+ 友人の話。 「普通」って何。
子供の頃、2歳年上の友達に、ミカちゃんというちょっとだけ変わった子が居た。
子供の私が感じた「変わった所」は、ミカちゃんは早口で声が高くて大きめだったこと。だから一緒に歩いたり遊んだりしていると、よく周囲の人に振り向かれた。
顔と雰囲気は、大草原の小さな家のローラそのもの。ちょっと夢見がちで宙を見る一途な目と、半開きの口。でも見た目はイケてたと思う。何ってったってローラだ。
だけど大人の目から見ると、ミカちゃんは「かなり変わってる」部類に入ったのだろう。
教育ママの多いお受験校だったからか、同級生の一人の親が「足手まといになるから養護施設に入れて欲しい」と他の父兄も居る中で担任に抗議した事があったらしい。私が知っている範囲内では、ミカちゃんはお勉強は普通に出来た。だから足手まといになったとしたら集団行動が苦手な部類だったのかも知れない。
抗議した側の親子もよく知っている。子供の方は早熟で器用な子で、そこそこ可愛くて何でも中の上くらいにこなすタイプ。そしていつもボスになるタイプ。ボスになるタイプって大抵「中の上」であって、「上」じゃないよね。
現在では
ミカちゃんは最高学府を出た後、一流企業で技術職をガンガンやってる。でも相変わらずマイペースなんだろうな。
抗議した側の娘さんは、ごく無難な公立大学を普通に出て、26そこら(平均的な年齢より少し先取り)で結婚後専業主婦。
多分、未だに公園とかPTAでボスをやってるんだろうな。
実際、ミカちゃんには、今で言えばアスペルガーなり注意欠陥なり多動なりのオプションがついていたんだとは思う。その意味では抗議した側の親子の言う通りかもしれないけど。
でも。ミカちゃんがあの時、養護施設に入れられてたら・・・と思うと、今でも恐ろしさと憤りを感じる。そして、今までもこれからも居たであろう、ミカちゃんみたいな子の事を考えてしまう。
ええとね。独身and子供も勿論居ない私が言うのもおこがましいかも知れないけど。
世の中風通しが良くなって「普通かく在るべし」とか色んな病名や犯罪者の特徴がいっぱい聞こえて来るけど。
ミカちゃんみたいな子も居るから、安心して。で、ミカちゃんみたいな子の可能性を奪わないで。
と、ネットサーフィン中にミカちゃんの話がしたくなったわけなんだな。