◎ゴスペラーズ：アダルト＆アーバンなクラブ・ライヴ

◎ゴスペラーズ：アダルト＆アーバンなクラブ・ライヴ

【Gospellers : In Urban & Adult Mood】

余裕。

現在メジャー・デビュー20周年目を華麗に疾走中のゴスペラーズが、昨年に続き六本木のライヴ・ハウス、ビルボードライブ東京でコンサートを行った。通常の3時間超の全国コンサート・ホール・ツアーに比べるとコンパクトなパフォーマンス。それだけにベストのベストを凝縮した80分になった。

今回もバンド編成もライヴハウス・シフトで笹路正徳（キーボード）を中心にしたヴェテラン・バンドで固めている。

黒の光沢あるスーツで登場した5人はいきなり「愛のシューティング・スター」で粋なソウル・ステップを見せながらパフォーマンス。最近のこのソウル・ステップの充実度は、やはりまもなく10周年を迎えるイヴェント『SOUL POWER』の流れからのものか。

5人組ソウル・ヴォーカル・グループというと僕はまず何よりテンプテーションズを思い浮かべてしまうが、このゴスペラーズもそれぞれの声質とハーモニーのヴァリエーションから日本のテンプスかと錯覚してしまう。低音を歌うときの北山さんはテンプスのメルヴィン・フランクリンだ。ｗ

会場ゆえかジャジーなアレンジの曲も、ぴったり。そしていくつかの洋楽カヴァー曲も。

珍しい選曲が4曲目の「イット・シュドヴ・ビーン・ミー」という曲。1980年代後半にニューヨークをベースに活躍したR&Bグループ、ファミリー・スタンド（リード・ヴォーカル、サンドラ・セント・ヴィクター）が1998年に出した『コネクテッド』というアルバムに収められている1曲。しっとりとしたバラードが酒井さんリードで歌が進む。なかなかいい曲だ。

ほかにフィフス・ディメンション（ここではメイＪさんがいらっしゃってます、風なMCで一瞬沸いたが、いらっしゃってませんでした）、ブルーノ・マーズ、スティーヴィーと、いずれをカヴァーしてもゴスペラーズらしさがでてゴスペラーズのものになっている。

200曲以上あるレパートリーからこの12曲を選んでセットリストを作るというのはかなり大変だと思うが、こうした短いヴァージョンでも起承転結つけてうまくまとめるところはさすが。余裕という感じ。

66本の全国公演からのビルボードライブ・ツアーが終わると、いよいよ来月は10周年を迎える『SOUL POWER』だ。

■セットリスト
Setlist : Gospellers August 24, 2015
[ ] denotes original artist

Show started 18:30
01. 愛のシューティング・スター
02. 　Blue Birdland
03. Up, Up And Away [Fifth Dimension]
04. It Should’ve Been Me (That I Love You) [Family Stand – 1998]
05. Just The Way You Are [Bruno Mars]
06. 　ウィスキーがお好きでしょ　（アカペラ）（一節）
07. こういう曲調好き　（アカペラ）
08. 　永遠（とわ）に　–unplugged live version-
09. Reflections
10. いろは2010
11. 　Isn’t She Lovely [Stevie Wonder]
Enc. 夏風
Show ended 19:50

■ メンバー

北山陽一 / Yoichi Kitayama(Vocals)
黒沢薫 / Kaoru Kurosawa(Vocals)
酒井雄二 / Yuji Sakai(Vocals)
村上てつや / Tetsuya Murakami(Vocals)
安岡優 / Yutaka Yasuoka(Vocals）

笹路正徳 / Masanori Sasazi（Piano）
本田雅人 / Masato Honda（Saxophone）
坂田学 / Manabu Sakata（Drum）
山口周平 / Shuhei Yamaguchi（Guitar）
川崎哲平 / Teppei Kawasaki（Bass）

(2015年8月24日月曜、ビルボードライブ東京、ゴスペラーズ・ライヴ)
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