花のトンネル「ミツバツツジ」を求めて 新燃岳へ | よし子ちゃんの 九州・福岡・鹿児島 + 北海道 レポート

花のトンネル「ミツバツツジ」を求めて 新燃岳へ

♪ はなはきりしまぁ~♪ たば~こはこくぶぅ~~♪ と、
「おはら節」にもあるとおり霧島は花の山である。今回はその中でも、山好き花好きなら「一度は見ておけ!」とも言われる、「キリシマミツバツツジ花のトンネル」が出来る新燃岳をご紹介しましょう。

ダイナミックな霧島縦走コースの一部ともなっている新燃岳(1,421m)は、山頂にエメラルドグリーンに色を染める火山湖をたたえる美しい山だ。春はミツバツツジ、秋は紅葉のトンネルとなり、沢山の登山者を魅了する人気の山だ。この山にはいくつかの登山コースがあるのだが、今回はミツバツツジをこれでもかぁーというくらい楽しめるという新湯温泉からのコースから登ってみました。

新燃荘   新燃岳
 左:新燃荘(新湯温泉)  左:新燃岳案内看板  (写真はクリックすると大きくなります)
霧島川   もみの木
 左:霧島川徒渉点  右:新芽の生えてきているモミの木  (写真はクリックすると大きくなります)


この日は雨模様だったのだが、花は時期を外すとすぐに散ってしまうこと、意外にも小雨くらいの天気の方が大気中の浮遊物が減るためか、はたまた水滴がキラキラと反射して植物が綺麗に見えることから、カッパを着ての登山となった。 (この法則は、雨の中のアルゴンキン国定公園(カナダ) で身をもって体験したことから出来た)

新湯温泉を11:45スタート、平坦な林道を約1時間、途中に咲く少し終わりかけのフジの花を見ながら歩くと、このコースの約中間地点になる霧島川徒渉点に12:40に到着。なんとなくたよりない細い2本の丸太の橋が掛けられていて、慎重に渡った。大雨の日はこの川を渉るのは無理なのだそうだ。

ここからは少しだけ勾配もきつくなってくる、そしてツツジらしい植物がチラホラ咲いてきだす。とはいってもこれは今回の目的のミツバツツジではなく、5月末くらいに霧島を覆い包むであろうミヤマキリシマだ。「次はあんただよ!ムフフ」なんて不吉な笑みを残しつつ、目的のトンネルへと向う。

ミヤマキリシマ
 咲き待ちのミヤマキリシマと韓国岳

霧島川徒渉点から歩くこと2~30分くらいたっただろうか。遠くの森がピンクがかって来る。そうこれこそが噂に聞いていたキリシマミツバツツジの花のトンネルだ。その場所は頭上に咲き乱れるピンクのツツジと、足元には散った花びらがピンクの絨毯のように森の中を鮮やに染めていた。この花のトンネルは、新燃岳山頂付近まで続いている。こんもりと茂り花を付ける街中のツツジとは違い、背が高くシューっとした幹に、葉数の少ないミツバツツジは花を見せるがため、花のトンネルを作るために咲いているようでもあり、なんとも不思議な世界だ。

キリシマミツバツツジ   キリシマミツバツツジ

キリシマミツバツツジ   キリシマミツバツツジ
 キリシマミツバツツジのトンネル (写真はクリックすると大きくなります)

やがて周辺の木々はキリシマミツバツツジから背の低いミヤマキリシマに変わっていき、そして崖下にエメラルドグリーンに輝く火山湖をたたえる火山縁にたどり着く。どうやらこの辺りが新燃岳山頂になるようだ。

高千穂峰
 中岳と高千穂峰
 
この日は雨模様ながらも、遠くに、高千穂峰、韓国岳(カラクニダケ)、獅子戸岳と霧島連峰の山々を望むことができた。そして思惑通り雨により大気は澄み渡り、草葉はキラキラと輝いていた。

新燃岳火山湖と韓国岳
 新燃岳火山湖 と 韓国岳(カラクニダケ)  (写真はクリックすると大きくなります)

この新湯温泉~新燃岳~新湯温泉コースは、歩く距離はやや長めではあるが急勾配はほとんどなく登山のあまり得意でない人でもそんなに苦労せずに登ることのできる山だろう。すでにキリシマミツバツツジのシーズンは終わってしまっているだろうが、いつの日か、このなんとも言えない花のトンネルを歩いてみてほしい。

◆ご参考まで◆

新湯温泉 11:45
 ↓
霧島川徒渉点 12:40
 ↓
新燃岳鞍部 14:00
 ↓
新燃岳頂上 14:40
(食事)
下山 15:00
 ↓
鞍部 15:30
 ↓
新湯温泉 17:20

総歩数:22782歩