◇映画『マッスル・ショールズ』2014年7月日本公開決定

◇映画『マッスル・ショールズ』2014年7月日本公開決定

【Movie “Muscle Shoals” Will Be Released Japan July 2014】

伝説。

アメリカ深南部アラバマ州マッスル・ショールズにある伝説の録音スタジオ「マッスル・ショールズ・スタジオ」「フェイム・スタジオ」とそこで録音された音楽を作り出した音楽プロデューサー、リック・ホール周辺を描いた音楽ドキュメンタリー映画『マッスル・ショールズ』（2013年）の日本公開が決まった。2014年7月から新宿・シネマカリテ他で順次公開される。配給宣伝・アンプラグド、提供・メダリオンメディア。映画の邦題は『黄金のメロディ～マッスル・ショールズ』。

このドキュメンタリー映画は、南部の何もない小さな町にレコーディング・スタジオを作り、その周辺のミュージシャンを集めて作り出したサウンドが、徐々にアメリカやイギリスの音楽業界で注目を集めるようになり、伝説のスタジオになっていく様子を、多くのアーティスト、関係者などの証言によって描いていくもの。マッスル・ショールズ・スタジオ、フェイム・スタジオで録音されたソウル、ロックのレコードには名盤とされるものも数多く誕生し、世界中のミュージシャンのあこがれのスタジオとなった。

この映画には、マッスル・ショールズでレコーディングしてきたキース・リチャード、ミック・ジャガー、ボノ、アリーサ・フランクリン、クラレンス・カーター、ジミー・クリフ、マッスル・ショールズ・リズム・セクションの面々、マッスル・ショールズを作り上げた張本人リック・ホールら多くが登場。また、エタ・ジェームス、ウィルソン・ピケット、ジェリー・ウェクスラーなど故人となったソウル・アーティスト、プロデューサーたちもアーカイブ、実際のインタヴュー映像などで登場する。エタやジェリーはおそらくこのプロジェクトが始まり撮影後、死去したものと思われる。ほかにも、パーシー・スレッジ、ダン・ペン、スプーナー・オールダム、キャンディ・ステイトンらも登場。監督は監督デビューのグレッグ・フレディー・キャマリアー。

当初、このプロジェクトは『スタンディング・イン・ザ・シャドーズ・オブ・モータウン(Standing In The Shadows Of Motown)邦題、永遠のモータウン』）を作ったチームが2006年頃てがけるという話があったが、それが流れ現在のこのスタッフで製作された模様だ。キャマリアーによれば、彼はこれを2008年頃から手がけ始めたという。

作品は2013年1月26日、サンダンス・フィルム・フェスティヴァルでプレミア公開され、マグノリア・ピクチャーズが配給権を獲得、同年9月27日全米で公開され、2014年2月、DVDなどがリリースされた。これまでに約50万ドル（約5000万円）ほどの興行収入をあげている。

コロラド州で2005年から行われている「ボールダー・インターナショナル・フィルム・フェスティヴァル」（2014年は2月13～16日に開催）2013年度で最高賞の「グランド・プライズ」を獲得した。

公式サイト↓
http://www.muscleshoalsthemovie.com/

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=auGUm2r0cLs

追記～2014年5月14日付ブログもどうぞ～
2014年05月24日(土)
映画『黄金のメロディ　マッスル・ショールズ』～南部ソウルの旅への誘い
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11856958127.html

追記ここまで

～～～～

証言。

この映画は、昨年からずっと見たいと思っていていろいろと情報を集めていたが、せいぜい映画のトレイラー（予告編）を見る程度で、逆にそれを見ると、かなり自分好みの作品であることは確信した。なかなか情報がはいってこない中、アメリカ・アマゾンのレンタルで見られるという情報を聞いて、トライしようと思っていたが、忙しさにかまけてできないうちに2014年2月10日にイギリスでDVD（その後遅れてアメリカでブルーレイ）が出るというので早速イギリス・アマゾンで入手。来た日にちょっと雑用をしながら2回ほどリピートしたが、予想にたがわずとてもおもしろかった。

僕はリック・ホールという人物はいわゆる南部人特有の偏屈なおやじなのかなと思っていたが、意外とそうでもなく実に幅広く、ストレートにオープンに自身のストーリーを順序だてて語っていて、それに引き込まれた。

カメラが捉えるマッスル・ショールズ、アラバマのスワンプ地帯（湿地帯）の映像が実に美しい。

そして、おもしろいのは、メンフィスのハイ・レコードのサウンドを作るロイヤル・スタジオ、モータウン・サウンドを作る面々、フィラデルフィア・サウンドのシグマ・スタジオの面々などと比較しても、実に個性豊かなメンバーが描きだされる。

やはり、湿地帯（スワンプ）しかない田舎町で「大物になりたい(I want to be somebody)」と思ったリック・ホールが、まさにゼロからすべてを作り上げたスタジオ、ミュージシャンたち、サウンドの歴史は、音楽好きにはたまらない魅力になっている。

驚いたのはリック・ホールがオープンにストレートに歴史をしっかり語っている部分。まさにこの映画『マッスル・ショールズ』は、リック・ホール自身の「ソウル・サーチン・ストーリー」だと強く感じた。

一方で、このスタジオを世界に注目させた大きな功労者の一人は、アトランティック・レコードの名物プロデューサー、ジェリー・ウェクスラー（故人）だが、彼が南部人を上から目線で見ているあたりの雰囲気も、とても興味深かった。

アリーサ・フランクリンの「リスペクト」、ウィルソン・ピケットの「ダンス天国」、ステイプル・シンガーズの「アイル・テイク・ユー・ゼア」、パーシー・スレッジ「男が女を愛するとき」、クラレンス・カーターの一連のヒット、ローリング・ストーンズの「ブラウン・シュガー」、ポール・サイモンの「コダクローム」などなど、ここから多数の大ヒットが生まれている。

だが多くの人は、これらのヒットを知っていても、それがレコーディングされた場所などは知らない。まさにこの映画はそうした裏方、裏事情にスポットを当てたいわばマニアックな映画だ。

とてもおもしろいのは、この作品を監督したグレッグ・フレディー・キャマリエーは、これが初の監督作品だが、昼間は不動産の仕事をしているアマチュア・ミュージシャンで、音楽好きが嵩じて今回のこの作品をてがけることになったという。

DVDには映画本編にないインタヴュー素材なども収録されており、今後もこの映画については情報をお伝えしていく予定。また、『ソウル・サーチン・レイディオ』でも曲をかけながら近いうちに紹介します。

関連記事↓

映画についていち早く紹介した陶守さんのブログ記事
http://black.ap.teacup.com/sumori/1464.html
（2013年11月12日付け）
彼はアマゾン・レンタルで視聴。

ザ・ローリング・ストーンズが愛した“聖地”に迫る…映画『黄金のメロディ』7月公開
cinemacafe.net 3月5日(水)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140305-00000008-cine-movi

映画データ

『Muscle Shoals』(2013)

監督：Greg 'Freddy' Camalier
プロデューサー：Stephen Badger、Greg 'Freddy' Camalier
時間：111分
配給元：Magnolia Pictures
出演：
Cast

Gregg Allman as himself
Bono as himself
Clarence Carter as himself
Jimmy Cliff as himself
Aretha Franklin as herself
Rick Hall as himself
Roger Hawkins as himself
David Hood as himself
Mick Jagger as himself
Jai Johanny Johanson as himself
Donna Jean Godchaux as herself
Jimmy Johnson as himself
Alicia Keys as herself
Ed King as himself
Spooner Oldham as himself
John Paul White as himself
Dan Penn as himself
Keith Richards as himself
Percy Sledge as himself
Candi Staton as herself
Steve Winwood as himself

MOVIE>Muscle Shoals

DVD (英語版）(イギリス版＝リージョン２）

http://www.amazon.co.uk/Muscle-Shoals-DVD-Mick-Jagger/dp/B00E0JTL8O/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1394429739&sr=8-1&keywords=muscle+shoals

DVD　（英語版）(アメリカ版＝リージョン１）