2.先延ばし行動と楽観傾向及び悲観傾向との関連
[目的]大学生の学習課題の先延ばし行動とパーソナリティ特性の関係性を明らかにすること。
[方法]1回生開講の講義科目を受講する大学生67 名を対象とし、学習態度、先延ばし行動の原因、楽観主義及び悲観主義、課題先延ばし行動傾向のそれぞれを捉える尺度で構成された質問紙に基づく調査を実施。
[結果と考察]楽観主義尺度への回答傾向から、パーソナリティ特性を4群に分類し、課題先延ばし行動傾向の程度を相対的に比較した結果、群間の先延ばし行動傾向に差が見られた。次に、各群の学習態度を検討した結果、課題先延ばし行動傾向の高い「高楽観高悲観群」は非好意的傾向にあり、課題先延ばし行動傾向の低い「高楽観低悲観群」と「低楽観高悲観群」においては、好意的傾向にあることが明らかとなった。また、先延ばし行動の原因についても、群間に差異が示された。これらの結果から、大学生の学習課題における先延ばし行動とパーソナリティ特性との関連が明らかに思われた。