摘している。・・」