原油相場は4営業日振りに反落です。高値・安値共に前日水準の範囲内で、出来高も乏しい小動きの展開に終始しました。

5月13日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比49セント安の$46.21/bblで、引け後の時間外取引は$46/bbl台前半です。

OPECの5月月報によると、2016年の世界の石油需要見通しは日量9,418万バレルで前月の予想から横ばいです。2016年のOPEC原油を除く世界の石油供給量見通しも日量5,640万バレルで前月の予想水準と変わりません。

二次ソースによる4月のOPEC加盟13か国の推定産油量は日量3,244万バレルで前月比同19万バレル増加です。世界の総供給量推定は日量9,534万バレルで前月比同2万バレル増ですから、非OPECの供給量が同17万バレル減った勘定となります。

OPEC160514

OPEC推定による今年第2四半期のOPEC原油必要量は日量3,090万バレルですから、4月の産油量は必要量を同150万バレル上回っていることになります。
一方、第3四半期の推定必要量は日量3,270万バレルで、足下の生産水準では若干の不足になる見通しです。

イランの供給量が予想より早く回復しつつあり、ナイジェリアの供給障害もそう長期化はしないでしょうから今年第3四半期に供給不足となることはないでしょうが、その他のOPEC加盟国やロシアなどに大きな生産余力はなく、リビアの生産回復の見通しは立っていません。
イランも制裁前の水準に戻した後の新規開発は遅れ気味のようです。

今月の月報ではIEA やOPECが前月同様に今年後半の世界の石油需給均衡を予想しており、EIAも需要予測を上方修正して全体に強気な内容となっています。

一方、北米のシェール オイル生産にはまだ変化が現れていません。
ベーカー ヒューズによると、5月13日時点の米国の油井リグ稼動数は318基で8週連続の減少となりました。

USRig160514

WTI 相場が$40/bbl近辺に回復したのは3月中旬ですから、反映にはもう少し時間がかかるということでしょう。

引け後に米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表した5月10日時点の建玉報告では、ヘッジファンドによるWTI 原油先物の買い越し幅は前週比9.9%減で2週連続の縮小です。5週振りに20万枚大台を割りました。

 (参考図表)

買い玉に大きな変化はなく、売り玉が増えているのが特徴です。
総取組高は前週比1.4%減で、3週振りに減りました。

2016/5/13
NYMEX WTI Jun: $46.21/bbl ( -0.49 )
20日移動平均: $44.00 ( +0.23 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $47.44/ -2σ: $40.56
 幅: $6.88 ( -0.47 ) / 100日平均: $8.76
ボラティリティ
 34.09 ( -1.56 ) / 100日平均: 56.64

にほんブログ村 先物取引ブログへ