★アドリブで連載していた『プリンス物語』 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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★アドリブで連載していた『プリンス物語』

【Prince Story On Adlib Magazine】

連載。

プリンスが久々に新譜を出すというので周辺がざわついています。そんな中、プリンス・フォロワーのツナさんがきっちり保存されている貴重資料が、いまは亡き音楽誌「アドリブ」1985年2月号から1986年8月号まで19回にわたって連載された吉岡正晴が書いた「プリンス物語」。これについて、ツナさんが紹介してくれたので、ブログでも改めて紹介します。

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この連載は毎回4-6ページで、回によりますが6000字から1万字近く書いていたので、トータルで15-6万字にはなっているかもしれません。まあ、新書くらいの量にはなっていますね。

一応デビュー前から『パープル・レイン』の大ヒットまで(1984年夏)ということで書きました。書き始めたときはまだジョン・ブリームの本(最初のプリンスの伝記、1984年9月全米リリース、日本版1985年4月リリース)も手元になかったので、ひたすらアメリカのソウル系雑誌を集めて取材しました。その後ジョン・ブリームの本を読んで、初期のことがだいたい同じようなことが書いてあったので、納得しました。

これとは別に1986年5月、プリンスのいとこペピー・ウィリーのインタヴューやミネアポリス取材を2回敢行しました。

僕がワープロを使い始めるのが、1986年9月からで、これはいわば「プリ・ワープロ」時代の作品。手書きのオリジナル原稿を編集部に渡すとそれは手元に残らず、この印刷物だけがすべてです。アドリブは創刊2号目(1975年)から最終号まで書いていましたが、いまはすべてトランクルームに保管しているので、なかなかおいそれと読めません(泣)

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雑誌購読。

以前にもどこかに書いたかもしれませんが、ネット以前は、とにかく海外の雑誌でした。ビルボードから、NME、ブルーズ&ソウルなど週刊誌から月刊誌まで、一時期50誌・紙くらい定期購読していました。たぶんそんなバカなことをしてるライターはほかにいなかったと思いますが。(笑) たった1ページのどうしても読みたい記事のために銀座イエナで1000円もする雑誌を買ったこともあります。いまだったらデジカメで写真撮るかも。(笑) 向うの雑誌などはけっこう判型が大きかったりしたので、さすがに必要記事だけ切り取って捨てたものも多数あります。イエナで買うと高いので毎号買った方がよい雑誌はすぐに定期購読するようになり、それでそんな数に膨れ上がりました。

また、当時はコピー代(1枚30円~50円とか)も高くて、いまのように必要ページをコピーできなかったです。いまはその点、圧倒的にかかるコストが安くなりました。

雑誌の整理が途中から収拾がつかなくなり、B4の集計用紙に雑誌名、日付・号などをかいて管理していました。いまだったら、エクセルでしょうね。目次からブラック系のアーティストの名前を選んで図書カードに、雑誌名・号などを書いて、そのカードをABC順に整理していたのですが、すぐに量が多すぎでギヴアップしました。でも2-3年はやってたでしょうか。そうすると、たとえばプリンスの記事はどの雑誌の何号にあるか、カードでわかるわけです。私家版・大宅文庫ですね。(笑) 資料の整理はほんとうに手間暇お金がかかる。そうした集めたプリンスの数少ないインタヴュー記事や、ライヴ・レビューなどをもとに物語を構築していきました。

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ピース。

それはまるでジグゾー・パズルのピースを一つずつ丹念に紡ぎ合わせていくようなものです。ときどき、ピースがかけているようなところにピースがどんぴしゃにはまると、それはそれはうれしいものでした。

こういうスタイルで長めの文章を書くのは実はこのプリンスが2度目で、最初は1970年代後期(1978年頃)に「コモドアーズ物語」を特にどこにだすというあてもなく書きました。たぶん200字詰め原稿用紙で100枚から200枚はあったと思いますが、これは未発表です。ただ未発表ではあったのですが、こういう手法で書いて行けばいいんだ、というのをなんとなくつかんだ感じはあり、自分のライターのキャリアの中ではターニング・ポイントだったかもしれません。もちろん、それがジョン・ホワイトヘッド物語、ハーヴィー・フークワ物語などから、『ソウル・サーチン』の書籍へつながっていきます。

そのアーティストがどういう考え方をしているか、どう思っているか、どういう経緯でその曲が生まれたのかということが最大の僕の関心事で、そこに書き手がどう思うかということにはまったく興味がありませんでした。それは読んだ人間が感じればいいことだと感じていました。

そういう意味で、音楽評論家というよりも、音楽ジャーナリスト的な立ち位置のほうが自分にはあっているなと感じていました。

ARTIST>PRINCE

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