●メイボン・ティーニー・ホッジス(ハイ・リズムのギター奏者)68歳で死去 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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●メイボン・ティーニー・ホッジス(ハイ・リズムのギター奏者)68歳で死去

【Mabon “Teenie” Hodges Dies At 68】

訃報。

メンフィス・ソウルの屋台骨、メンフィス・リズム隊としてメンフィス、ハイ・レコードの多くのバックをつけたいわゆるグループ「ハイ・リズム」のギター奏者メイボン・ティーニー・ホッジス Mabon "Teenie" Hodges が 2014年6月22日、ダラスの病院で肺気腫のため死去した。68歳。2014年3月にダラスで行われた音楽フェスティヴァル「サウス・バイ・サウス」に参加していたとき、肺炎で病院に運ばれていた。その入院先で死去したという。先週あたりまで元気な姿の写真をSNSなどに出していたが、容体が急変したのかもしれない。

ホッジス兄弟は12人兄弟で、そのうちの3兄弟でチャールズ(オルガン)、リロイ(ベース)、ティーニー(ギター)、さらにドラムスのハワード・グライムスらとともに「ハイ・リズム」というグループ名でも活躍しつつ、メンフィス・サウンドを作り上げていた。ティーニーはアル・グリーンとも多くの共作がある。“Take Me to the River”, “Love and Happiness”, “Here I Am (Come and Take Me)”, “Full of Fireなどが代表曲。 

ニュース記事
http://goo.gl/kr7drL 

http://goo.gl/K6kbmu

評伝。

メイボン・ティーニー・ホッジスは、1945年11月16日テネシー州ジャーマンタウンに生まれた。(アメリカのメディアは1946年生まれと書いているが、たぶん、誕生日がわからなかったため1946年としているものと思われる。死去68歳が正しければ、誕生日がまだのため、1945年生まれになる) 12人兄弟の一人。父リロイ・サーは自身のバンド、ジャーマンタウン・ブルー・ドッツを持っており、そのバンドでおそらく長男のリロイも参加していた。ここでおそらく次男のメイボン・ティーニーは12歳頃からギターを弾きだすようになった。

息子のリロイは自身のバンド、ジ・インパラス(The Impalas)を結成。メイボン・ティーニー、トミー・リー・ウィリアムス、アーチー・ターナーらが参加。このアーチーはウィリー・ミッチェルの義理の息子だという。

こうして彼らがメンフィスのウィリー・ミッチェルと知り合ったのは、1960年代初期。ウィリー・ミッチェルは、ティーニーを住み込みのような形で面倒を見るようになり、16歳頃(1961年頃)から約7年間、ウィリーの愛弟子のような存在になった。彼は1965年までにはほぼ正式なウィリー・ミッチェル・バンドの一員となっていた。

そして、このウィリー・ミッチェル・バンドに、兄のリロイ(ベース)、弟のチャールズ(1947年6月29日生まれ)(オルガン)も参加。さらに、ウィリーはドラマーのアル・ジャクソン、アル死去後はハワード・グライムス、ピアノにアーチー・ターナーなどをいれたリズム隊を結成。ハイ・レコードのセッションに積極的に起用するようになった。

1970年までに、ウィリーは軸足をツアーからスタジオでの仕事に移し、ホッジス兄弟はメンフィスのウィリーが持つロイヤル・スタジオでの仕事に集中するようになる。このリズム・セクションは「ハイ・リズム」という名前で、1976年には自身のアルバムも出すまでにいたっている。

この「ハイ・リズム」でリーダー的存在となっていったのが、ティーニー・ホッジスで、ティーニーはアル・グリーン、アン・ピーブルズ、シル・ジョンソン、オーティス・クレイなどハイ・レコードの録音に参加。アル・グリーンとは“Take Me to the River”, “Love and Happiness”, “Here I Am (Come and Take Me)”, “Full of Fire”などを共作している。

ハイ・レコードが1970年代後期に実質的に運営を中止するとともに、ハイ・リズムは自然解散となり、メンバーは別のアーティストのツアーなどに出るようになった。

一方、2000年代に入りティーニーらは、若手のアーティスト、キャット・パワーのレコーディング、ライヴなどに付き合うようになり、この過程で当時はキャットのツアー・マネージャーを担当していたスザンヌ・ヴァプネックと知り合い、彼女がティーニーのキャリアに興味を持ち、彼のドキュメンタリー映画を作ることになった。これは、"Mabon “Teenie” Hodges- A Portrait of a Memphis Soul Original"というタイトルの映像作品となった。

ティーニーのギターは、やはり独特のものがあり、リロイのベース、チャールズのオルガン、そして、ハワード・グライムスのドラムスとともに、実にユニークな分厚いソウル・サウンドを作り上げていた。

George Klein's Memphis Sounds with Teenie Hodges
http://youtu.be/ZEoEqww7MK4



Hi Rhythm - "Black Rock": SXSW 2013 Showcasing Artist
http://youtu.be/kttsk_1gqsI



Al Green-Lets Stay Together

http://youtu.be/COiIC3A0ROM



AL GREEN-TAKE ME TO THE RIVER. LIVE 1975

http://youtu.be/ngrXi5Dwk2I



Al Green- Love and Happiness (Live on Soul!, 1972)

http://youtu.be/Ig7yLiOVpy0



■アル・グリーン

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OBITUARY>Hodges, Teenie, Mabon (November 16, 1945- June 22, 2014, 68year old)