◎ジョン・スコフィールド・ライヴ~あらゆる音楽要素を取り込んで | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ジョン・スコフィールド・ライヴ~あらゆる音楽要素を取り込んで

【John Scofield : Melting Pot Of Music】

メルティング・ポット。

人気ギタリスト、ジョン・スコフィールドのウーバー・ジャムとしてのライヴ。以前、東京ジャズあたりで見たのかはっきりしないが、見たとしてもかなり久々のライヴ。

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最初に驚いたのが、セットリストがファーストとセカンドでまったく1曲もダブらないということ。そして、ブルーノート3日、コットン・クラブ1日の計4日8セット、すべて違う曲順になっているそうだ。

これは、ブルーノートのスタッフによると、毎日来る熱心なお客さんが少なくないので、そうした人たちのために、できる限り、曲がかぶらないようにして、曲順も変えている、という。

また、この日だけでも、5曲も未発表の新曲を披露している。(下記セットリストで new  と明記) そうしたこともあるから、毎回来る人、あるいは、ファースト、セカンド通しで見る人が多いのだろう。

何より、このグルーヴ感のあるギター・プレイは最高だ。そして、タイプもソウル、R&B風だけでなく、レゲエ風、フュージョン風、スムーズ・ジャズ風、ブルーズ風、ロック風とヴァラエティーに富む。

しかし、この4人の緊張感も見事。その緊張感は、ジェームス・ブラウンがバンドのボスであり、そこからの指示体制下にあっての緊張感とは違う、お互いがテンションをぴんと張っている緊張感だ。

ある一定のレヴェル以上のミュージシャン同士だと、そのメンバー同士でお互いテンションをかけあい、お互い上へ上へとひっぱり上げることができる。この4人はまさにそのような典型的な良い例。各個人は10点満点の技量の持ち主だが、4人揃うことで化学反応が起き、各自12点以上のパフォーマンスを見せているのだ。

実に密度の濃いパフォーマンスを見せてくれた。

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衝撃波。

特に今回悩殺されたのは、ルイス・ケイトーのドラム・ソロ。4曲目の「ニュー・ジャングル」でのドラム・ソロの衝撃といったらなかった。僕もけっこうドラム・ソロが好きなのだが、僕個人としては1990年代後期だったか、アースでやってきたソニー・エモリーのドラム・ソロ以来の衝撃波だった。

ルイスはドラマーとして天才なのではないか。独学であのドラミングはすごい。ドラムスがルイスを選んだ感じだ。ドラムに選ばれた男、ルイス・ケイトー。

ルイスは今年(2015年)、マーカス・ミラー、ボビー・マクファーリン、そしてこのジョン・スコフィールドと半年もしないうちに3回も来日している。それだけ売れっ子のドラマーなのも頷ける。

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ライヴ後、ルイスに「ソニー・エモリー以来の衝撃だった」と言ったら、えらく喜んでくれた。なんでも、自分のアルバムを作っているところで、そこではあらゆる楽器をやり、しかも歌まで歌っているという。できあがったらまっさきに聴かせると言ってくれたので、超楽しみだ。ジャズ界のスティーヴィー、プリンスみたいになっていくのだろうか。

唯一の心残りは、たった一度しかこのライヴを見なかったことだ。次回は必ず通しで見よう。

■セットリスト Setlist : John Scofield@ Blue Note Tokyo, May 30, 2015
(new) denotes new songs

First set

Show started 17:03
01. Snake Dance
02. September 4
03. Pop Ho (new)
04. New Jungle (new)
05. Boogie Stupid
06. Love The Most (new)
07. I Brake 4 Monster Bootie
Show ended 18:28

Second set

01. Snap, Crackle, Pop
02. You’re Missing The Point
03. Almost Blues (new)
04. Jungle Fiction
05. Dub Dub
06. 122 BPM (new)
07. Endless Summer
Enc. I Don’t Need No Doctor

Members:

John Scofield (Guitar)
Avi Bortnick (Guitar, Sampler)
Andy Hess (Bass)
Louis Cato (Drums)

(2015年5月30日土曜、ブルーノート東京、ジョン・スコフィールド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Scofield, John

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