原油相場は小幅反落です。高値を$101/bbl台後半に伸ばし終日$100/bbl大台を超えて推移しましたが、ドル高に圧されて今ひとつ伸びきれませんね。

2月14日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比17セント安の$100.74/bblで、引け後の時間外取引は$101/bbl台後前半です。

ドイツの景況感調査が予想以上の改善だった一方、米国の小売売上高はまちまちとなっています。
米国の石油需要は引き続き低調で、需要面からWTI 相場が支えられる可能性は低くなっていますね。

マスターカードの調査によると、先週の全米のガソリン消費量は日量801万バレルで前週比3.1%減と2週連続でマイナス、前年比は5.4%減で24週連続のマイナスとなっています。

 (参考図表)

イスラエルとイランの緊張は引き続き原油相場の下支え要素です。タイでイラン人の男が爆発事件を起こし、インドやグルジアのイスラエル大使館へのテロ事件との関係は不明ですが、イスラエルは批判姿勢を強めています。

また、サウジアラビア東部の油田地帯でのシーア派反政府勢力による活動も、再び活発化の兆しがあるようです。

 ■ Gunfights in Saudi Oil Province Show Iran Tensions Spreading Among Shiites (Bloomberg)

サウジやバーレーンなどペルシャ湾岸のイスラーム教スン二派国家にもシーア派系住民の数は多く、アラブの春の民主化運動に刺激されて反政府運動を活発化させてきました。バーレーンでは昨年、混乱が高じて周辺国が治安部隊を派遣して沈静化させましたね。

サウジなどはシーア派住民による反政府活動をシーア派大国のイランが扇動していると見て、暗に批判を続けています。シーア派系住民はイランに近い湾岸地域に多く住んでおり、油田地帯と分布が重なるので厄介です。

産油国らは改革案を示すと共に原油価格上昇による増収でばら蒔き政策を行い、民主化運動が過激化することを防いできましたが、イランの工作が現実のことなら展開が気になりますね。

また、シリアはほぼ内戦状態と伝えられます。
リビアやイランと違ってシリアの内戦やアサド政権の崩壊などが中東の原油供給に与える影響は大きくありませんが、アサド政権が崩壊したらエジプトと同様にシリアにもイスラーム宗教色の強い国が民主的に誕生する可能性が高く、イスラエルがどう対処するのかも気がかりですね。

2012/2/14
NYMEX WTI Mar $100.74/bbl ( -0.17 )
20日移動平均: $99.18 ( +0.16 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $101.58 / -2σ: $96.77
 幅: $4.81 ( +0.01 ) / 100日平均: $10.97
ボラティリティ
 16.77 ( -1.38 ) / 100日平均: 30.97

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